要約

  • AFRINICの会議録は、2014年11月26日にモーリシャスで、理事会がCRISP Teamの編成に関する先行のオンライン決定を追認し、Alan Barrett、Mwendwa Kivuva、Ernest Byaruhangaの三人を任命したと記録している。決議登録簿では二人の氏名がAlan P. Barrett、Mwenda Kivuvaと表記されており、この差は消してはならない。
  • 二つの公式記録は、BarrettとKivuvaを「AFRINIC community」のメンバー、ByaruhangaをAFRINIC職員と分類する。これはAFRINICが用いた属性表示であって、会員全体、事業者、利用者、地域、アフリカ大陸を本人たちが代表するとの授権を証明しない。
  • 公開された決議と会議録には、先行オンライン決定の本文、正確な日付、参加者、定足数、票数、候補者募集、選考方法、協議記録、任期、指示、利益相反、報告、交代、訂正、解任の仕組みが示されていない。ただし、これらが別の場所にも存在しなかったとまでは言えない。
  • 最も好意的に見れば、時間制約のある技術的作業に、外部の視点、専門知識、職員による継続性を組み合わせ、オンラインでの選定を対面理事会で追認することには実務上の合理性がある。必要なのは参加を否定することではなく、誰が、誰のために、何を、いつまで、どの指示と報告義務の下で行うのかを公開することである。

決議が証明する最小単位

決議201411.216について、確実に言えることは狭い。AFRINICの2014年11月の理事会記録には、モーリシャスで11月23日から28日まで開かれた会合があり、そのうち11月26日の議事として、CRISP Teamを構成するためにオンラインで先に行われた決定を理事会が追認したこと、そして三人を同チームへ任命したことが記されている。公開の決議登録簿は決議を2014年11月の項目として載せるが、日付を単独では示さない。正確な11月26日という日付と追認の文脈は会議録によって分かる。

この記録は、理事会が行った会社内部の行為を示す。すなわち、先行決定を自らの会議記録に取り込み、三人を指名するという行為である。「任命した」という動詞が支えるのはそこまでだ。受入れ側のチームがどのような手続で三人を受け入れたか、各席が何を意味したか、本人がどの範囲の発言権を得たか、誰かを法的・政治的に拘束できたかまでは、この決議からは分からない。

この違いは細かな言葉尻ではない。機関が人を会議や作業チームへ送る権限と、その人が第三者の意思を代表し、第三者に代わって妥協を受け入れる権限は別物である。前者は理事会の内部権限で足りることがある。後者には、代表される本人、すなわち委任の主体を特定し、その主体がどの方法で授権したかを示す別の鎖が要る。決議の存在だけで、その鎖を補うことはできない。

二つの記録、二通りの氏名表記

公開記録は氏名の表記でも完全には一致しない。決議登録簿はAlan P. Barrett、Mwenda Kivuva、Ernest Byaruhangaと記す。一方、会議録はMr. Alan Barrett、Mwendwa Kivuva、Ernest Byaruhangaと記す。Barrettには登録簿でミドル・イニシャルがあり、会議録では敬称が付く。Kivuvaの名はMwendaとMwendwaに分かれる。Byaruhangaの表記は双方で同じである。

閉じた記録群には、この違いの理由を説明する資料がない。したがって、一方を「正しい」表記として他方を消すことも、別人だと推測することもできない。制度記録を扱う際の正しい態度は、差異そのものを保存し、どの文書がどの表記を用いたかを明示することである。氏名の正規化は検索や一覧には便利でも、原記録の証拠能力を上書きしてはならない。

表記差を残すことには、より広い意味もある。代表権を評価するには、誰が選ばれたかだけでなく、どの文書が、いつ、どの役割としてその人を記録したかが重要になる。後から整えられた一つの表記だけを見れば、選定から就任まで一枚の完全な記録が存在したように見えかねない。実際に公開されているのは、月単位の登録簿と日付・追認文脈を持つ会議録という、機能の異なる二つの記録である。

