要約

  • 2027年3月10日から、インターネット・コードの対象事業者は、実態に即した速度と遅延、割引終了後の価格、必要な機器料金を申込時に明示する。
  • CRTCは料金プランを構造化ファイルでも公開するよう求めたが、カナダのデータ仕様と導入日程はCISCが提案し、委員会が承認する段階にある。

カナダの新ルールには、一見すると意外な組み合わせがある。利用者向けの統一ラベルは義務化しない一方、比較サービスの基盤になり得る機械可読データは求める。Telecom Regulatory Policy CRTC 2026-238の肝は、この二つを別々に扱った点だ。2027年3月には申込画面の説明が改善されるが、各社のプランを自動比較できるほど整ったデータが開発者や消費者団体に届くのは、さらに先になる可能性がある。

インターネット・コードの対象事業者は、標準的なダウンロード・アップロード速度、遅延の区分、割引終了後の総額を割引額と同等以上に目立つ形で、さらに必要な機器のレンタル料を表示しなければならない。適用日は2027年3月10日だ。「標準的な速度」は販売前に事業者が約束する水準であり、「最大」速度の広告とは違う。ピーク時間は現地時間の平日午後7時から11時。遵守判定では、ピーク時間外は約束した速度の全量、ピーク時間中は少なくとも95%を提供する必要がある。遅延の区分は暫定措置で、CISCが2027年9月までに見直し案を出し、その後も24か月ごとに検討する。

データファイルの義務は別の層にあり、細部はまだ決まっていない。事業者は価格、標準的な速度、遅延を含む消費者向けプランを、CSVなどの構造化デジタルファイルで自社サイトに掲載する。CRTCは米連邦通信委員会の仕様を出発点に挙げたが、カナダでの採用を決めたわけではない。CISCはカナダ向けの変更点と、各社が形式を採用し実装して一般公開する日程を提案する。その報告は2027年9月10日までにCRTCの承認を受ける。事業者は公開から30日以内に、掲載場所をCRTCへ通知する。

そのため、情報開示と横断比較には時間差が生じる。2027年3月には利用者が各社のページを読めても、独立した比較ツールには各社共通の意味を持つ項目が要る。住所ごとの提供可否、適用条件、割引終了日、更新日時の記載が事業者ごとに異なれば、ファイルをダウンロードできても比較しづらい。CRTCは比較サービスを発注しておらず、その登場を保証してもいない。第三者がサービスを作れるかは、データ仕様、各社の記録の品質、更新を続ける動機に左右される。

初期ルールの対象はインターネット・コードに従う事業者で、CRTCによると固定インターネットの小売契約者の約90%を占める。対象外の小規模事業者は任意で従えるが、義務ではない。卸サービスを使う再販事業者は、ネットワーク計測を自ら制御できず、上流の卸元に速度不足の是正を迫る仕組みも明確ではないと訴えた。CRTCは当面、現行のコードの範囲でルールを適用し、消費者保護コードの統合をめぐる別の審議で対象拡大を検討する可能性を示した。

性能の証拠が重要なのは、表示速度が後から問える約束になるからだ。測定は関連する時間帯にサンプルを取り、利用者宅のモデムに置くプローブから、カナダのTier 1都市にあるインターネット交換点につながった外部測定サーバーまでを測る。プローブは事業者が選び、手法は公開する。利用者の体感と約束が食い違う場合、提供したと証明する責任は事業者にある。CCTSは苦情対応で低速化の大きさや頻度を考慮できる。公開情報を個別紛争につなげる仕組みだが、サンプル測定がすべての家庭で同じ体験を保証するわけではない。

市場への影響は、情報を出させるだけでは決まらない。カナダ仕様は、各社を比較できる相互運用性と、世帯が実際に申し込めるかを左右する条件の両方を含める必要がある。どの項目を設け、どれほど頻繁に更新し、いつ本格運用するのか。今後の決定によって、構造化ファイルが共通の証拠基盤になるか、各社独自のデータ書き出しにとどまるかが分かれる。

出典