要約

  • AFRINICの決議201302.166が立証するのは、2013年2月にJohn WalubengoとMark Elkinsを取締役から解任する行為が記録され、その行為について出席していたRegistered Directors全員の書面による承認と、両名それぞれの書面による同意があった、ということまでである。公開記録には、正確な決議日、発効日、目的、議席番号、後任、欠員処理、登記官への届出、票数が示されていない。
  • この行為は辞任ではない。AFRINICの2012年定款は書面による辞任と、他の取締役による解任を別の仕組みとして定めている。本人の同意は対立的な追放や処罰という読みを弱めるが、同意があるからといって法的手段が辞任に変わるわけではない。
  • 後年の記録は単純な「2013年にすべてが終了した」という理解を難しくする。2013年6月の総会議事録案はElkinsを理事会メンバーと記し、2014年にはElkinsがNomComの理事会代表となり、Walubengoは監査委員会、Elkinsは財務委員会に置かれた。2015年の決議201507.238は両名の任期が同年6月30日に満了したと述べ、さらに登記官の取締役名簿から二人を削除するよう指示した。
  • 最も慎重な結論は、2012年定款への移行期に、選挙上の任期、会社の役職、Registered Memberとしての地位、登記官の名簿、委員会の役割が異なる速度で処理された可能性がある、というものである。ただし、会社登記の整合や移行処理が2013年決議の目的だったと明記する資料はない。したがって、それは有力な説明であって、確定した事実ではない。
  • AFRINICはモーリシャスの小規模な民間会社であり、インターネット番号資源について有用だが狭い帳簿管理と調整を担う。主権、立法権、規制権、警察権、訴追権、処罰権、没収権、裁判権は持たず、番号資源の所有者でもない。だからこそ、同社に求められるのは権威の誇張ではなく、自らの会社状態を正確に分け、追跡できる形で記録することである。

1 終わったはずの役職と、終わらなかったように見える任期

この記録の奇妙さは、最初から隠れていない。AFRINICの2013年理事会記録ページは、決議201302.166を2月の項目に置いている。決議の文言は、John WalubengoとMark Elkinsを取締役から「解任」することを記録し、出席していたRegistered Directors全員が書面で承認し、対象となった二人もそれぞれ書面で同意した、としている。二人が対象であること、行為が解任として記されたこと、承認と同意が書面だったことは明確である。

しかし、その明確さは狭い。公開された記録だけでは、2月の何日に決議されたのか、いつ効力が生じたのか、何の目的で行われたのか、二人のどの議席にどう作用したのか、後任が必要になったのか、会社登記が実際に変更されたのかが分からない。承認者についても「出席していた全員」という集合の説明はあるが、その氏名、人数、取締役総数との関係、欠席者、忌避者、署名面は見えない。これは、決議が無効だったという意味ではない。公開資料から確かめられる範囲がそこまでだ、という意味である。

さらに重要なのは、その後の記録が二人の活動や任期を別の時間軸で描くことだ。2013年6月の総会議事録案では、Mark Elkinsが理事会のメンバーとして記される。2014年にはElkinsがNomComの理事会代表となり、別の決議ではJohn Walubengoが監査委員会、Elkinsが財務委員会に置かれた。そして2015年の決議201507.238は、両名が2015年6月30日に任期を完了したと述べたうえで、登記官が保有する取締役名簿から両名を削除するよう指示する。

もし2013年2月の「解任」が選挙上の議席も会社法上の役職も登録状態も委員会での資格も一度に終わらせたのなら、後の記録は説明を要する。反対に、2013年決議が登記上または移行上の限られた状態だけを動かしたのなら、その限られた範囲を当時の記録が説明していないことが問題になる。どちらかを推測で埋めるべきではない。ここでの発見は、公開記録の層が互いに調整されていないことそのものにある。

