要約

  • RFC 1313はサンフランシスコ湾岸の放送局、Internet Societyのスポンサー、翌日のFTP文字起こし、VATによる聴取を記す。いずれもメモ自身の主張である。
  • RFCがアーカイブに収録された事実は、情報提供文書の存在を示す。KRFCの放送、ゲストの出演、記載されたサービスの稼働を独立に証明するものではない。

番組表はインターネットにAMの周波数を与える。1992年4月1日付のRFC 1313は「KRFC Internet Talk Radio」へ読者を迎え、ネットワークのニュース、インタビュー、論評を一日中届けるとうたう。深夜のコーナーでは、コンコルド搭乗中のドップラー補正を扱い、別の番組は浴槽でTCP/IP実装をデバッグする。Vint Cerfとの昼食、夜の「Protocol Police」も並ぶ。冗談は付け足しではない。ルーティング、商用ネットワーク、セキュリティ、標準化会合の論争をラジオ番組に仕立てている。

配信方法まで描かれている。KRFCはサンフランシスコ湾岸を対象にし、Internet Societyが後援するという。域外の人は翌日に匿名FTPで番組の文字起こしを得るか、VATで聴けるとも記す。文字どおりなら、地域放送、遅れて公開するテキスト、ネットワーク音声を組み合わせた小さなメディア構成だ。しかし、そのすべてが同じ諧謔的なRFCに書かれている。放送記録、録音、独立した文字起こし、局の免許、実際に番組があったと示す別証言はない。

文書には注意を促す手がかりもある。1ページ目は1992年4月1日付だが、2、3ページの柱には1991年4月1日とある。タイトルは「AM 1313」なのに、後続ページは「AM 13XX」と記す。あり得ない、あるいは誇張された企画や、宣伝めいた挿話も混じる。これらは風刺として読む根拠になるが、日付の食い違いだけでは、冗談か編集ミスかを断定できない。

形式も重要だ。RFC 1313はRFCシリーズの番号とアーカイブ上の体裁を備えつつ、自らを情報提供文書とし、インターネット標準を規定しないと明記する。同時期のIABカタログRFC 1360も、これを情報文書として扱う。長く残る出版記録が示せるのは、メモの著者、記載内容、アーカイブ上の日付までだ。文中の主張すべてを、独立に目撃された出来事へ変えるわけではない。

この文書自体が歴史的な成果物だ。技術コミュニティが自分たちの暮らしを放送番組表に見立て、そこで活動する人々や組織、議論を笑いにした記録である。実際の局の歴史を検証する証拠ではない。「KRFCがこの番組を放送した」には別の裏付けが要る。「RFC 1313がこの番組を記述した」なら、アーカイブから確認できる。

出典:RFC 1313、RFC EditorのRFC 1313記録、RFC 1360、RFC 1399。