要点

  • Content Core Site Engine は、高解像度メディアと計算資源を顧客の Google Cloud 環境内に保持する
  • Content Core は、ブラウザベースの編集に加え、文字起こし、メディアの説明文、対話型検索を提供する

事実関係

Avid と Google Cloud は9月11日、アムステルダムで開かれた IBC で発表した提携拡大の一環として、ブラウザ版 Media Composer を披露した。編集者は Avid Content Core 内から Chrome を通じて Media Composer のタイムラインにアクセスできる。

Avid によると、Content Core には、映像素材を同期・文字起こしするツールと、自然言語による指示でプロジェクトを整理する機能が含まれる。メディアを取り込むと、プラットフォームは文字起こしと説明文を生成し、それらを使って素材を対話形式で検索できる。

この導入構成では、Content Core Site Engine を使ってプラットフォームを顧客の Google Cloud 環境に接続する。両社によると、高解像度メディアと計算資源はその環境内にとどまり、Content Core が制作ワークフローを調整する。

Avid は9月8日、より広範な Site Engine モデルを発表していた。顧客は既存のセキュリティ、管理体制、データの所在に関する統制を維持したまま、Site Engine を AWS、Google Cloud、Microsoft Azure に導入できると説明した。

ProSoundWeb もブラウザ編集とメディア検索の統合を報じ、想定用途としてリモート共同作業と管理作業の削減を挙げた。提携発表にも同記事にも、時間短縮幅や費用の実測値、または顧客名が明示された導入事例の成果は示されていない。

評価

Media Composer をブラウザで使えるようにすることで、編集者がツールにアクセスする方法は変わる。しかし Avid の設計は、制作環境全体を別の場所へ移すものではない。高解像度ファイルと、その処理に使う計算資源は顧客の Google Cloud 環境内に保持でき、Content Core は編集、検索、素材の準備をつなぐ層を担う。

この構成は、大規模なアーカイブと計算資源をすでにクラウド上に置く制作チームに有用となり得る。高解像度素材をすべて Avid が管理する別環境へ移すことなく、ブラウザ型のワークフローを導入できる。一方、編集ワークフローへのアクセスは、顧客のクラウド資源、権限、Content Core の導入構成に引き続き左右される。

検索ツールはワークフローに別の要素を加える。映像の取り込み時に作成される文字起こしと説明文により、編集者はアーカイブを手作業で探さずに素材を見つけやすくなる。どの程度の時間を短縮できるかは、そのメタデータの品質と、担当者が修正または補足する頻度に左右される。IBC でのデモでは、日常的な制作業務における結果はまだ示されていない。

BTW の読者にとって、より有用な検証材料となるのは、制作会社が実際のアーカイブとプロジェクトでこのシステムを使う事例だ。それにより、ブラウザからのアクセス、クラウド上の計算処理、対話型検索が、ワークフローの別の部分で管理作業を増やすことなく連携するかが分かるだろう。

今後の注目点

顧客名が明示された導入事例で、自社のアーカイブ、権限、クラウド環境における Media Composer の動作が報告されるかに注目したい。計算処理とストレージの責任分担、検索精度、なお必要となる手作業での準備量が明らかになれば、ワークフローの運用上の価値をより明確に測れる。