2 決議201302.166が証明すること、証明しないこと

決議を読むとき、最初の仕事は、書かれている事実と、そこから連想しやすい物語を分けることだ。書かれているのは、二人の氏名、解任という行為、出席Registered Directors全員の書面承認、本人たちの書面同意である。ここには対立、懲戒、違法行為、能力不足、内部紛争、制裁、処罰、強制的な追放を示す記述はない。本人の書面同意があることは、敵対的な排除という読みをむしろ弱める。

それでも、同意があるから辞任だった、と言い換えることはできない。決議は解任の語を使っている。しかも2012年定款のArticle 14.1は、書面による辞任と、他の取締役による一定の手続きを通じた解任を別の経路としている。手続きの入口が別なら、結果が似て見えても文書上の行為を混ぜてはいけない。本人が行為に同意することと、本人が辞任という法的手段を選ぶことは同じではない。

逆方向の飛躍も避ける必要がある。「解任」という語に強い響きがあるからといって、それだけで処罰や非難を意味するわけではない。この決議では同意が明記されている。移行期の会社事務、会社登記の整合、定款上の構成変更など、非対立的な理由は考えられる。しかし、公開記録は目的を述べていない。したがって、穏当な説明がもっともらしいことと、その説明が事実として証明されたことは区別しなければならない。

決議が証明しないものは多い。正確な発効日、登記官への通知日、登記完了日、対象となった議席番号、任期が終わったかどうか、欠員が生じたかどうか、Article 13.14の臨時欠員補充が使われたかどうか、後任者、承認の票数、同意書の文言、法的助言、各人の動機である。いずれも重要だが、重要だからといって想像してよいわけではない。

公開資料にないことは、私的な記録が一度も存在しなかった証明でもない。会社が内部に同意書、届出控え、法的助言、取締役台帳を保有していた可能性は残る。ここで評価できるのは、公開された企業統治記録が読者にどこまで一貫した状態遷移を示せるかであり、存在が確認できない文書について不存在を断言することではない。

3 「取締役」は一つの状態ではない

混乱をほどくには、二人の地位を少なくとも六つの層に分ける必要がある。

第一は、会員による選挙で得た議席と任期である。これは、誰がどの選挙枠を、いつまで保持することになっていたかという統治上の層だ。第二は、モーリシャス会社法と会社の定款に関わる、会社法上の取締役職である。第三は、AFRINIC定款が取締役の就任と結び付けるRegistered Memberとしての地位だ。第四は、Mauritius Registrar of Companiesに届けられた取締役またはRegistered Memberの記録である。第五は、NomCom、監査委員会、財務委員会などの委員会における役割である。第六は、ある地位が終わった後の欠員や後任の処理だ。

日常語では、これらをまとめて「理事」「取締役」「ボードメンバー」と呼びがちである。しかし、会社の状態を監査可能にするには、それぞれの開始と終了を別に記録しなければならない。選挙上の任期が残っていても、登記上の状態が変わることは概念上あり得る。委員会の役割を担っていても、それだけで登記上の取締役であると証明できるわけではない。逆に、登記官の名簿に氏名が残っていても、それだけで現実の議決権や任期が継続していたと断定できない。

この区分は、2013年決議の解釈を簡単にするための言葉遊びではない。どの層が変わったかによって、理事会の定足数、議決への参加、署名権限、会員への説明、欠員補充、外部の銀行や取引先が行う権限確認が変わり得る。記録が一層ずつ明示されていれば、後の読者は事実を確認できる。明示されていなければ、一つの語から複数の法的・運用上の効果を推測するしかなくなる。

2013年の記録で分かるのは「取締役からの解任」が記されたことだけで、六つの層を結ぶ対応表はない。だから、「取締役」という一語を見てすべての層が同時に終了したと読むのも、後の委員会活動を見て解任が何の効果も持たなかったと読むのも、どちらも証拠を越える。

4 民間会社の定款が決められる範囲

AFRINICの2012年定款は、AFRINIC Ltdをモーリシャスの保証有限責任の民間会社として位置付ける。定款は、会社内部の役職、会員資格、理事会構成、辞任や解任、欠員補充といった手続きを割り当てることができる。これらは現実の法的効果を持ち得る。しかし、企業内部の文書が、その外側に主権や公権力を作り出すことはない。

