要約

  • 2021年7月の決議202107.622は、Appeal Committee Terms of Reference Version 2と、2021年4月14日に再構成された委員会を即時に撤回し、2021年7月8日付のVersion 3を承認した。規約と審査主体の二重の交代である。
  • この措置の直前には、委員二名の辞任後に残った三名が、五名体制へ完全に戻るまでは審理を進めないと報告し、三件の不服申立てが係属していた。したがって、交代には停止した救済経路を再稼働させる合理的な説明が成り立つ。
  • しかし、理事会が社内機構を組み替える権限を持つことと、係属事件に対する移行が公正だったことは別問題である。公正性は、当事者、提出物、証拠、手続段階、審査基準、救済手段、期限、忌避状態が引き継がれたかで測るべきだ。
  • 公開記録は二つの即時撤回とVersion 3の承認を証明する一方、通知、記録移管、適用規約、時計の停止、新委員の選任、各事件の継続または再開始を明らかにしていない。これは保護措置が存在しなかったという証明ではなく、公衆がその存在を確認できないという限界である。
  • 必要なのは委員を永久に固定することでも、私的な審査機関を公的裁判所のように扱うことでもない。旧版と新版、係属事件、移管記録、維持される権利と手続状態を結ぶ、版管理された「移行受領書」である。

L3 — 不服申立ては残り、審査機関は変わった

2021年7月、AFRINIC理事会は一つの制度を部分的に修理したのではない。決議202107.622が記録した操作は三段階に分かれている。第一に、2017年11月26日付のAppeal Committee Terms of Reference Version 2を即時に撤回した。第二に、2021年4月14日に再構成されたAppeal Committee自体を即時に撤回した。第三に、Consolidated Policy Manualのsection 3.5(1)のため、2021年7月8日付のTerms of Reference Version 3を承認した。旧い規則だけを替えたのでも、空席だけを補充したのでもない。審査を担う人のまとまりと、その審査を成立させる構成文書が同時に入れ替わったのである。

しかも、机の上は空ではなかった。三件の不服申立てが係属していた。二件はResource Transfer Policyの提案に関するもので、もう一件はPDWG共同議長選出をめぐるコンセンサス確認に関するものだった。本稿が扱うのは、その三件の中身やどちらの主張が強かったかではない。重要なのは、判断を待つ具体的な手続が存在し、それらが終わる前に審査機関の人員と規約がともに変わったという移行状態である。

この直前の事情は、7月の措置を理解するための入口に限って意味を持つ。委員二名が辞任した後、理事会は2021年4月14日の決議202104.606によって、規約の見直しと欠員補充を待つ間、残る三名を例外的に十分な定足数とみなした。ところが、その三名は5月6日付の報告で、委員会が五名で完全に再構成されるまで残る不服申立てを進めないとした。ここから、審査経路が名目上は存在していても、実際には動いていなかったことが分かる。

決議202107.622は、その状態を受け、任命された委員が「その機能を果たすことへの消極性(a reluctance to deliver on their functions)」を示した、と理事会が認識したことを記している。この文言の主語を外してはならない。それは理事会が公的記録に置いた診断であり、委員の悪意、職務違反、妨害意図を独立に立証するものではない。三名の報告から確認できるのは、五名体制になるまで進めないという立場である。その立場をどう評価し、なぜ理事会が「消極性」と表現したかについて、公開された資料は個別のやり取りや動機まで示していない。

二重撤回が生む一つの難問

委員だけを替える場合、規約が手続の連続性を支える錨になり得る。規約だけを将来に向けて替える場合、同じ委員が既存事件の経緯を保持し得る。ところが、人と規約を同時に替えると、どちらも自動的な連続性の担い手にはならない。それまで受理された文書、争点の整理、当事者の応答、既に経過した期間、委員の利益相反や忌避に関する判断は、意識的に移管しなければ新しい制度の側へ渡らない。

この点を「委員会が変わった」という組織図上の出来事だけで捉えると、本当の対象を見失う。不服申立てとは、委員の椅子そのものではなく、申立人と相手方、提出済みの資料、確定した争点、適用される基準、残る時間、利用可能な救済を束ねた手続的な対象である。制度移行が守るべきものは、この束の同一性だ。新しい委員が同じ名称の委員会に座ったとしても、この束がほどければ同じ審査が続いたとはいえない。反対に、委員が全員交代しても束が完全に引き渡されるなら、審査の連続性は保ち得る。

