要約
- アフリカ諸国は、巨大な非静止軌道衛星群が周波数と衛星軌道資源への公平なアクセスを脅かすとの認識を、ITU決議186に加えたい考えだ。
- 一方で、2022年の決議にあった、有害な混信、衛星監視施設の情報、理事会が検討する協力協定を一つにつないだ無線通信局への指示は削除する。
限られた周波数と軌道資源を大規模な衛星群が使うとき、新たに参入する国の取り分を誰が守るのか。アフリカ電気通信連合の加盟国が提出した決議186の修正案は、そこに切り込む。大型の非静止軌道衛星群は、特に途上国の公平なアクセスに直接の危険をもたらすと記した。ところが同じ修正案は、有害な混信が起きた際に監視施設の情報へたどり着くための、より具体的な指示を削っている。大きな政治的警告と短い実務指示が一枚に収まった。
2022年に採択された決議は、無線通信局に二つの隣り合う仕事を課していた。一つ目は、関係する行政主管庁の要請を受け、無線通信規則第15条に沿って有害な混信に対処できるよう、衛星監視施設の情報へのアクセスを促すこと。理事会が検討する協力協定と予算上の限界も、同じ文に含まれていた。二つ目は、施設情報を各行政主管庁に提供することだ。修正案は一つ目を削除し、二つ目を「要請に応じて提供する」に書き換える。協力協定を検討する理事会への呼びかけは残る。会員に協定への参加を促す文も残る。無線通信局の指示から、混信事案と協定を直接結ぶ部分が抜ける。
皮肉なことに、提案の理由欄は、アフリカと太平洋の新興宇宙利用地域が世界中の監視設備を使えるようにする戦略的な連携を掲げる。旧条文では、有害な混信の申告、監視施設の情報、理事会の協力協定が無線通信局への一つの命令の中にあった。新条文で直接求められるのは、行政主管庁の要請に応じた施設情報の提供だ。施設の所在地を知らせる行為と、その施設に測定を依頼する権限を用意する行為は違う。協定を検討する理事会への呼びかけが残る以上、協定の入口を閉めたわけではない。入口まで案内する職務の書き方が薄くなったのである。
ITUの文書登録簿は提出主体をアフリカ電気通信連合の加盟国とし、増補文書の掲載日を10月25日と記す。提案には、どの国が施設利用を求めて拒まれたかという事例は載っていない。11月の会議で問われるのは既存の被害の認定ではなく、監視の協力を誰の責務として明文化するかだ。公平なアクセスを決議の冒頭でうたい、測定につながる手順を本文でぼかせば、負担は情報を求める側に戻る。
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