AFRINICは、インターネット番号資源について有用だが狭い帳簿管理と調整を行う主体である。アフリカの政府でも、議会でも、規制当局でも、警察でも、検察でも、裁判所でもない。処罰、没収、裁定を行う公的権限はなく、インターネット番号資源の所有者でもない。AFRINICの会員は会社統治に参加するが、アフリカ全体を代表する主権的選挙民ではない。会社内で成立した決議は会社状態を動かし得るが、運用者やインターネットに対する公法上の権威を生み出さない。

この境界は、2013年の記録問題を小さくするどころか、評価軸を正確にする。AFRINICに求めるべきなのは、曖昧な「コミュニティ権威」への服従ではない。選挙上の議席と会社法上の役職を区別し、誰がいつどの資格で行為したのかを確認できる、普通の民間会社としての精密な帳簿である。

番号資源の登録を扱う組織は、運用者に正確な組織名、連絡先、割当、移転、経路に関する記録を求める。その組織自身の取締役状態が、「解任」「任期満了」「名簿から削除」「委員会委員」という語の間で調整されていなければ、説明責任の均衡が崩れる。解決策はAFRINICの権限を広げることではない。むしろ、その役割を狭く保ったまま、自らの帳簿について同じ精度を負担することである。

5 定款上の辞任と解任を混ぜない

2012年定款のArticle 14.1が示す区別は、この事件の読み方に直接関係する。同条は、書面による辞任の経路と、他の取締役による解任の経路を別に置く。解任については、他のすべての取締役の3分の2という基準が示されている。決議201302.166は、出席していたRegistered Directors全員が書面で承認したと記す。

ここから票数を復元することはできない。「出席していた全員」が何人だったか、対象者を除いた取締役全体のうちどれだけを占めたか、誰が出席し、誰が欠席したかは公開記録にない。全員一致だったと一般化する場合も、正確には「出席Registered Directorsの全員が書面承認したと決議が記録している」という限定を保つ必要がある。全取締役全員の一致、会員投票、公開の採決結果まで意味を広げてはならない。

同様に、本人の書面同意を辞任届と見なすこともできない。同意書の本文がないからだ。考え得る文面はいくつもあるが、どれを想定しても推測になる。本人が解任という会社行為に異議を唱えない旨だったのか、別の移行措置に連動していたのか、発効日を指定していたのかは分からない。

この慎重さは、決議の有効性を疑うためではない。公開された決議の文言と定款の枠組みを、法律意見に置き換えずに読むためである。歴史的な法的助言も、2013年当時にどの条文がどう適用されたかを説明する資料もない。したがって、手続きが適法だったとも違法だったとも、この記事から結論することはできない。

6 日付の空白は小さな欠落ではない

2013年の理事会ページは決議201302.166を2月に配置するが、公開された項目は日を示さない。4月の別の決議は、2月13日の理事会議事録が承認されたことに触れ、Mark Elkinsが参加した時刻について修正を述べる。しかし、これをもって決議201302.166が2月13日に可決されたと断定することはできない。近接した記録は時間的な手掛かりにはなるが、決議番号と日付を同一化する明示的な証拠ではない。

決議日と発効日は別のものでもある。決議が書面で成立した日、本人の同意が成立した日、会社内部で役職が変わった日、登記官への通知に記載された変更日、登記が更新された日は、理論上同じ場合も異なる場合もある。公開記録はその連鎖を示していない。

モーリシャス会社法の2017年統合版は、139条で辞任と解任を別々に列挙し、142条で取締役変更を登記官へ通知し、変更日を示すことを求める法的文脈を提供する。ただし、この後年の統合版だけから2013年の個別行為について歴史的な法律判断を下すべきではない。重要なのは、会社状態を外部から確認するには、変更という出来事と、その変更日と、登記官への通知が別々の記録項目になるという点だ。

