要約

  • SeagateのExos一覧では、Mozaic HAMR CMRは最大32TB、SMR欄は最大44TB。自社ガイドは、ホスト管理型SMRの採用条件にゾーン管理、書き込み順序、ファイルシステムの選択を挙げる。
  • 10月26日、Mozaic HAMRとSMRを組み合わせた構成がBroadcom HBAの承認リストに入り、Microsoft Azure Storageが適合確認を終えたと発表した。接続の参照例ができた後も、顧客のデータの流れとソフトウェア費用が採算を左右する。

購買会議に、もう一人の担当者

ディスクの購入を承認する人と、データの書き方を変えられる人は、同じ部署にいるとは限らない。高密度ストレージを買う時、この距離が原価に入ってくる。Seagateの案内は、そのことをかなり率直に書いている。

CMR・SMRガイドのExos欄には、Mozaic HAMR CMRとして28TB、30TB、32TBが並ぶ。SMR欄は32TB、36TB、44TBだ。限られた設置面積に多くのデータを置きたい担当者には、最大値が魅力的に映る。

同じページは、ホスト管理型SMRにはゾーン管理、書き込み順序、ファイルシステムを選べることが必要だと説明する。ソフトウェアが機器の書き込み規則を理解し、その動作を保つ。容量と一緒に、この仕事の担当も決める必要がある。

ディスクは発注できる。運用できる組織には、人と時間と予算が要る。密度を経済的な利益にするには、ハードウェアとソフトウェアの決裁を同じ導入計画で結ぶことになる。

接続にも商売上の意味がある

Seagateの10月26日発表によると、熱アシスト磁気記録と瓦状磁気記録を組み合わせたMozaicが、Broadcomのホストバスアダプター向け承認リストに加わった。Microsoft Azure Storageは、この構成の適合確認を完了した。

HBAはサーバーとストレージ機器をつなぐ通信経路であり、ホストがディスクを接続し、アドレスを指定し、管理するために使う。高密度の記録媒体を多数の機器として検討するには、接続相手を含めた具体的な参照例が役に立つ。

今回の進展で、購入側は検討の出発点を得た。大規模顧客による確認を踏まえ、自社の構成をどう作るか考えられる。製品一覧は選べる容量を示し、発表は適合確認した組み合わせを示す。それぞれが購買判断に別の材料を渡している。

密な磁道には、整った流れ

SMRは磁道を重ねて密度を高める。Seagateが向くとするのは、順次書き込む仕事、または順次書き込みに整理しやすい仕事だ。大規模メディア保管、バックアップ層、アーカイブ、書き込み後に時折読む一部のオブジェクト保存などを挙げている。

もともとのデータの流れが合えば、密度を使う準備は進めやすい。購入時に確認したいのは、予定するデータのうち、どれだけを必要な順序にできるかである。ガイドには一括処理、キャッシュ、メタデータ設計も並ぶ。変更を作り、その後も保つ仕事だ。

ゾーンのリセット、空間回収、監視、診断にも担当が要る。経営の言葉にすれば、増えた容量には継続的な運用勘定が付く。その勘定がソフトウェア部門にあり、ディスクの見積もりを見た部署から見えにくいこともある。両方を合わせれば、利益の残り方を判断できる。

Linuxまで続く費用の中身

ガイドはOS側の仕事も挙げる。ZBC/ZACというゾーンの情報と動作規則を理解し、Linuxがゾーンの配置をどう見せ、書き込み制約をどう扱うかを把握する。さらにファイルシステムや保存エンジンが書き込み位置を示すポインターの規則を守り、順序を維持する。HBAの接続確認は、この連なりの一部分を支える。

予算上は、導入時の設計と、データの利用期間を通じた運用に分けて考えられる。前者はソフトウェア選択、書き込みの一括処理、キャッシュとメタデータの設計。後者はゾーン管理、リセット、空間回収、監視や診断だ。ガイドが示す仕事を基に、ソフトウェアの担当者へ工数と支援費用を見積もってもらえる。

一度書いて時折読むアーカイブは、すでに推奨用途に入っている。書き方を変える必要のある用途なら、変更費用を計画に含める。保存をサービスとして買う場合は、これらの仕事のどこまでが料金に含まれるかを確かめる。容量を使う費用が、具体的な提供範囲として見えてくる。

確認の参照例から、発注できる構成へ

発表には確認済みの正確な型番・ファームウェアと比較可能な導入費用がなく、それらが構成の再現性と導入後の利益を決める材料になる。10月26日に加わったのは、BroadcomとMicrosoft Azure Storageを名指しした参照例だ。顧客はそれを起点に、自分の案件に適用できる構成を求められる。

一方、SeagateはCMRを、アーキテクチャを変えず導入しやすい道として示し、製品ページと販売網で優先している。SMRの道には、同社が列挙するソフトウェア能力が必要だ。44TBという発注条件を、誰が何を提供する構成なのかに落とし込むことになる。

次に値打ちがあるのは、供給するディスク、HBA、ファームウェアと、引き受けるソフトウェア作業を特定した提案だ。適合確認の参照例ができた今、その範囲に使用価格を付けてもらえる。容量表の最大値は、そこで初めて実行できる購入案になる。

出典