要約

  • 7月30日に公表されたAFRINICのクリーンアップ手続きは、回収IPv4の隔離期間を暫定12カ月とし、延長はあり得るが短縮はしないと説明している。
  • AFPUB-2026-IPv4-001-DRAFT02は、隔離の標準期間を12カ月としつつ、利用可能な空間が /13 未満の場合やその他の運用上の理由でAFRINICが短縮できるとするが、規範文には最低期間がない。
  • 影響評価は実務上12カ月を維持し、必要なら6カ月へ調整し得ると説明する。しかし、この6カ月は政策文に書かれた拘束的な下限ではない。
  • Last Callは7月31日23時59分UTCに終了した。8月3日のRPDメッセージ015478は下限の欠落を指摘し、締め切り後でも記録を保存するよう求めた。
  • 共同議長報告はその異議を再掲し、期限後だったため評価対象には含めないとした一方、理事会向け情報として残し、Draft02の批准を勧告した。
  • 公開記録から確認できる終点は批准勧告までである。理事会の最終判断、政策への統合、実装、実際の隔離短縮、解放、再割り振りはいずれも確認されていない。

最も強い善意の説明から始めるべきだ。合意形成手続きには、参加者が予測できる締め切りが必要である。Last Call終了後も無期限に評価対象が増え続ければ、共同議長は結論を出せず、参加者もいつ記録が閉じるのか分からない。さらに、クリーンな利用可能在庫が異例に少なくなった場合、12カ月という期間を機械的に守ることが、アドレスを必要とする会員への供給を妨げる可能性もある。運用上の柔軟性そのものには合理的な目的がある。

AFRINICが7月30日に公表したクリーンアップ手続きも、単に時間の経過を待つ設計ではない。プレフィックスの健全性報告、経路表と経路レジストリでの可視性、DNS・スパム関連のブラックリスト、無断利用が見える場合の関係ネットワークとの調整、クリーンな資源リスト、解放直前の再確認を経て、状態を Reserved から Available に変え、コミュニティーへ通知する流れを示している。公開記録上、これは実務手続きであり、批准済み政策そのものではない。それでも、回収空間をそのまま再利用しないという保守的な運用基準を示す重要な資料である。

その手続きは現在の隔離期間を暫定12カ月とし、より長くなる場合はあっても「短くはならない」とする。隔離終了日は、回収日と隔離期間を足して算出される。一方、Draft02の規範文は標準を12カ月とした上で、利用可能な空間が /13 未満になった場合、またはその他の運用上の理由がある場合にAFRINICが期間を短縮できるとする。最短期間、必要な認定事項、判断者、再確認者、理由の記録、代替策の検討は本文に定められていない。

ここで重要なのは、手続きと提案のどちらかが存在しないという話ではない。公開手続きにはクリーンアップ工程と「短縮しない」という基準がある。Draft02には12カ月の標準と短縮権限がある。衝突点は、短縮しない運用基準から、規範上の最低期間を示さない裁量へ移る接続部分である。

影響評価は、この空白を実務上の説明で部分的に埋める。AFRINICは12カ月を維持し、必要なら6カ月へ調整し得るという見通しが示された。AFRINIC-37の記録では、初期案が6カ月を想定していたものの、スタッフの意見を受けてDraft02で標準を12カ月に変え、短縮裁量は残したと提案者が説明している。スタッフは12カ月が機能してきたこと、利用可能プールへ移す前には経過期間よりもクリーンさを優先することも述べた。

ただし、影響評価にある6カ月は政策本文の下限ではない。運用上そうする見込みと、そうしなければならない規範は異なる。将来、スタッフ、手順、在庫状況または解釈が変わったとき、公開された政策文だけから6カ月未満を排除できるかという問いは残る。

手続き上の時間軸も分けて読む必要がある。共同議長はAFRINIC-37でラフコンセンサスを告知し、Draft02をLast Callへ移した。Last Callは7月16日に始まり、7月31日23時59分UTCに終了する予定だった。共同議長は8月1日に終了を告知し、判断を8月14日までに示すとしていた。

8月3日のメッセージ015478は、影響評価の6カ月が政策文に存在せず、最低期間が明記されていない点を指摘した。そこで挙げられた3カ月、1カ月、即時解放は、文言上の裁量を説明するための仮定である。AFRINICが実際にその期間を採用した証拠でも、採用する意図の証拠でもない。なお、同日のメッセージ015477は利用率とSAWの別の期間を扱っており、隔離下限の異議と混同してはならない。

8月13日付の共同議長報告は、015478の問題を項目10として再掲した。その上で、Last Call後に届いたため「この評価では検討しない」と位置付け、理事会向け情報として記した。報告は異議を消してはいないが、評価にも取り込んでいない。そして8月19日、共同議長は報告を理事会へ送り、Draft02を早期に批准するよう勧告した。

ここでは状態語を厳密に区別する必要がある。recoveredquarantinedcleanavailableallocatedannounced はアドレス資源の異なる状態であり、recommendedratifiedimplemented は提案の異なる状態である。勧告は批准ではなく、批准は実装ではない。公開提案ページと提案一覧は証拠基準日時点でなおLast callと表示され、確認された理事会決議、Draft03、批准済み文面、CPMへの統合はない。

Heng Luは、レジストリを単なる中立的な帳簿係としてではなく、希少な番号資源の状態変更を記録し、その変更を後続のネットワークと利用者へ継承させる私的制度として分析する。この枠組みでは、外見上は事務的な Reserved から Available への変更も、希少性を誰が定義し、誰が期間を短縮し、誰がクリーンさを判断し、誰が異議を引き受けるかというプリンシパル・エージェント問題を含む。

同時に、AFRINICは民間の会員制インターネットレジストリである。理事会、PDWG、共同議長、事務局、Hostmasterが担うのは、私的な法人運営、政策形成、技術管理、契約上の機能だ。立法、司法、警察、処罰、没収といった主権的な公権力ではない。記録欄の不足から導けるのは、検証可能な受領記録の必要性であって、違法性、悪意、不正または被害の断定ではない。