発効日が見えないと、どの時点の理事会構成で定足数や議決参加を評価すべきかが曖昧になる。届出日が見えないと、外部の者が登記を参照した時点で何を見たかを検証できない。目的が見えないと、後の役割が矛盾なのか、複数層を意図的に分けた結果なのか判断できない。日付の空白は単なる書式上の不足ではなく、出来事を企業状態へ変換する鎖の欠落なのである。

7 九席の定款と、九人を超えた移行

2012年定款は理事会を九席とする設計を示す。一方、2013年6月の総会議事録案は、定款が九人を定めているのに、移行期には九人を超える取締役が残っていたという未解決の問題を記録している。この情報は、2月の決議を読むうえで重要な背景になる。理事会構成が旧制度から新制度へ一度に切り替わらず、複数の地位が暫定的に重なっていた可能性を示すからだ。

しかし、移行問題があったという事実を、そのまま二人の解任理由にしてはいけない。議事録案は、決議201302.166の目的が九席への調整だったとは述べていない。どの旧議席または新議席が継続し、どれが満了し、誰が暫定的に残り、誰が会社登記上だけ外れたのかを示す完全な台帳もない。

ここで有力になるのが、会社状態を層ごとに動かしたという仮説である。たとえば、選挙上の任期を2015年まで存続させながら、会社法上または登記上の分類を2013年に調整し、その後も委員会の仕事を続けた、といった構造は概念上あり得る。だが、これは記録の食い違いを説明し得るモデルにすぎない。実際にそのモデルが採用されたと示す移行表、取締役台帳、登記控え、説明決議は確認できない。

逆に、2月の解任が本来すべての取締役地位を終わらせるものだったが、後のウェブ記録や登記処理が追い付かなかった、と断定することもできない。2013年6月の文書はElkinsを理事会メンバーと積極的に記し、2015年の文書は二人の「任期完了」を積極的に述べる。単なる誤記と片付けるには、訂正記録が必要である。

九席への移行は、穏当な事務処理という反対説を支える一方、なぜ層別台帳が必要だったかも示す。移行期ほど、通常の肩書だけでは実態が読めない。旧議席、新議席、会社登記、任期、投票資格、委員会役割を一行ずつ示す必要があった。

8 2013年6月、Elkinsは「理事会メンバー」と記された

決議から数か月後の2013年6月、総会議事録案はMark Elkinsを理事会のメンバーとして扱う。これは、2013年2月の解任が何の効力も持たなかった証拠ではない。議事録案における役割表記と、登記官の会社記録は同じ資料ではないからだ。また、議事録案は最終的な会社登記簿でも法的意見でもない。

それでも、この表記は無視できない。解任後の公的な会社記録が、同じ人物を理事会の一員として読者に提示しているからである。もしElkinsが別の資格で出席していたのなら、その資格を明記すればよかった。もし選挙上の任期だけが残り、会社法上の取締役職が変わっていたのなら、その二重状態を説明すればよかった。もし2月の決議後に再任や復帰があったのなら、その別の行為が必要になる。しかし、そのいずれも確認できない。

同じ議事録案が九人を超える移行問題を述べているため、「理事会メンバー」という表現は移行中の運用上の肩書だった可能性もある。その可能性は、矛盾を小さくするが、消しはしない。移行上の肩書なら、会社法上の地位や議決資格とどう関係するかがまさに必要な説明だからである。

John Walubengoについては、同じ2013年6月資料から精密な状態を確定できない。Elkinsについて後の役割が見えるからといって、二人を常に同じ状態だったと扱うのも危険である。決議は二人を一緒に扱ったが、その後の運用記録は同じ密度で両人を追っていない。人物ごとの台帳が必要だった理由はここにもある。

9 2014年の委員会役割が示すもの

2014年の記録は、Mark ElkinsをNomComの理事会代表に任命した。また別の決議は、John Walubengoを監査委員会に、Elkinsを財務委員会に置いた。少なくとも、二人がAFRINICの統治活動から完全に消えていたという単純な物語とは合わない。組織は二人に実務上の役割を割り当てていた。

