要約

  • Dorian LPGは、9月30日までの四半期について、船隊の暦日数の99%を日額8万8,000ドル超で固定したと推計した。これは短期の営業可視性であり、計上済みの売上や回収済みの現金ではない。
  • 6月と9月に公表した4隻の9万立方メートル級Panamax型VLGCは、公表価格を合計すると約4億6,000万ドルとなり、2029年7月から2030年12月に順次引き渡される。4隻分の残存支払日程は開示されていない。
  • 3億6,840万ドルの新しい銀行融資は既存船舶債務の借換えである。当初実行額、リボルバー、2億ドルの増額枠を新造船向けに確保済みの資金とみなすことはできない。

9月4日のDorianの発表には、強い市況を示す三つの材料が並んだ。四半期の稼働日はほぼ成約済みで、新造船が3隻追加され、新しい銀行融資も締結された。

しかし、三つを一つの資金調達として読むには、時間と使途を無視しなければならない。運賃の観測期間は9月末に終わる。最後の新造船は2030年末に届く。銀行借入はまず現在の船隊に付いた旧債務を置き換える。旧船3隻の売却も個別に決済される。

船隊更新という方向は一つでも、営業、資産、負債の台帳は別々である。

99%という数字には期限がある

9月4日の発表によると、9月期の暦日数の99%が日額8万8,000ドルを超える水準で固定された。9月に完了する航海で発生し得る滞船料は含まれない。

未成約の稼働日がほとんど残っていないことは、当四半期の価格変動リスクを抑える。Dorianが良好な市場を実際の成約へ移したことも分かる。ただし、フィクスチャーから現金までには、オフハイヤー、航海完了、Helios Poolでの配分、燃料費、港費、手数料、回収時期が残る。

6月時点の数字と比べれば、年率換算の危険が見える。当時の会社推計は6月期の99%が日額6万8,000ドル超であり、7月だけを見ると34%が10万ドル超だった。対象期間もカバー率も閾値も違う。これは日付付きの販売記録であって、一直線の利益予想ではない。

8万8,000ドルは目前の四半期を説明する。4年後の造船代金を保証しない。

4隻の船価は2030年まで続く

最初の契約は6月に発表された。HD Hyundaiが建造する9万立方メートルの二元燃料Panamax型VLGCで、価格は約1億1,500万ドル、引渡しは2029年7月の予定である。

9月にはHanwha Oceanへ同じ公表容量の3隻を追加発注した。合計価格は約3億4,500万ドルで、2030年6月、9月、12月に届く予定だ。二つの発表を足すと、4隻の公表価格は約4億6,000万ドルになる。

これは受注規模を測る編集上の合計であり、現在の未払額ではない。6月30日付Form 10-Qは最初の1隻について1億1,530万ドルの残存コミットメントを示した。9月の資料は追加3隻のマイルストーン支払いも、入金済み前払金を反映した4隻合算残高も示していない。

契約から引渡しまでには、返金保証、船体ブロックの完成、試運転、段階支払いがある。Dorianが得たのは将来の輸送能力であり、今日から運賃を稼ぐ4隻ではない。

Panamaxという選択には物理的な意味もある。会社は古いパナマ運河閘門を通れる設計、二元燃料機関、軸発電機を挙げる。航路と燃費の選択肢は増えるが、通航枠、稼働率、運賃プレミアムまでは約束しない。

旧船の売値はそのまま建造資金にならない

6月の発表は、最初の発注と同時に、2014年建造のCorsairと2015年建造のVLGC2隻を合計約2億5,600万ドルで売却する覚書を公表した。会社は第4四半期までに完了する保証はないと明記した。

7月までに完了したのは2隻である。10-Qによると、CorsairとConstellationの手数料控除後売却代金は合計1億6,640万ドル、帳簿価額は1億280万ドル、見込み売却益は6,350万ドルだった。関連債務については、それぞれ2,420万ドルと2,390万ドルを繰上返済した。

3隻目は引用資料の時点でまだ引渡し前だった。9月の発表では、Clermontを10月に買い手へ渡す前に、リボルバーから1,600万ドルを引き出して借り換える予定とした。

従って、2億5,600万ドルは3隻の発表時総額で、1億6,640万ドルは2隻から実現した手数料控除後金額である。債務返済と決済日は消せない。どちらの数字も新造船向けに指定されたとは開示されていない。

新融資の最初の仕事は旧債の整理

9月4日提出のForm 8-Kは、7年物3億6,840万ドルの融資枠を記載する。2億1,340万ドルのタームローンと1億5,510万ドルのリボルバーで構成され、SOFRプラス140ベーシスポイント、船齢調整後22年のプロファイルを持つ。

開示された使途は、2023年修正融資、CougarとCresquesの日本向け融資、BALCAPのCommanderトランシェの借換えだ。Cresquesが9月末に加わるため、クロージング時の実行額は1億9,380万ドルとなり、その後Clermont向けに1,600万ドルを使う予定だった。

さらに成長用の2億ドルの増額条項がある。これは条件に従って追加コミットメントを得る仕組みで、現金でも実行残高でもない。造船所への支払いとして公表されたものでもない。

6月30日時点のDorianは現金3億4,210万ドル、長期債務純額5億750万ドルを持ち、うち1億5,870万ドルが12カ月以内に返済予定だった。6月期の営業キャッシュフローは3,050万ドルで、債務返済は5,340万ドル、配当支払いは4,250万ドルだった。

これは7月の売却と9月の借換え前の出発点である。現金には債権者、株主、運転資金、入渠、新造船から同時に需要がある。同じ一ドルを複数の用途に数えることはできない。Dorianは更新の構造を示したが、各造船支払いに対応する確定資金表はまだ示していない。

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