Summary

  • IRBC草案は、特定の接続、経路種別、方向、条件に限ったASのBGP動作を、発行者の明らかな表明として扱う。
  • 第6.1節は、ASN登録やアドレスの保有だけで経路方針を決める権限まで推定しないよう、将来のモデルに求める。

番号台帳に名がある人が、経路の輸出フィルターを操作しているとは限らない。11月2日のIRBC草案は、ASが「この条件ではこの経路を隣のASへ広報する」と表明する仕組みを検討する。その前に聞くのは、誰がその約束を出し、どのASについて話し、運用方針を語る権限をどこから得たかだ。第6.1節は、プレフィックスの保有やASNの登録だけから経路方針の権限を推定するべきでないと記す。

第2.2節は三つの権限を区別する。AS番号に対する権限、アドレス資源に対する権限、BGP方針を運用する権限だ。発行者はAS自身でも、その代理を認められた主体でもよい。隣のASは別の当事者である。AS Aによる一方的な表明はAS Bの同意にならない。両者の文書が食い違えば、それぞれの発行者と権限を残したまま扱う必要がある。

約束の範囲も曖昧にできない。接続、経路種別、方向、条件、例外、有効期間を示す。「必須」「禁止」「許容」「選好」は別の意味を持つ。RFC 9234のBGP Roleはセッション上の関係を定めるが、この草案が問うのは特定の動作についての責任と、それを外からどう評価できるかだ。

外部の観測者には見えない経路がある。一つの収集点でBGP UPDATEを見たなら、その地点の通告は確認できる。そこで見えなかったことから別の隣接先でも通告がなかったとは言えない。草案は観測地点、時刻、出所、範囲と限界を記録し、証拠が足りない場合は判定不能とするよう求める。表明が更新・撤回されれば、評価対象の時期に有効だった版を使う。

IETFの文書記録では、これは11月2日更新の個人草案だ。実際の表明、その発行者が経路方針を代弁できる根拠、対象の隣接先を覆う観測記録が、提案の実効性を判断する次の材料になる。