要約
- 2024年10月15日、モーリシャス最高裁判事を務める民事控訴院は、元理事Benjamin EshunにAFRINICの控訴を提起する権限がなく(任期は2023年9月18日に満了、理事会定足数は定款19.6(1)により5名)、Moollan氏とMardemootoo両氏にも当事者能力がないという抗弁を認め、控訴を棄却して商事部門の2023年9月12日付口頭判決の命令を回復し、管財人であるOfficial Receiverに対し理事会再構築選挙を判決日から2か月以内に完了するよう命じた(2024 SCJ 473判決書PDF)。
- しかし2026年9月28日現在、この紛争の支配手段のどれ一つとして、確定・送達・履行が同時に成立しているわけではない。RSA解除は争われ、管財命令は解除申立ての判決待ち、2025年6月11日の会員名簿訂正命令はAFRINICが解釈を否定、2026年5月14日の仮処分は送達と最終性が争われている。
2024年10月15日の判決:権限の問い
(AfriNIC) Ltd v Cloud Innovation Ltd & Anor(2024 SCJ 473、記録番号1808)の運用部分で、民事控訴院は二つの予備的抗弁を支持した。第一に、元理事Eshunには控訴を提起しAFRINICを保証義務で拘束する権限がない。判決は、Eshunの任期が2023年9月18日に期間満了で終了し、2023年9月28日には在任理事ではないと判断した。仮に在任していたとしても、理事会の定足数が5名以上である以上、単独の残存権限行使はできず、理事会決議もなかった。第二に、Moollan氏とMardemootoo両氏はAFRINICの名で控訴を提起し出廷する当事者能力がない。控訴院は控訴を棄却し、費用については特段の事情を考慮して命令をしなかった。
同時に、控訴院は2023年9月12日の商事部門の口頭判決による命令を回復し、Official ReceiverがAFRINICの定款に従って理事会選挙を実施する期限を、6か月から判決日から2か月に短縮した。理事会再構築は「極めて緊急の事項」であると述べている。この部分は、この紛争において唯一、実際に履行に進んだ支配手段である。
支配手段の四つの局面
契約(RSA解除)— 主張されて争われている。 AFRINICは会員への割当に対する権限を登録サービス契約(RSA)と統合ポリシーマニュアルに由来すると主張し、2021年7月8日、理事会はCloud InnovationのRSAを全会一致で解除し、割当済みIPアドレスの登録抹消まで90日間の猶予を設けた。AFRINICは、明示的なポリシーがなければ割当済みIPv4のリージングや域外使用は認められないと主張する。Cloud Innovationはこの違反認定を争っており、解除の法的効果は今日まで裁判・名簿・コミュニケの各手段で争われ続けている。
会員名簿(2025年6月11日命令)— 争われている。 Larusとheng.luは、2025年6月11日の命令(SC/COM/MOT/000399/2025)がAFRINICの会員名簿を訂正してCloud Innovation Ltdを会員として追加するよう指示し、会社登記官への記録更新と、管財人による15日以内の訂正に関する書面による約束が記録されたと主張する(Larusの解説、heng.luの分析)。一方、AFRINICの2026年5月9日付コミュニケは、この命令が「いかなる裁判所命令による株主地位継続構造も確立、承認、認識、創設していない」と述べ、命令が2001年会社法第91条の会員名簿に関するものかどうかを争っている。命令書そのものは直接確認できていない。
会社更生(管財と清算)— 判決待ち。 AFRINICの2026年3月12日付会員向け更新によれば、2025年7月に清算請求(SC/COM/PET/000508/2025)が提起され、管財人の職務解除申立ては審理を終えたが判決は未だ下されていない。AFRINICは会社法上のDeclared Companyに指定されており、指定は効力を保っている。
通信面(2026年5月14日仮処分)— 送達が争われている。 AFRINICの2026年5月15日付コミュニケによれば、最高裁判所は、子会社のLarus Ltdを通じて「裁判所がAFRINIC割当IPのリージングを承認した」と示唆する発言をしたCloud Innovationに対し仮処分を発し、2026年5月28日を削除期限とした。同じ日の命令でICANNの清算請求への介入が正式に認められた(The Registerの報道)。Cloud InnovationはThe Registerに対し、仮処分を正式に送達されておらず、「最終判決ではない。IPv4リージングの合法性を判断していない。IPの所有権を判断していない」と述べた。Larusも裁判所の承認を主張したことはないと否定している。
何が確定し、何が確定していないか
確定しているのは2024年10月15日の判決の運用部分、すなわち控訴の棄却と、理事会再構築期限の2か月への短縮である。ただし、短縮された期限の満了や延長の経緯は記録からは確定せず、2025年9月に選出された理事の復職はその期限より後の出来事である。それ以外の三つの局面は、いずれも一方の当事者が記録を援用し他方が否定する状態にある。つまり、AFRINICの紛争IPv4資源に対する権限は、現時点で手段ごとに、かつ暫定的にしか存在しない。
読者にとっての要点は、インターネット番号資源の「割当」が単一の権利証書ではなく、契約・会員名簿・裁判・会社法の複数の手段の積み重ねであるという事実だ。どれか一つの手段が確定しても、他の手段が未確定である限り、レジストリの支配は暫定的なままである。
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