要約

  • 2020年10月の総会(GM)決議1は、RIPE NCCの2020年度財政剰余の2021年における会員への再分配を承認した(議事録)。
  • 投票報告によれば、1,703会員が投票登録し1,401が投票し、決議1は賛成1,336・反対48・棄権17で可決した(投票報告)。
  • 分配額は1,103万5,874ユーロで、2020年12月31日に有効なLIRを保有する会員が対象であり、2021年請求書の値引きとして適用された(実施ページ)。
  • この決議の法的根拠は会社定款ではなく、標準サービス契約第7条(クリアリングハウス規定)である(RIPE-812)。
  • 議事録への異議は、3週間以内に100会員以上の反対通知があれば取り消しうる手続上の挑戦経路を示す(RIPE-818)。

2020年10月の総会で何が決まったか

プロバイダ報告の議事録抜粋によれば、決議1は「RIPE NCCの2020年度財政剰余は2021年に会員へ再分配される」との文言で、議題8に基づき採決された。結果は、総会が2020年10月30日10時45分(UTC+1)に再開された時点で発表され、議長代行Remco van Mookが10時50分に総会を閉じた(議事録)。RIPE NCCの公式ニュースも、10月総会で4つの決議が採決され、再分配決議が承認されたことを確認している(ニュース)。

投票報告の抜粋によれば、1,703会員が投票登録し、1,401会員が投票した。決議1は過半数の賛成を要し、賛成1,336・反対48・棄権17で可決した。同じ総会では、定款改正(第21条の手続)に関する決議2〜4も三分の二多数を要する投票に付され、決議2は賛成1,082・反対154・棄権148、決議3は賛成900・反対296・棄権187、決議4は賛成1,059・反対165・棄権155で、いずれも承認された(投票報告)。

分配の実務:金額・資格・計算方式

実施ページの抜粋によれば、2020年度に再分配された金額は1,103万5,874ユーロである。分配の資格は2020年12月31日に有効なLIRを保有する会員に限定され、同年に閉鎖された口座(合併完結など)は除外された。各会員の取り分は2020年に支払った年会費(会員貢献金およびIR費やレガシーリソース費を含み、新規登録費や再活性化費は除く)に基づき、金銭の支払いではなく2021年請求書への値引きとして適用された(実施ページ)。

権限の所在:定款ではなくサービス契約

本稿の中心的論点は、この再分配の権限を与えたのが会社定款ではなく標準サービス契約(SSA)第7条であることだ。RIPE-812の抜粋によれば、第7条はクリアリングハウスを財政安定のための非課税準備金として設け、第7.2条は「総会は毎年、財務結果をクリアリングハウス準備金に加算・控除するか会員間で再分配するかを決定する」ことを定め、一括再分配も可能とする。第7.3条はクリアリングハウス手続を参照し、会員の取り分を翌年度のサービス料に計上する。第7.4条・第7.5条は、料金支払いを参加条件とし、終了した契約を除外する(RIPE-812)。

クリアリングハウス手続(RIPE-625)の抜粋も、オランダ税務当局との取り決めの下で会員が毎年剰余・赤字の扱いを決定すること、秋の総会が執行理事会・経営層の年度末見積りに基づいて決定すること、執行理事会が一括再分配を提案し総会が承認・不承認することを確認する。会員の取り分は、当該年度(一括の場合は過去3年間)に支払われたサービス料総額に占めるその会員の割合で算定される(RIPE-625)。

異議申立ての経路:議事録異議制度

結果に不満のある会員には手続上の挑戦経路が存在する。RIPE-818(2024年版定款)の抜粋によれば、第18.1条は絶対多数の原則、第19.3条・第19.4条は議事録草案が最終・確定となるが、3週間以内に100会員以上の反対通知があれば取り消しうること、第21.3条は定款改正・解散に三分の二多数を要することを定める。10月2020年議事録自体も、GM議事録異議システムを通じた19.4条による異議権を会員に告知している(RIPE-818、議事録)。ただしRIPE-818は2024年版であり、2020年10月時点の条文番号とは異なる可能性がある。

証拠の限界

本稿のすべての引用語句は、検索プロバイダが報告した抜粋に基づく。議事録・投票報告・SSA全文の取得は行っておらず、逐語的正確性は未検証である。また、2019年度の再分配記録との比較、および2021年以降のメカニズムの運用状況は、本稿執筆時点で未確認である。