Summary
- 2025年7月1日、Makatiの新しいAuthDNS拠点は7億2600万件超の問い合わせに応答し、1秒当たり平均約8400件に達した。AS15169が広告するネットワークの送信元アドレスが、その96.5%を占めた。
- フィリピンにある50台のRIPE Atlasプローブでは、Makatiへ届く経路が増えた一方、6月下旬にはParisなど遠方の拠点へ向かう例も残った。
新拠点の稼働を告げる数字なら、7億2600万件で十分だろう。だがRene Wilhelmは、その数字で調査を閉じなかった。RIPE NCCの研究者として、Maharlika IXに設けたAuthDNS拠点の問い合わせログとAtlas測定を照合した。2025年7月1日の応答は1秒平均約8400件。次に問うべきは、フィリピンのネットワークがその近い拠点を選んだかどうかだった。
拠点ログの送信元アドレスをRIPE RISの起点AS情報と突き合わせると、AS15169が広告するネットワークからの問い合わせが96.5%を占めた。これは送信元のネットワーク分類であり、利用者の居住国や人数を数えた値ではない。一つのASの経路選択が全体の応答数を大きく動かす。総量だけでは、他の事業者の経路が改善したか分からない。
Wilhelmと寄稿者Qasim Loneは、フィリピンに設置された50台のRIPE Atlasプローブにも尋ねた。新拠点に届くプローブが現れた一方、遠方の拠点を使う例も続き、6月下旬にはParisに戻ったプローブもあった。AuthDNSの公式説明によれば、各拠点が同じanycastアドレスを広告し、受信側の事業者がBGP経路を選ぶ。Makatiに機械があっても、各事業者がそこで答えを受け取るとは限らない。
同じ7月1日、Makatiへ問い合わせた送信元アドレスの一部は東京など別の拠点にも問い合わせていた。BGPの変化やクライアント側の振る舞いで、一日の中でも行き先は揺れる。二つの日付の拠点別総量を引き算しても、利用者ごとの恒久的な移行数にはならない。
RIPE NCCの拠点台帳は2026年11月の確認時点でもMaharlika IXのAuthDNS拠点を稼働中と記している。この台帳に、現在の応答量は載っていない。近い経路を使わないネットワークを特定するには、当時のBGP広告、ピアリングと経路選択の記録が要る。Wilhelmの測定は、設置の成果と到達の成果を別々に数える出発点になった。
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