要約

  • 決議案が可決されれば、2026年の超過収入は準備金に入り、赤字は2027年に会員が負担する。
  • 否決の場合、議題案は超過収入をClearing House手続きで会員に再配分し、赤字を準備金で賄うとしている。
  • 会員は2025年の結果について、賛成736、反対56、棄権9で後者の方式を承認した。2026年の収支と10月の採決結果はまだ確定していない。

10月の総会で問われるのは、RIPE NCCの2026年収支がすでに黒字か赤字かではない。公開された議題案には最終的な金額はなく、決議1が可決されるかどうかで、いずれかの結果をどう扱うかが分かれている。

可決された場合、2026会計年度の超過収入は準備金に追加され、赤字は2027年に会員が負担する。否決の場合、議題案は、超過収入をClearing House手続きに沿って会員へ再配分し、赤字は準備金から支出すると記す。つまり、前者はプラスを組織内に留めてマイナスを会員へ移し、後者はプラスを会員に戻してマイナスを準備金で吸収する。

後者は仮定ではない。2025年10月の総会では、2025会計年度の超過収入をClearing House手続きに従って2026年に会員へ再配分し、赤字は準備金で賄う決議が承認された。議事録の票数は賛成736、反対56、棄権9だ。2026年請求手続きには、該当する場合、この2025年の承認内容が会員向け請求にどう反映されるかが記載されている。

Clearing Houseは会員全員への同額配当ではない。現行手続きRIPE-625では、再配分する場合の会員別割合は対象年度のサービス料負担に応じて決まり、金額は現金で支払われず、後年のサービス料に充当される。10月の議題案には2026年の最終収支も会員別の金額も載っていない。そのため、提案だけから特定のLIRへの影響を計算することはできず、今年が黒字になるか赤字になるかも断定できない。

時系列も切り分ける必要がある。総会は10月28~30日、補足資料の公開予定日は9月30日、最終議題の予定日は10月14日、採決結果の発表予定日は10月30日だ。予測が出ても決議の可決を意味せず、可決されても最終財務諸表の金額がその時点で確定したことにはならない。提案、予測、採決、精算は別々の証拠段階である。

焦点は、収支が正か負かだけでなく、どちらの側がその結果を引き受けるかだ。決議が通れば準備金がプラスを保持し、会員がマイナスを負担する。否決されれば、議題案が示す経路では会員が余剰を受け取り、準備金が赤字を吸収する。議題案は選択権を会員に示しているが、理事会が変更を提案した理由までは説明していない。

出典:2026年10月総会の議題案;2026年10月の重要日程;2025年10月の議事録;2026年請求手続き;Clearing House手続き RIPE-625。