要約

  • ECTELはIMT向け周波数の年額料金を見直し、ドミニカ、グレナダ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島への配分方法を二案示した。
  • 人口あたりの共通単価は国別の金額を異ならせ、五等分は一人あたりの負担を異ならせる。初回意見募集は10月16日に終了し、10月26日から11月6日まで意見への回答期間が設けられている。

「共通料金」の中に、もう一つの政策判断がある

周波数料金の見直しは、各国の許認可額を比べて単価をそろえる技術作業に見える。しかし東カリブ電気通信庁(ECTEL)が示した2026年の案では、IMT周波数をどう評価するかだけではなく、算出された総額を五つの加盟国にどう配分するかが別の判断として現れている。

人口比例案では、メガヘルツ当たり人口当たりの単価を共通にする。人口規模が違うため、メガヘルツ当たりの国別金額はそろわない。五等分案では国ごとの割当額は同額になるが、住民一人あたりの負担は異なる。前者は人口を配分基準にし、後者は加盟国を等しい構成員として扱う。どちらを選ぶかは、単なる計算上の調整ではない。

提案されているIMT料金も、その判断の影響を大きくする。1GHz未満はメガヘルツ・人口あたり0.10東カリブ・ドルから0.14へ引き上げ、低い方のミッドバンドは0.10を維持、高い方のミッドバンドには0.03を新設する案だ。IMT免許人あたり30万東カリブ・ドルの最低額をなくし、IMT向けの周波数帯で提供する固定無線アクセスを同じ料金表に移す案も含まれる。まだ提案段階であり、請求額として確定したわけではない。

管理費回収と希少資源の評価を分ける

共有利用や限定的な割当では、行政管理費用の回収が主な考え方になる。一方、IMTは専用利用によって他の用途を排除しうるため、提案書は経済価値、つまり機会費用も料金に反映させている。周波数料金は、規制当局の作業費を賄うだけでなく、希少な資源を配分する仕組みにもなる。

比較資料を作るため、ECTELは国際的な価格を東カリブ・ドル/MHz/人口に換算し、加重平均資本コスト12%を使って免許期間を年額化する。インフレや為替・購買力の違いを調整し、極端な値を除く。これにより取引同士は比べやすくなるが、東カリブ海で観測された市場均衡価格になるわけではない。継続課金に使うなら、割引率や比較対象の選択も説明される必要がある。

ECTELは提案料金を2024年の業界収入の約3%から4%弱と見積もり、文書内で示した国際比較の7~8%と対比している。同時に、各規制機関の費用と収入は公表されていないと説明する。この比率はECTELの推計であり、各国の費用回収が監査済みであることや、事業者・利用者への転嫁額を示すものではない。

相談、勧告、国内適用は別の段階

セントビンセント・グレナディーンの国家電気通信規制委員会(NTRC)の告知では、初回意見期間は10月16日に終了し、10月26日から11月6日が意見への回答期間となる。その後、ECTEL Directorateが案を改め、閣僚評議会へ加盟国での採択勧告を提出する。免許と周波数許可の管理は各国のNTRCが担う。協議への参加そのものが料金を定めるわけでも、地域の勧告が自動的に国内で施行されるわけでもない。

どの機関が配分方法を選び、各国の数字をどうモデルに入れ、どの国内文書で施行するのかを追えることが重要だ。共通の計算式だけが整っても、影響の差を説明する責任の所在が曖昧なら、統一化は説明責任を伴わない。

出典