しかし、委員会委員であることだけから、モーリシャス会社法上の取締役地位や登記官名簿への掲載を証明することはできない。委員会の構成要件、任命の根拠、各人がどの資格で参加したかを結ぶ資料がなければ、委員会役割は役割の証拠にとどまる。NomComの「理事会代表」という語は理事会との強い結び付きを示すが、それでも登記簿謄本の代わりにはならない。

ここで重要なのは、証拠価値を過小評価も過大評価もしないことだ。委員会役割は「2013年の決議は無効だった」と証明しない。同時に、「2013年に二人のすべての任期と役職が確実に終わった」という主張に対しては、説明を求める相当な理由になる。

2014年の記録は、企業統治における肩書の層を可視化する。ある人物が監査または財務に関与すること、理事会を代表すること、会社登記上の取締役であること、選挙上の任期を保持することは、それぞれ関連していても同一ではない。優れた記録は、その関係を推測させるのではなく、任命決議の根拠と資格を明記する。

10 2015年6月30日の「任期完了」

最も強い後年の手掛かりは、決議201507.238である。この決議は、John WalubengoとMark Elkinsの両名が2015年6月30日に任期を完了したと述べる。これは、単なる肩書や会議出席より具体的だ。二人に「任期」があり、その終点を同じ日付で示しているからである。

この文言は、2013年2月の解任が二人の選挙上の任期を決定的に終わらせた、という読みを難しくする。2015年まで続く任期がなければ、「2015年6月30日に任期を完了した」という後の記録をどう理解するのかという問題が生じる。それでも、後の記録だけで2013年決議を書き換えてはならない。後年の一文は、2013年の解任が無効、撤回済み、または別の意味だったと法的に確定するものではない。

さらに同じ決議は、二人を登記官の取締役名簿から削除するよう指示する。ここに記録上の謎が集中する。2013年に取締役から解任された二人について、なぜ2015年に任期満了と名簿削除が改めて必要だったのか。2013年には会社内部の地位だけが動き、登記が更新されなかったのか。反対に、2013年には登記だけを調整しようとしたが、任期と運用上の役割は残したのか。いったん削除された後、別の経路で再び掲載されたのか。あるいは、2015年決議が過去の未完了事務を整理したのか。

どの説明も、現時点では決定打を欠く。2013年の登記官通知、受領証、当時の登記簿謄本がない。2015年の決議も、2013年の決議との関係を説明しない。そのため、確実に言えるのは、2015年のAFRINIC自身の記録が二人の任期満了と登記官名簿からの削除を結び付けていること、そしてそれが2013年の解任記録と未調整に見えることまでである。

11 2015年8月の「古い名簿」

2015年8月の別の記録は、登記官にあるRegistered Memberの名簿が最新ではないことをAFRINICが認め、現職取締役との整合を取るよう指示した。この記録は、会社状態と登記官の記録の間に同期問題が実際に存在したことを示す。2013年決議を登記整合の一環と読む仮説に、一定の現実味を与える資料である。

ただし、2015年に名簿が古かったからといって、2013年にも同じ状態だったとは証明できない。どの氏名が不一致だったか、いつから不一致だったか、WalubengoとElkinsの記録が具体的にどう扱われていたかは、この一般的な整合指示からは分からない。後年の問題を過去へ自動的に投影してはいけない。

同時に、2015年の整合指示は、登記官の名簿と会社内部の現職取締役が自然に常時一致するわけではなく、明示的な照合が必要だったことを示す。これは「名簿に残っていたから現職だった」「委員会で活動していたから登記にも載っていた」という短絡を避ける理由になる。

2013年と2015年の間に必要だったのは、各人について、選挙上の任期、会社役職、Registered Member、登記官の取締役名簿、委員会役割を日付付きで並べた照合表だった。2015年の一般的な名簿修正は、当時の状態を前へ進めることはできても、2013年からの履歴を自動的に説明し直すものではない。

