要約

  • 2022年6月30日の仮差止命令について、AFRINICは二つの効力を公表した。第一は決議202110.655に基づく行為の差止め、第二はMabano Eddy Kayihura CEOが理事会の選挙による再構成まで職権上の理事として行動することの差止めである。
  • CEOとしての雇用上・執行上の地位と、職務に付随して自動的に得る理事席は別の法的状態だった。AFRINIC自身のFAQも、Kayihura氏はCEOにとどまったと説明している。
  • 命令は一方当事者の申立てを受けた暫定的な救済であり、本案の勝敗、違法行為、全理事の地位、選挙の有効性、技術障害や損失を確定したものではない。
  • AFRINICの後年の年次報告は、別件の6月14日命令の段階で理事会が定足数を失ったと記す。したがって、Crystal Webの命令だけが最初の定足数喪失を引き起こしたとはいえない。
  • 実務上必要なのは、差し止められた権限、残る権限、送達と応答の日程、不服申立ての経路、業務継続措置、最終処分を一つずつ記録する「暫定権限受領票」である。

二本の線が引かれた6月30日

事件番号SC/COM/WRT/000454/2022をめぐり、AFRINICの訴訟FAQは、資源会員Crystal Web (Pty) Ltdが2022年6月30日に一方当事者による申立てを行い、P.D.R. Goordyal-Chittoo判事が差止命令の性質を持つ暫定命令を出した、と説明している。AFRINICの事件一覧も、同日付のCrystal Web対AFRINIC事件を、認容され、相手方が争った差止申立てとして掲げる。ただし、そこにあるのは機関による要約であって、認証された命令全文でも、本案判決でもない。この証拠の輪郭を崩さないことが、命令の意味を理解する第一歩になる。

AFRINICの公表説明によれば、第一の差止めは、AFRINIC、Kayihura氏、さらにその代表者や代理人らが理事会決議202110.655に基づいて行動することに向けられた。第二の差止めは、Kayihura氏がAFRINICの職権上の理事として行動することに向けられ、その終期は理事会が選挙によって再構成されるまでと表現された。二本は近接しているが同一ではない。一方は訴訟権限を運ぶ委任の経路、もう一方は執行役職から理事会権限へ入る自動的な経路を対象とした。

ここで最も重要なのは、FAQがKayihura氏のCEO職は継続したと別に述べている点だ。つまり、命令について「CEOが解任された」と要約すれば誤りになる。CEOとして職員を指揮し、法人の日常執行を担う地位と、CEOであることを理由に理事会へ加わる職権上の理事席とは、重なる人物に宿っていても法的には異なる。裁判所の暫定的な線引きは、人を丸ごと組織から排除するのではなく、その人がどの資格で、どの決定面に触れられるかを分けたものとして読む必要がある。

この区別は単なる肩書の精密さではない。理事会は法人の統治判断を行い、CEOは承認された方針の下で執行を担う。職権上の理事という仕組みは、執行責任者を追加の選挙なしに理事会へ接続する。したがって、その席を暫定的に止めることは、雇用関係を消さずに理事会での発言、参加、意思決定への接続を止め得る。反対に、CEO職が残るという説明は、職員への通常の指揮や技術サービスがすべて当然に停止したわけではないことを示す。ただし、どの署名や指示がCEO権限に属し、どれが理事権限または決議202110.655の委任に依存したかは、個別に確かめなければならない。

決議202110.655が開いていた広い委任路

2021年にAFRINICが公表した決議202110.655は、会社に関係する訴訟でAFRINICの権利と利益を防御し保護するため、必要と考える行為をCEOに委ねた。列挙された権限には、弁護士への指示、手続の開始または防御、差止めその他の救済の申立て、宣誓供述、請求への対応、代行者の選任が含まれていた。対象も、その時点で係属中の事件だけでなく、会社に直接または間接に関係する既存・将来の事件へ及ぶという広い書き方だった。

この決議が重要なのは、AFRINICが主権的な権限を持っていたからではない。むしろ、私法人が自らの訴訟行為を誰に任せるかという社内の権限配分を、理事会が広範に設定していたからである。弁護士を選び、訴訟を起こし、防御し、宣誓供述を行うことは法人に必要な行為である。しかし、理事会の構成や権限が争われる局面では、その理事会が以前に作った包括的委任を通じて、誰が法人の名で裁判上の選択を続けられるのかが争点になり得る。6月30日の第一の差止めは、この委任路に暫定的な停止線を引いた。

停止線は、決議の存在そのものを歴史から消したわけではない。公表ページは理事会が委任を採択した事実を示すが、すべての後続行為が決議の範囲内だったこと、理事会構成の変化を経ても委任が常に存続したこと、裁判所がAFRINICの解釈を最終的に採用したことまでは示さない。同様に、差止命令が決議に基づくすべての過去の行為を遡及的に無効とした、ともいえない。確認できるのは、公表された暫定命令が、以後その決議に基づいて行動する経路を止めたという限定された点である。