「オンライン決定を追認した」という一文の重み

会議録は、CRISP Teamの編成についてオンラインで決定がなされ、その決定を理事会が追認したと述べる。この記述は、11月26日の会議室だけで選考のすべてが始まり、終わったわけではないことを示す。先行行為があり、後の会議がそれを正式な理事会記録へ載せた、という二段階の構造である。

しかし、その先行行為の中身は公開された記録から復元できない。正確な日付、参加した理事、決定の手順、定足数、賛否の数、棄権の有無、候補者の提示方法、推薦者、選考理由、協議の相手は記されていない。決議201411.216自体についても、全会一致との表示、理事ごとの投票、棄権、独立した定足数確認は示されていない。ゆえに、全会一致だったとも、反対があったとも推測すべきではない。

ここで重要なのは、「公開記録にない」と「行われなかった」を混同しないことだ。別の内部文書、通信、口頭協議、チーム側の規則が存在した可能性は残る。だが、公に代表性を主張するなら、非公開の可能性は証明の代わりにならない。外部の読者が検証できるのは公開された行為であり、決議の射程はその証拠が届く範囲に限定される。

追認には善意的な意味もある。時間のかかる対面会合を待たずにオンラインで動き、次の正式会合で会社記録へ取り込む方法は、緊急性と記録性を両立させうる。だが、追認が補えるのは理事会内部での手続的位置づけであって、外部の選挙母体や地域住民による授権ではない。理事会が先行する自らの判断を追認したことと、アフリカの多様な主体がその判断を承認したことは同じではない。

三人に付された分類は何を意味するか

二つの公式記録はいずれも、BarrettとKivuvaをAFRINIC communityのメンバー、ByaruhangaをAFRINIC職員として扱う。これにより、三人の構成が二対一で異なる属性を組み合わせたことは分かる。職員には組織運用の継続性や内部知識が期待された可能性があり、communityと記された二人には組織外からの視点や技術経験が期待された可能性がある。これは、後述する最も好意的な読み方を支える材料にはなる。

それでも、属性は委任状ではない。「職員」は雇用上または組織上の位置を示すが、理事会、経営陣、全会員、事業者のいずれを代表するかを自動的には決めない。「communityのメンバー」も、選挙で選ばれた、一定数の会員から指示を受けた、地域の利用者を代理する、といった事実を含意しない。それは公式記録が付した分類であり、その分類から選挙、授権、責任の経路を逆算することはできない。

とりわけAFRINIC communityという語には、この任命のための境界が示されていない。誰がその集合に含まれるのか。法人会員だけか、個人参加者も含むのか。ネットワーク運用者、政府、研究者、利用者はどの資格で入るのか。意思決定に参加できた人数を分母とするなら、その分母は何人か。実際に意見を出した人数は何人か。これらが不明なままでは、「community」という柔らかな集合名詞を、法的・制度的に授権できる一人の主体のように扱えない。

背景としてのIANAスチュワードシップ移行

2014年3月14日、米国のNTIAはIANA機能に関する自らのスチュワードシップ上の役割を移行する意向を発表し、複数の関係者が関わる過程を通じた提案に対する基準を示した。NROの記録は、インターネット番号資源に関わる側の提案過程と、その中でCRISPが担うとNROが説明した制度上の位置を伝えている。この二つは、AFRINIC理事会の任命が置かれた時代的・制度的背景を理解する助けになる。

ただし、背景資料が証明するのは、それぞれの機関が何を発表し、どう説明したかである。NTIAの基準はAFRINICの三人を選んでいない。NROの説明は個々の任命者に地域からの代表権があったことを証明しない。「community」「stewardship」「consensus」「representation」といった公的文書の語も、発行元が公式機関であるだけで独立した事実にはならない。語の制度的意味は、具体的な主体、手続、範囲、責任に照らして確かめる必要がある。

本稿の対象は任命で止まる。その後にCRISPが何を起草し、他の機関がどのように整理し、移行がいかなる結果に至ったかは評価しない。後の成果が良かったとしても、それが遡って2014年11月の授権経路を作ることはない。逆に、後に問題があったとしても、この決議だけを根拠に任命者や理事会の悪意を推測することはできない。