要約

  • AFRINICの9月25日付累積ファイルは、9月24日12:21:02 UTCのイベントをMERGER_ACQUISITIONと分類し、Fliber (Pty) LtdからLevel 7 Wireless (Pty) Ltdへの記録として掲載した。
  • 対象は4つのIPv4プレフィックス、合計3,328アドレス。RIPEstatは18:00 UTCにAS328533、翌日00:00 UTCにAS327901を各プレフィックスの観測起点として返した。
  • 登録上のイベントと経路コレクターが観測した推移は別の証拠であり、時間的な前後だけでは取引の法的成立、ASNの移転、または因果関係を示せない。

資源台帳は登録機関が何を公表したかを示し、BGPの観測はコレクターがある時点でどの経路を見たかを示す。二つを並べる意味はあるが、同じ証拠として扱うべきではない。

AFRINICが9月25日02:00:02 UTCに生成した累積ファイルには、前日の12:21:02 UTCをイベント時刻とする行がある。source欄はFliber (Pty) Ltd、recipient欄はLevel 7 Wireless (Pty) Ltd、種別はMERGER_ACQUISITIONと記されている。対象の範囲は次の通りだ。

プレフィックス 範囲 アドレス数
102.36.208.0/22 102.36.208.0–102.36.211.255 1,024
102.221.208.0/22 102.221.208.0–102.221.211.255 1,024
102.214.189.0/24 102.214.189.0–102.214.189.255 256
102.208.72.0/22 102.208.72.0–102.208.75.255 1,024

合計は3,328アドレスとなる。9月24日02:00 UTCのファイルは128行で、該当行はない。ただし生成時刻はイベント記録時刻より前だ。したがって、これはイベント前のスナップショットであり、遅延や未掲載の証拠ではない。25日のファイルは129行となり、28日のファイルにも同じ記録が残っている。

経路の推移はRIPEstatで確認できる。9月24日18:00 UTCのBGP Stateは、4プレフィックスすべての観測起点をAS328533として返す。12:00から翌00:00までのBGP Updatesでは、各プレフィックスについてAS327901を起点とする最初の返却アナウンスが19:48:54 UTC、AS328533の最も遅い返却アナウンスが19:49:37 UTCだった。翌00:00のBGP Stateでは4つともAS327901となる。現在のRIPEstat AS OverviewはAS328533をFliber (Pty) Ltd、AS327901をLevel 7 Wireless (Pty) Ltdと表示している。

これはRIPE NCCのRISコレクターが観測した範囲の記録であって、インターネット全体が同じ瞬間に切り替わったことを示すものではない。RIPE NCCの説明によれば、BGP Stateはルーティングテーブルのスナップショットと、その間に受信した更新から算出される。更新フィードもコレクターのピアが見たアナウンスであり、実際の通信量や各事業者の経路選択を測定してはいない。

AFRINICの行は4つの資源とイベント分類を示す。一方、RIPEstatは別の起点ASが後に観測されたことを示す。なぜ経路が変わったかは、どちらの記録にも書かれていない。MERGER_ACQUISITIONという値は契約書や取引完了の確認ではないし、プレフィックスの起点が変わったこともASN自体の移転を意味しない。AFRINICの行にあるのはアドレス範囲であり、ASN移転の記録ではない。

確実に言えるのは、二つの公開システムに異なる時刻の記録があることまでだ。イベント時刻、ファイルの生成時刻、経路の観測時刻を分けて残すことが、誇張せずに次の検証へつなぐ。

出典