要約
- RIR統治文書の推奨第3案は、対象RIRの全会員の15%、または1,000会員のうち少ない方を集めた会員グループに、適合性審査を請求する道を設ける。同じ法人は、別の投票で複数票を持っていても一会員として数える。
- LACNICが公表した理事選の数字では、有権者、投票した組織、投じられた票が別々に示されている。どの数字も、案が必要とする「全会員」の分母と自動的に一致するものではない。
1,000という数字は明瞭だ。何を一つと数えるかは、まだ明瞭ではない。
RIR統治文書の推奨第3案4.2(b)(i)(C)は、会員による適合性審査の請求に数値基準を置いた。対象RIRの全会員の15%、または1,000会員のうち少ない方に達するグループが請求できる。しかも、この場面では一つの法人を一会員と数す。RIRの別の投票制度で複数の票を割り当てられていても、数を上乗せできない。
現時点では成立した制度ではない。ASOが9月1日に出した説明は第3版を推奨案と呼び、今後の意見提出機会の告知と追加更新の調整をNRO執行評議会に委ねている。LACNICに対する請求が提出された、審査が始まった、あるいは不適合があると示す資料もない。
1,000会員をそろえても、自動的に審査が始まるわけではない。請求人は、4.1のどの規定への適合を問題にするのかを特定し、審査を必要とするほど重要な問題だと示さなければならない。会員グループによる請求では、少なくとも一会員がRIR内の利用可能な手続で解決を十分に試みたことも必要になる。その後、ICANNが開始に値する重要性があるかを判断する。人数、内部手続、実体的な重要性は別々の条件だ。
最初の人数条件には、基準日と母集団の定義が要る。会員のどの区分を含めるのか。会費未納や資格停止、加入審査中の組織はどうするのか。国別レジストリを介して資源を受ける会員をどう扱うのか。複数のアカウントや連絡先が同じ企業に属するとき、法人単位にどうまとめるのか。「一法人一回」という文言は方向を示すが、重複のない名簿までは作ってくれない。
LACNICの公開資料は、単位を取り違える危険を具体的に示す。2025年理事選の結果には、有権者12,501、実際に投票した組織1,207、総投票数3,127、参加率10%とある。会員特典の説明によれば、各会員の票数は、その組織が管理するアドレス空間に応じて決まる。会員に関する定款は会員区分と権利を分けている。
この選挙結果から、案の分母を逆算してはいけない。有権者は選挙上の資格、投票した組織は参加実績、投票数は行使された重みを表す。公開ページの意義は、三つを同じ数として扱わず、別の欄に置いていることだ。適合性審査にも、その目的に合わせた独自の分母が必要になる。
実施手続には、争いが起きる前の「分母証明」を組み込むべきだ。基準日、対象となる会員区分、資格の停止・回復、国別レジストリとの関係、同一法人に属する複数アカウントの統合方法を明記する。重複排除後の総数と、計算を証明する主体も示す。全名簿を公開する必要はない。署名された集計値、版管理された方法、請求人が秘密裡に資格を確認できる窓口を組み合わせれば、プライバシーを保ちつつ検証できる。
請求側の証拠にも同じ粒度が要る。各賛同者が基準日に適格だった法人と結び付くこと、重複や関連会社、撤回を公表済みのルールで処理したことを記録する。さらに、LACNIC内で先に試みた対応、4.1の該当規定、問題の重要性を別項目にする。ICANNが開始を見送る場合も、人数なのか証明なのか、内部努力なのか、重要性なのかを説明できる。
変更理由書は、適合性の仕組みを明確にする作業の一部だ。条文の読みやすさだけでなく、利害の異なる当事者が同じ方法で同じ数に到達できるかが明確性の試金石になる。会員は動き始める前に数え方を知り、RIRは賛同者名を見た後に分母を変えず、ICANNは再現可能な理由を示す必要がある。
次のNRO執行評議会の更新では、六点を確認すればよい。基準日、適格会員の定義、法人の重複排除方法、証拠を安全に提出する経路、集計の公開受領証、そしてICANNが各条件をどう判断したかを示す通知である。六点がそろえば、1,000は使える基準になる。なければ、見栄えのよい数字にとどまる。
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