要約

  • RIPE 93でGiovane Mouraは、研究者が比較しやすいよう、各トップレベルドメインの運用者にRSSAC-002形式でDNS統計を公開するよう呼びかけた。
  • SIDNの.nlサイトは6指標のうち4指標を、日次YAMLファイル、グラフ、方法論とともに公開している。
  • SIDNのリポジトリによると、2025年4月6日より前のIPv6ユニーク送信元数は再計算できず、2026年3月31日のデータも欠けている。

.nlのDNSアーカイブで、最も役に立つ一文は「以前の値は戻せない」という説明かもしれない。SIDNは、過去のIPv6ユニーク送信元数の計算が誤っていたと公表した。再計算に必要な当時の生データがもう手元にないため、その値を削除したという。

これが、Giovane MouraのRIPE 93での短い発表を具体的な問題につなげる。SIDN LabsのData ScientistであるMouraは、各TLDのトラフィック統計は公開頻度も形式もばらばらで、研究者には比較しにくいとDNS Working Groupで説明した。そこで、公開された測定仕様RSSAC-002を共通形式として使うよう、ほかのTLD運用者に呼びかけた。

SIDNの公開.nlアーカイブは、その提案を動く形で示す。権威DNSサーバーが受け取る集計済みトラフィックについて、日次のYAMLファイル、グラフ、方法論を公開する。サイトが示すのはRSSAC-002の6指標のうち4つだ。Mouraは発表で、データは約1年半分にさかのぼると説明し、ほかのTLDも自らのデータを公開してほしいと述べた。

共通形式は、同じ名前の指標を同じファイル構造から探せるようにし、比較の手間を減らす。しかし、各アーカイブの期間や完全性までそろえるわけではない。SIDNのリポジトリは2026年3月31日を欠測日としている。さらにnum-sources-ipv6-aggregateは2025年4月6日以降のみ利用できる。以前の計算は誤っており、当時の生データもないので、正しい値を後から出せない。ほかの指標には影響しないと説明している。

この区別は、IPv6の普及やDNSに見える送信元の変化を調べる人に関わる。スキーマが同じグラフでも、開始日がずれ、日が抜け、過去には適用できない訂正が残ることがある。公開ファイルはその境界を示している。データセットの一部として読むべき情報で、見栄えを整えるために切り取る注記ではない。

RSSAC-002は測定項目と交換形式を定める。アーカイブの品質を左右するのは、その周囲にある記録だ。指標の定義、最初に利用できる日、欠測、訂正履歴を各時系列と一緒に残す。生データを保存できないなら、その事実を明示し、旧計算の版を記録する。ほかのTLDのデータが増えれば研究材料は増える。期間と定義が比べられて初めて、材料を横に並べる意味が生まれる。

Mouraの提案は明快だった。ほかの研究者が使える形式で統計を公開すること。.nlのアーカイブは、もう一つのルールを加える。数字と一緒に、その限界も公開することだ。

出典