Version 2の移行に関係する限られた条項は、その難しさをさらに明確にする。同版は理事会が任命する五席の委員会を描き、少なくとも四分の三の理事会決定によって委員の一部または全部を交代できるとしていた。一方、不服申立てが進行中なら交代を遅らせるべきだとし、ただし係属が六か月に及ぶ場合には、それ以上遅らせるべきではないとも定めていた。したがって、旧制度それ自体が、係属中の安定と、長期停止を終わらせる必要との緊張を認識していたことになる。

この緊張からは、単純な結論は導けない。「申立てが係属中だったのだから、いかなる交代も不当だ」と言えば、動けない委員会を無期限に固定することになる。反対に、「理事会に交代権限があったのだから、移行は公正だった」と言えば、権限行使の対象となった事件の手続的地位を無視することになる。前者は在職者を制度目的より優先し、後者は組織権限を手続保障と取り違える。決議を評価するには、この二つの近道を同時に退けなければならない。

公開記録が示すこと、示さないこと

確認できることは狭いが重要である。理事会の登録記録は、決議番号を202107.622とし、2021年7月の決議群に置く。そこには理事会の診断、Version 2の即時撤回、4月14日再構成委員会の即時撤回、そして7月8日付Version 3の承認が記載されている。Appeal Committeeの案内ページも、Version 3への変更履歴とその日付を保持している。ここまでは、制度上の行為として確かめられる。

だが、決議が採択された7月の正確な日と時刻、出席者、定足数、票数、個々の理事の賛否、利益相反や忌避は公開記録からは確定できない。理事会の「消極性」という診断を支えた書簡や協議の全体像も示されない。Version 2とVersion 3の逐条比較、起草過程、新委員の氏名や任命時期も明らかでない。本稿が確認できる資料にはVersion 3本文そのものが含まれていないため、その詳細な条項やVersion 2との差異を推測することはできない。

さらに決定的なのは、三件の係属事件が境界をどう越えたかが示されていないことである。当事者へ通知したのか。既存の提出物と証拠を誰が保管し、何を新しい委員会へ渡したのか。すでに行われた手続は有効なままか。どの版の規約が既存事件を統治するのか。期限は停止したのか、再起算したのか。既に成立した忌避判断は引き継がれたのか。各事件は継続、再審理、再開始のどれになったのか。公開された決議は、これらに答えていない。

ただし、「公開資料が答えていない」ことと、「答えとなる私的な手続や連絡が存在しなかった」ことは同じではない。非公開の移管文書が作られた可能性、当事者に個別通知が届いた可能性、事務局がファイルを維持した可能性を否定する根拠はない。ここで言えるのは、外部から確認できる記録が移行保護を立証していない、ということだけである。この慎重さは理事会を免責するためでも、疑念を煽るためでもない。事実と制度評価の境界を守るために必要だ。

私的な是正機構としての位置

AFRINICは、モーリシャスで法人化された民間の会員制技術組織であり、その有用な役割は、固有番号資源の正確な記録を保ち、相互運用可能な変更を調整し、私的なポリシー手続を運営し、運用の連続性を支えることにある。理事会はその内部機構を編成し、Appeal CommitteeはPDWG議長の判断を私的なポリシー手続の中で見直し得る。しかし、いずれも国家、主権者、立法者、規制当局、警察、検察、処罰機関、没収機関、公法上の裁判所ではない。

Version 2が委員会の判断を最終的で拘束力のあるものと表現していたとしても、それは内部のPolicy Development Processにおける終局性を意味するにとどまる。法律上の権利を公法的に裁定する権能や、管轄権を持つ裁判所を排除する力を生まない。この区別がなければ、内部審査の重要性を説明するつもりが、私企業の制度を主権的な法廷へ膨張させてしまう。

だが、私的であることは、手続の質が重要でないことを意味しない。番号資源の方針は、事業者の計画、ネットワーク投資、契約、供給余力、サービス継続の判断に影響し得る。内部の審査が止まれば、係争状態が長引き、関係者はどのルールと判断を前提に計画すべきか分からなくなる。その負担は必ずしも即時の障害や金銭損失として表れるわけではない。監視、参加、法務確認、待機、代替計画という形でも蓄積する。

したがって、決議202107.622の意味は、主権的権力の行使ではなく、民間の技術調整機構が自らの是正経路をどう保守したかにある。理事会ができるのは、会社の機械を組み直すことだ。その正当性は「アフリカを代表する」という大きな物語ではなく、会員や運用者に対して、予測可能で記録可能な手続を提供できるかに依存する。内部制度の規模を正しく限定するほど、かえって移行の精度が問われるのである。