要約
- 第1段階の報告書では、勤務先の支援や勤務時間中の専用の時間がなければ、仕事とコミュニティの役割を両立しにくいという参加者の意見が記録されている。任意参加による結果は、APNICのコミュニティ全体を統計的に代表しない。
- 公開のEC案内は、金銭的報酬を支払わないことと、一部の経費を条件付きで精算できることを分けている。時間には別の費用がある。支援する側が、役員の判断まで取得してよいわけではない。
会議の旅費が精算されても、留守中の仕事は残る。担当するネットワークの勤務を誰かに引き継ぐのか、準備を退勤後に回すのか。これは費用を考えるための例であり、特定のAPNIC関係者に実際に起きた出来事を述べているのではない。
同じ立候補資格を持つ人でも、役割を続けるための時間が同じように得られるとは限らない。多様性を広げる議論では、投票の公正さだけでなく、その前にある参加の実行可能性を見る必要がある。
まず、支援が変える費用を分ける
APNICの公開のECの役割と義務に関する案内は、ECメンバーへの金銭的報酬はないと説明している。一方、役割に伴う一定の個人経費や、対面会議への旅費などは請求できる。定例会議のほか、臨時会議も想定されている。
ECを紹介するページには、実際の会議経費を精算できるかどうかは予算や資金繰りの制約に左右され、すべての経費を補えるとは限らないという説明もある。ここで確認できるのは公開された案内であって、現在の一人ひとりの支払いを監査した結果ではない。
経費と時間は交換可能なものではない。準備には請求書がなくても時間がかかる。定例会議の数から年間の作業時間を割り出すこともできない。失う収入、代わりに業務を担う人員、急な予定変更の負担、私生活から差し出す時間は、それぞれ異なる費用だ。
勤務先が専用の時間を確保し、通常業務を調整する場合と、本人がすべてを勤務時間外に上乗せする場合を考えてみる。同じ正式な規則の下でも、継続しやすさは違う可能性がある。この比較は仕組みを説明するもので、実在する二人の候補者を比較したものではない。
オンライン参加は移動をなくせるが、勤務時間との重なりまでなくすとは限らない。研修は能力を高める一方で、同じ限られた時間を使う。旅費の負担軽減も有益だが、それだけで業務を代わる人が見つかるわけではない。
支援策の価値を否定する必要はない。何を解決し、何が残るのかを正確に呼び分けるべきだ。
意見聴取が示したこと、示していないこと
APNICは9月4日の発表で、時間と職業上・個人的な支援を第1段階の主要なテーマに挙げた。第1段階の報告書では、勤務先が積極的に支援しない場合に通常の仕事とコミュニティの役割を両立する難しさが語られている。勤務時間の中に専用の時間を設けることは、その支援の一例だった。
ただし、報告書は限界も明示している。参加は任意で、結果はコミュニティ全体を統計的に代表せず、公開の場であることが発言内容に影響した可能性がある。
この資料から、支援を拒む勤務先の割合や、断念した候補者の人数は求められない。現在のECメンバーがどのように時間を確保しているかも分からない。勤務先による支配や影響力の購入が証明されたわけでもない。
それでも、役割に必要な時間を具体的に説明することはできる。障壁の人口全体での割合が分からなければ期待される仕事を明確にできない、ということではない。
無報酬であることには理由もある
無報酬の役割は、機関に雇われる職業ではなく、コミュニティへの貢献としての性格を保ちやすい。現場の運用経験とのつながりを維持できる利点もある。新たな報酬制度を作れば、その条件、費用、公平性、動機づけを監督する仕事も必要になる。
給与を設ければ必ず参加が広がる、と言い切るのは早い。手当があっても業務の代替や家庭との両立は残り得る。少額の支払いより、予測できる日程や確かな時間の確保が大きな違いを生む場合もあるだろう。
勤務先の支援にも正当な理由はある。インターネットの機関は実務を知る参加者から利益を得る。企業も従業員が共同のガバナンスを理解することから利益を得られる。時間を認めることは、その共通の利益を評価した結果であり得る。特定の投票との交換だと決めつける必要はない。
無報酬なら支配されている、報酬があれば参加しやすい、という二分法はどちらも不十分だ。資料が示すのは、無報酬という言葉だけでは時間の負担者が説明されないという点である。
勤務先が時間を出しても、判断は個人のもの
APNICの透明性に関する説明は、ECメンバーをAPNICの利益のために個人として役割を担う人と位置づけている。物質的な支援の後にも、この境界は残るべきだ。
勤務先が時間を確保することと、従業員の判断を指示する権利を持つことは別である。機関による経費精算や支援も、選挙結果や特定の決定への見返りになってはならない。支援は役割を果たす可能性を高めるもので、誰のために判断するかを変更するものではない。
Theo Marchの提案は、直ちに給与を導入することではない。必要な作業と負担が集中する時期、経費精算の範囲と確実性を具体化し、予定と遠隔参加を使いやすくする。その上で支援を検討するなら、候補者や決定に対する好みから支援の管理を切り離す。
確認した資料は、二つの段階の意見をまとめて年末にECが検討する予定を述べている。給与、勤務時間の保障、新しい支援制度の採択を発表してはいない。
投票前に問うべきなのは、誰が意欲を持つかだけではない。誰が時間を得られ、その条件が本人を独立して役割を担える状態に置くかどうかだ。
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