Summary

  • Patrick SattlerのRIPE 92における測定では、対象のChromeとFirefoxはDNSのAとAAAAの両応答を待った。Aが遅れると、使えるIPv6アドレスが先に届いていてもページが遅れ、Firefoxは一部の条件で失敗した。
  • 対象の中でSafariだけがHappy Eyeballs v2の名前解決待ち時間を含む機能を備えていた。両応答を待つクライアントでは、リゾルバーのタイムアウトが利用者の待ち時間を決める。

IPv6の接続先は見つかっている。なのに、ページは開かない。別のIPv4用アドレスがDNSから返るのをブラウザーが待っているからだ。Patrick SattlerはRIPE 92で、標準の名前ではなく実装の時計を測ると、この妙な足止めが見えると話した。

Happy EyeballsはIPv6を先に試し、遅ければIPv4も走らせる。だが、接続を競わせるにはDNSから住所を受け取る必要がある。Sattlerらは返答を遅らせられる名前サーバーとWebテストを用意し、ブラウザーの動きを外から観察した。公式発表ページにも各実装の差が記されている。

2026年5月の試験環境では、ChromeとFirefoxはA、AAAAをともに問い合わせ、双方の返答を待った。対象版にはv2の名前解決待ち時間がなかった。Aの返事が遅いと、AAAAが使えてもページ読み込みが遅れ、Firefoxでは失敗する例も出た。SafariはAAAAが早く届けば、遅いAを待たずIPv6へ進んだ。AAAA側が遅い場合は、示された試験で約50ミリ秒待ってからIPv4を選べた。

その後の接続試行にも別の時間設定がある。Sattlerの試験でChromeは約300ミリ秒、Firefoxは約250ミリ秒を境に切り替え、Safariは動的に変えた。OS、プロキシ、ネットワークでも結果は動く。当時の公開テスト拠点はミュンヘンだけで、Sattlerは他地域の協力を求めていた。この観測を新しい全版の仕様と取り違えてはならない。

サイトのIPv6が正常でも、DNS運用者のタイムアウトとブラウザーの待ち方で画面は止まる。Sattlerはリゾルバー運用者に設定の点検を促した。ブラウザー側には、届いたAAAAで先に進むための判断がある。双方が別々に持つ小さな時計が、一つの遅いページをつくる。

障害票に必要なのはAとAAAAそれぞれの返答時刻、使用したブラウザーとOS、リゾルバー、プロキシ、最初に試した接続先だ。IPv6疎通試験の成功だけでは、動かないタブの理由を説明できない。

資料:RIPE 92公式議事録 · 公式発表ページ · RACI人物紹介。