12 層ごとに見た証拠の現在地

公開記録を、結論ではなく状態表として整理すると、次のようになる。

状態の層 2013年2月に分かること 後年に分かること 残る空白
選挙上の議席・任期 解任が議席や任期を終わらせたとの明記はない 2015年決議は両名が6月30日に任期を完了したとする 議席番号、当初の任期、2013年行為の任期への効果
会社法上の取締役職 決議は二人を取締役から解任すると記す Elkinsは2013年に理事会メンバーと記され、2015年に両名の任期完了が記される 発効日、再任・復帰の有無、法的状態の連続表
Registered Member 出席Registered Directorsの承認は記されるが、二人自身の同地位への効果は説明されない 2015年に登記官側のRegistered Member名簿が古いと認められる 二人の開始・終了日、会社内名簿と登記官側名簿の差
登記官の取締役名簿 通知、変更日、受領、登記完了の資料がない 2015年決議は二人の削除を改めて指示する 2013年に届出があったか、2013~15年の各時点の掲載状態
委員会・運用役割 決議自体は委員会役割を扱わない 2014年にNomCom、監査、財務の役割が記録される 各役割の資格根拠、議決権、会社法上の役職との関係
欠員・後任 欠員や後任への言及がない 後の資料も2013年決議に起因する後任を示さない Article 13.14の発動、暫定補充、後任者、欠員期間

この表が示すのは、二つの相反する結論のどちらも完全には支えられないことだ。「2013年に二人のすべてが終わった」と言うには後年の任期・役割記録が残る。「2013年の決議は実質的に何も変えなかった」と言うには、明示された解任行為を無視することになる。事実に忠実な位置は、その中間ではなく、層別の状態遷移が未照合であるという地点にある。

13 最も強い反対説――通常の会社事務だったのではないか

記録管理への批判に対する最も強い反対説は、こうである。2012年定款が発効し、九席の設計へ移る過程で旧制度の役割が重なっていた。二人の同意があり、出席Registered Directors全員の書面承認もあった。したがって、2013年の行為は争いでも処罰でもなく、会社登記や形式的地位を新しい定款構造へ合わせる、通常の企業事務だった。選挙上の任期や一部の運用役割は2015年まで残り得たので、委員会参加や任期満了の記録とも両立する。

この説明にはかなりの説得力がある。本人の同意は敵対的な解任という物語に反し、九人を超えた移行の記録は構造調整の必要性を示し、2015年の名簿不整合は登録と実態がずれ得たことを示す。少なくとも、違法行為や個人的対立を想定するより、証拠に整合的で節度がある。

それでも確定説にはできない。決議は「移行のため」「登記整合のため」と目的を述べていない。2013年の登記通知も、層別の移行表も、二人の同意書もない。どの地位を終え、どの地位を残す設計だったのかが文書で示されていない。通常の会社事務だった可能性が高いとしても、通常の事務こそ、後で監査できるように変更日と対象状態を残すべきである。

この反対説は、批判の対象を正しく狭める。問題は、何か悪意ある出来事が起きたと疑うことではない。むしろ、非対立的で合意済みの移行だった可能性があるのに、その穏当な説明を確定できるだけの薄い台帳すら公開記録から再構成できないことである。

14 「後の活動」は2013年決議を無効にしない

後の活動記録に引かれて、2013年の解任は無効だった、形だけだった、または撤回された、と結論するのは危険である。どの資料もそう述べていない。会社内部の役割、選挙上の任期、委員会任命、登記上の地位は異なるため、一部の活動が続いたことは、別の層で変更があった可能性を排除しない。

また、ウェブ上の後年の肩書は、その時点のRegistrar extractではない。資料の目的が異なれば、同じ人物を異なる語で表すことがある。議事録案、委員会決議、任期満了決議、登記整合決議は、それぞれ別の問いに答える文書である。文書間の不一致は重要だが、後の一つを「真実」、前の一つを「誤り」と自動的に格付けする根拠はない。

必要なのは、決議の有効・無効という大きな二択ではなく、2013年2月の行為が各層に何をしたかを示す接続記録である。接続がなければ、読者は法的評価を推測することになる。この記事が指摘するのは、その接続の欠如であって、決議の法的無効性ではない。

