要約

  • 通信事業者はNIMCの本人確認APIを10分ごとに検査し、可用性の記録を毎週NCCへ提出する。
  • 99%の目標を1週間下回ると、通話とSMSに限るSIM有効化の暫定経路が認められる場合がある。モバイルデータは使えない。
  • 付属書3はNCCのメールを発動手順とし、付属書4は名称のない「関連ガバナンス機関」の承認を求める。

本人確認APIが止まったとき、SIMの暫定措置は誰が動かすのか。ナイジェリアの2026年規則は、障害を測る方法より、その決定者について余白を残した。

National Identity Management Commission(NIMC)は国民識別番号NINを使って本人確認を行う。通信事業者はNIMCの検証APIを10分ごとに呼び出し、応答と失敗理由を記録する。記録は週単位でNigerian Communications Commission(NCC)に提出される。付属書4が定める期待可用率は99%だ。2026年8月改定のNCC業務規則には、測定から週次報告までが記されている。

発動条件は、NIMCのサービスが合意済み水準を1週間連続で下回り、P1障害に至ることだ。付属書3では、NCCが事業者の統計を評価したうえでメールを送り、SIM有効化に限ってLimited Accessの代替措置を始める。ところが付属書4は、同じ1週間の基準を説明したあと、事業者は「relevant governance body」の承認を得るとしている。その機関の名称も、NCCとの関係も書かれていない。

利用者に見える差は小さくない。Limited Accessの前段階では、NIN確認のためのSMSまたは通信事業者からの連絡だけが届く。限定措置が始まると、着信とSMSを受け、緊急番号や事業者のコールセンターへ発信できる。モバイルデータは使えない。措置は14日間続くか、サービスが回復して期待水準を1週間維持し、Commissionの承認が得られるまで続く。

この仕組みは、本人確認の失敗を通話サービス全体の遮断へ直結させない。その代わり、利用者は通話とSMSの範囲にとどまり、データ通信を使う手段を失う。どの機関が例外を許可するのかが曖昧なままでは、限定アクセスの入口は技術基準だけでは開かない。

役割分担は規則の別の箇所に明記されている。NCCは加入者登録を自らの単独の職務とし、NIMCは本人確認を担う。通信事業者は登録情報の収集、API検査、週次報告を行う。暫定措置が始まれば、対象者のNINとMSISDNもNCCへ送る。人口統計情報と検証済み生体情報も、新しいデータ辞書が発行されるまでNCC中央データベースに暫定保存される。

苦情窓口には専用のカスタマーケア回線が求められている。対象はセルフKYCによるSIMとNINの連携に関する苦情だ。ただし該当条項は、回答や訂正にかかる期限を定めない。API障害には10分単位の記録と週次報告がある一方、本人情報の不一致を申し立てた人には、この規則内の処理時計がない。

公開された規則には99%の目標があるが、NIMC APIの実測可用率は載っていない。週次の実績が公表されれば、この暫定措置が例外なのか、常用される運用なのかを判別できる。まず必要なのは、二つの付属書を一つの発動手順に直し、決定者、審査する証拠、メールの効力発生時点、利用者に残るサービスを明記することだ。

出典

Nigerian Communications Commission, Business Rules for the Registration of Communications Subscribers Regulations, August 2026 second amendment; publication page; NCC公式文書一覧.