要約
- NROに提出されたRIR統治文書の勧告草案は、ICP-2に含まれず、そこからも読み取れなかった新たな義務に限り、発効後3年間の猶予を設ける。
- 争点は年数ではなく、各条項を旧来の責任と新規の責任のどちらに置くかという判断だ。
「3年」という見出しは便利だ。だがNROが正本とするPDFの末尾、7.3節を読むと、その数字には狭い入口が付いている。文書と各RIRの実務が衝突すれば、実務を直すための合理的で具体的な期間を与える。そのうち3年と明記されているのは、ICP-2に明示されず、暗黙にも含まれていなかった新しい義務だけだ。起点も草案の公表日ではなく、文書が効力を持つ日である。
ICP-2の原文は、地域レジストリの承認に共同体の支持、公平性、財務と運営の持続性などを求めた。後継草案の第4条は、財務上の独立、統治記録の公開、サービスの安定、監査への協力を継続的で監査可能な約束として書き込む。あるRIRは細かな手続きが初登場したと言える。審査側は、古い基準を測れる形にしただけだと返せる。どちらの見方が採られるかで、監督の開始時期が変わる。
実施細則が出るまで待てばよい、という逃げ道も狭い。1.3節はICANNとRIRによる共同手続きを想定しながら、手続きが未採択でも規定の執行は妨げられないと定める。将来の改正については、猶予期間を改正自体に明示する仕組みだ。
NROのFAQによると、ASOアドレス評議会は2026年7月28日に勧告草案をNRO執行評議会へ渡した。以後の調整は同評議会がICANNと各RIRと進める。公式の見直し日程にも採択と発効の日付はない。3年後の期限を今の日付から計算する根拠はない。
必要なのは、ICP-2の根拠と新条項を一対一で並べ、新規と判定した理由、対象RIR、発効後の期限を公開する表だ。時計の文字盤だけ見せて、針を動かす人を隠しては困る。
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