Summary
- 11月1日付のKEYTRANSアーキテクチャ第11版は、10月7日付の第10版になかった「クライアント完全性」の節を加えた。
- 事業者が特定の利用者に改変したアプリやログ設定を届けられるなら、その人の証明検査や監視を止め、信頼する公開鍵まで差し替えられる。
公開台帳の計算が正しくても、端末が検算しなければ意味はない。IETFのKEYTRANSアーキテクチャ第11版は、その当たり前の事実を新しい第7.3節に書き込んだ。鍵透明性は、通信サービスがアカウントに別の公開鍵を密かに結び付ける行為を見つけるための仕組みだ。利用者のアプリはログを検索し、証明を確かめ、以前に見た状態を覚える。
ところが、アプリとログの設定を届けるのは多くの場合、その通信サービス自身である。草案は、事業者が一人の利用者に改変したソフトウェアや設定を配れるなら、その人に対する鍵透明性を丸ごと破れると説明する。証明の検査や監視を無効にする方法も、ログまたは第三者の公開鍵を事業者の鍵に替える方法もある。ログ全体を壊す必要はない。狙った端末の検証者を替えればよい。
旧第10版には、この節がなかった。新しい文章は四つの前提を挙げる。端末が安全にコードを動かすこと、クライアントが正しく実装されること、ログ設定が本物であること、時計が正しいことだ。端末の侵害なら秘密鍵や平文も直接漏れ得る。保存状態の巻き戻しは過去の観測を消し、時計の誤りは古いログの表示を通してしまう。
草案は対策の候補も示す。公開の追記専用ログにソフトウェアの各版を載せてから配布すれば、特定の人だけに別版を渡す行為が見えやすくなる。ソース公開と再現可能なビルドは、その版が何を実行するかの検査に役立つ。端末保護、状態の巻き戻し防止、独立した時刻の認証も挙げている。特定企業での導入や被害を報告する文書ではない。Datatrackerでは、IESGに提出された作業部会の現役草案として扱われている。
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