この限定は、広い言葉を狭い証拠で読むために欠かせない。「AFRINICに直接または間接に関係するすべての事件」という委任文言は大きく見えるが、それは国家の司法権ではない。法人が自分の代理権を内部で配る行為であり、裁判所の管轄、法的救済の可否、相手方の権利を決める力ではない。決議は弁護士へ指示する人物を定め得ても、誰が正しいかを終局的に裁定することはできない。ここで差し止められたのは、私的な委任の利用であって、公共の司法権がAFRINICから取り上げられたのではない。

自動的な理事席と選挙による再構成

第二の差止めが示す統治上の要点は、職権上の理事席が選挙を経ない入口だったことである。AFRINICの後年の年次報告によれば、2022年の年次総会前の理事会は8人で、選挙で選ばれた7人にCEOの職権上の理事1人を加えた構成だった。CEOという執行職に就くことが理事席への資格を自動的に結び付けていたため、その一席は選挙で生じる席と同じ形成過程を持たなかった。

公表された命令の終期は「理事会が選挙によって再構成されるまで」だった。この文言は、裁判所が候補者を選び、投票を運営し、当選者を決めたことを意味しない。2022年の選挙手続は、定款13.2に基づき理事会が設定したとAFRINICが説明する私的な仕組みであり、役割や段取りも会社側の公表物に記されている。裁判所の暫定命令は、その仕組みを自ら運営するのではなく、再構成という条件が満たされるまで自動的な理事権限の利用を止めた。司法の作用と選挙事務の作用は、ここでも分かれている。

だからこそ、「裁判所がAFRINICを運営した」という描写は正確でない。裁判所は紛争当事者の申立てに対して暫定的な法的拘束を置く。AFRINICは選挙や法人実務、番号資源台帳、会員サービスを扱う。命令に選挙が条件として現れても、裁判官がレジストリの技術運用者になったわけではなく、裁判所が理事を任命したわけでもない。止められた経路と、残された私的手続を区別するほど、この事件の制度的な輪郭は明瞭になる。

ひとつの命令に全崩壊を背負わせない

6月30日を大きな危機の象徴として語る誘惑は強い。しかし時系列は、それを許さない。AFRINICの後年の統合年次報告は、5月16日の別件のLarus Cloud Service命令によって予定された選挙が進まず、その段階では5人の理事が残ったと説明する。さらに、6月14日の別件のAfrica on Cloud命令がDr Abdalla Omariを含む理事会会合を制約し、その時点で理事会は定足数を満たさなくなった、と記している。その後に、6月30日のCrystal Web命令が置かれている。

したがって、Crystal WebがAFRINICの最初の定足数喪失を単独で引き起こした、あるいは6月30日の命令が6月14日の状態より先だった、とは書けない。6月30日の命令は、後に長期化した無定足数危機へ硬化していく連鎖の中で、選挙と権限の接点に置かれた一つの重要な統制点だった。危機全体の説明ではなく、この命令の二本の差止めに焦点を絞ることで、原因と結果を過剰につなげずに済む。

定款19.6についても同じ慎重さが要る。公表条文は、理事の過半数かつ5人以上を通常の定足数とし、定足数なしには業務を処理できないと定める一方、延期された会合では少なくとも3人を有効な定足数とし得る別経路も置いていた。条文の存在は確認できるが、特定の会合でどの経路が利用できたか、実際に要件を満たしたかは、この資料だけでは決められない。人数の算術だけで法的な理事会の存在を断定することも、逆に完全な消滅を断定することも避けるべきである。

7月8日付のRPD公開メーリングリストには、この命令をめぐる同時代の応酬が残る。そこではCrystal WebがAFRINICの資源会員、AFRINICとCEOが相手方、一方当事者による申立てであること、7月14日が応答日の予定であることが述べられた。同時に、5人の理事が残るのか、そもそも理事会が法的に存在するのかについて、参加者の競合する解釈も記録された。これは当時の不確実性を示す価値ある証拠だが、投稿者の法的見解を裁判所の判断へ格上げしてはならない。

暫定命令が確定していないもの

「申立て」「暫定命令」「送達」「応答」「次回審理」「変更または取消し」「上訴」「本案の最終判断」は、一本の直線上に並んでいても同じ出来事ではない。一方当事者による申立ては、緊急性のある局面で相手方を最初から聴かずに保全を置くことがある。その段階の命令には法的拘束力があっても、相手方が証拠と反論を提出した後の判断や、最終的な権利関係の確定とは別である。

公表資料からは、AFRINICとKayihura氏が7月14日までに応答できるとの同時代の説明は得られる。しかし、完全な送達記録、提出された応答の正確な内容、次回期日で何が起きたか、命令が変更、解除、更新または置換されたか、上訴されたか、最終的に本案へ到達したかは確定できない。命令全文が手元にない以上、申立ての全請求、供述証拠、裁判官の詳細な理由も復元できない。欠けている状態を想像で埋めることは、暫定性を確定性にすり替える。

そのため、この命令は、不正行為や侮辱を証明せず、過去の全理事会行為を無効にせず、全理事の法的地位を決めず、選挙を無効とせず、CEOを雇用から排除せず、理事会を永久に解散させない。まして、番号資源の移転、経路制御の変化、利用者の喪失、金銭的損害、停止事故を立証するものではない。技術的な影響があり得るという一般論と、この命令が具体的な障害を生んだという因果主張の間には、越えてはならない証拠の間隔がある。