要約

  • RIPE 3では相互接続の課金が議題となり、公平な仕組みには大規模な経路フィルタリングが必要になりかねないほど難しいとされた。
  • 議事録は、まず接続を最大化し、費用は二者間の合意で賄う方向を記録する。RIPEは変更を提案するが、実施を強制しない。
  • 9月のRFC 1181はRIPEを調整の場と位置づけ、参加ネットワークの運営権限を各組織に残した。

請求の仕組みがなくても、接続は増やせるのか

1990年1月の議論で、課金は単なる会計処理ではなかった。公平な仕組みは実施が非常に難しく、広範な経路フィルタリングを要する可能性があると議事録は述べる。欧州には中央で資金を出すバックボーンがなく、単一の支払主体を前提にはできなかった。

そこで問われたのは順序だった。まず接続を最大化し、その後で改善するという強い意見が示された。会合は資金調達を二者間の合意に委ねる方向を記録した。これは費用負担の方向性であり、すべての回線が開通した、各運営者が料金に合意した、あるいは最終課金制度ができたという証拠ではない。

共有回線では、IP以外の利用者にも影響する

RIPEの正式な調整タスクフォースは、EUnetとNORDUnetの既存文書をもとに、IP回線を共有する契約案を検討した。通信を無償で流すのか、内部ネットワークの利用に課金するのか、予備回線、容量上限、解約条件をどうするのかが議論された。案は法務確認に回され、意見が募られたが、議事録に採択済み契約は記録されていない。

回線をIP向けに最適化すると、同じ設備を使う別プロトコルの通信に不利益を与える可能性も指摘された。接続拡大は線を増やすだけでなく、費用を誰が負担し、どの通信を優先するかという問題を伴っていた。

RIPEの役割は提案まで

議事録が描くRIPEは費用を調整し変更を提案する場で、強制権は参加組織に残る。9月のRFC 1181はこの境界を明文化し、RIPEは相互接続と共通の運用慣行を調整するが、ネットワークサービスの提供者ではないとした。各ネットワークの執行権限は所属組織にあった。

二つの記録を合わせると、意図的に限定された運営モデルが見える。二者間の費用合意は回線当事者に判断を残し、共通フォーラムは指揮権を持たずに調整を助ける。この設計には限界もある。RIPEは提案できても、各参加者が接続を完成させたり費用を引き受けたりすることまでは保証できなかった。

出典: RIPE 3議事録(1990年1月22–23日)、RIPE NCC公式アーカイブ; RFC 1181「RIPE Terms of Reference」(1990年9月)、RFC Editor公式テキスト。