要点
- Yen-Chieh WangはChing-Heng Ku、Aftab SiddiquiとともにAPNICのprop-127を起草し、103/8のIPv4プールから1口座が受け取れる上限を/22から/23へ下げるよう提案した。
- /22は1,024アドレス、/23は512アドレス。最低単位の/24は維持された。
- APNICは2019年2月に新上限を暫定適用し、旧規則で/22の資格がある申請者には残りの/23を留保した。4月に正式実施した。
最初の一皿を小さくする
残り少ない料理を誰が何皿取るか。IPv4アドレスの配分は、最後にはそんな身近な問いに行き着く。2019年のAPNICでは、103/8プールから資格のある口座へ最大/22を渡す規則があった。Yen-Chieh Wangらのprop-127原案は、この上限を/23に変える。新規参入者が順番に来る以上、最初の一口の大きさが、次の人の機会を左右する。
原案にはChing-Heng Ku、Aftab Siddiquiと並んでWangの名がある。/23を構成する二つの/24についても、使い道が書かれていた。新しいISPなら一方を自社インフラ、もう一方を顧客向けの割り当てやIPv6移行期のNATに充てられるという説明だ。最低/24を残したまま、初回の最大枠を半分にする。抽象的な公平論を、運用できる数字に落とした提案だった。
TWNICの2019年の登壇者紹介によると、Wangは当時HiNetの国際バックボーンと台湾インターネット交換サービスTWIXの維持に携わるシニアIP運用エンジニアだった。経路の安全性やDDoS対策にも取り組んでいたと記される。当時の職歴を示す資料として読むと、提案書にある「新しいISPには何が必要か」という具体性にも輪郭が出る。提案の共同著者である事実はAPNICの文書が示している。
保留された、もう半分
決定までの手順には、さらに面白い細工がある。APNICは2019年2月28日、新しい/23上限を暫定的に即時適用した。最終意見募集は続ける。旧規則なら/22を受け取れた申請者については、残りの/23を確保しておく。案が退けられれば、その保留分を申請者に渡す。承認されれば、別の申請者にも回せる状態にする。
つまり意見募集には、実際の在庫がかかっていた。新しい処理は先に始まり、結論が逆になった場合の道も残った。番号資源の政策は文書の更新だけで動くわけではない。申請を何時からどう処理し、保留分を誰のために置くかで姿を現す。
APNICの提案履歴には4月4日の承認と実施が記録されている。実施の告知は暫定措置の終了を伝えた。2025年版の資源ポリシー原文でも、第6.1節に/23上限が残る。第6.2節には申請資格の規定がある。配る大きさと、申請できる条件は別々に確認する必要がある。
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