同じ理由で、2015年の任期満了記録を使って2013年の文言を「実は辞任だった」「実は登記だけだった」と書き換えることもできない。後年の記録は照合材料であり、過去の文書の語を変更する許可ではない。解任は解任として、任期満了は任期満了として、登記官名簿からの削除は削除として並べ、その間の説明が欠けていると記すのが正確である。

15 何がなければ、謎は解けないのか

この問題を解くのに、大量の内部文書が必要とは限らない。むしろ、欠けているのは少数の決定的な接続項目である。

一つ目は、決議201302.166の正確な日付と発効日である。二つ目は、二人の同意書または、その法的効果を損なわない要約である。三つ目は、2月の完全な議事録、出席者、対象者を除く承認母数、署名または書面決議の成立記録である。四つ目は、2013年の登記官への通知、通知に記された変更日、受領または登記完了の記録、当時の登記簿謄本である。

五つ目は、議席と任期の台帳だ。二人がどの議席を、いつからいつまで保持し、2013年決議がその議席に作用したのかを示す必要がある。六つ目は、欠員と後任の記録である。2012年定款のArticle 13.14は臨時欠員を次のAGMMまで補充できる仕組みを置くが、この決議が欠員を作ったのか、同条が発動されたのか、誰かが補充されたのかは分からない。

七つ目は、2013年と2015年の決議を直接つなぐ説明である。なぜ2015年に「任期完了」と「登記官名簿からの削除」が必要だったのか。2013年の処理が未完了だったのか、異なる層を扱っていたのか、別の状態変更が間にあったのか。その一段落があれば、現在の大部分の曖昧さは解消できる。

これらが公開資料に見当たらないからといって、社内にも存在しないと決めつけることはできない。求められるのは、私的な通信を無制限に公開することでも、個人情報をさらすことでもない。人の地位と会社の権限に影響する最小限の状態遷移を、後から検証できる形で示すことである。

16 欠員と後任を推測してはいけない理由

取締役の解任という語を見れば、空席が生じ、誰かが後任になったと想像しやすい。定款に臨時欠員補充の規定があるなら、なおさらである。しかし、決議201302.166が選挙上の議席を空けたと明記する資料はない。二人の議席番号も、後任者も、補充決議も確認できない。

仮に会社法上の取締役職だけが変わり、選挙上の任期が続いたのなら、通常の意味での議席欠員は生じなかった可能性がある。反対に、議席も空いたなら、九席設計、定足数、投票構成、次回AGMMまでの補充が問題になる。どちらかを選ぶには、まさに欠けている層別台帳が必要だ。

後任を発見したつもりで、後年の取締役名簿から人物を逆算するのも危険である。ある人物が後に理事会へ入った事実があったとしても、その就任がこの二人の解任による欠員を埋めたのか、通常の選挙だったのか、別の移行枠だったのかは、明示的な接続なしには分からない。この記事は後任を特定せず、欠員が発生したとも断定しない。

この抑制は細部への過度な慎重さではない。後任や欠員は、誰が投票できたか、誰が定足数を構成したか、誰が会社を代表できたかに直結する。誤った後任関係を作れば、別の人物の任期や正統性まで誤って描くことになる。

17 記録の曖昧さが生む実務コスト

不正がなくても、取締役状態の曖昧さには費用がある。会員は、誰が自分たちの選挙で得た任期を保持しているのか確かめにくくなる。監査人は、監査対象期間の理事会構成や委員会構成を追加資料で照合しなければならない。銀行、契約相手、法律顧問は、署名者や承認者の権限を確認するために、決議、登記、定款、議事録を重ねて読む必要がある。

定足数が不確かに見えれば、決定が実際には適切だったとしても、後から説明する負担が増える。委員会の役割と会社法上の取締役職が区別されなければ、ある人の発言や承認がどの資格によるものかを再構成しなければならない。登記官の名簿が古ければ、外部の確認結果と会社内部の認識が食い違う。