Summary

  • ICANN理事会は、ガバナンス委員会による応募内容の審査、候補者面接、推薦を経て、Charles Mok氏を2027年NomCom委員長、Ron da Silva氏を次期委員長に任命した。
  • 委員長と次期委員長は投票権を持たない。候補者選考は18人の投票代表が担い、将来の委員長を誰にするかは理事会が決める。

ICANNが10月12日に発表した人事で重要なのは、よく知られた役職名の背後にある権限の分担だ。Charles Mok氏が2027年の指名委員会(NomCom)を率い、Ron da Silva氏が次期委員長を務める。同委員会はICANNの複数の機関の候補者を選ぶ。二人は手続きを主宰するが、委員会の投票者ではない。また「次期委員長」という肩書だけで将来の委員長職が確定するわけでもない。

理事会は10月5日、決議2026.10.05.01で任命を承認した。理事会ガバナンス委員会(BGC)は関心表明書やその他の応募資料を確認し、2026年の指導部に対するNomComメンバーの評価を検討し、候補者を絞って面接したうえで二人を理事会に推薦した。ICANNは5月8日に関心表明を公募し、提出期限を5月29日とした。募集要項は応募内容の秘密を守るとしている。決議は手続きの概要を公表する一方、定款第3.5(b)節に基づき個別資料を非公開としている。

この経緯が重要なのは、委員会を招集する責任者の選定と、委員会が最終的に推薦する候補者の選定が別の判断だからだ。ICANN定款第8条では、委員長と次期委員長は理事会が任命し、投票権を持たない。NomComには18人の投票代表がいる。住所支持組織、国コード・ネーム支持組織、政府諮問委員会、セキュリティと安定性に関する諮問委員会、ルートサーバーシステム諮問委員会、インターネット技術特別調査委員会が各1人、At-Large諮問委員会が5人、汎用ドメイン名支持組織が各構成員グループから計7人を選ぶ。

2027年サイクルでは、ICANN理事会メンバー3人、At-Large諮問委員会メンバー3人、汎用ドメイン名支持組織評議会メンバー2人、国コード・ネーム支持組織評議会メンバー1人を選ぶ見込みだ。コミュニティからの意見は参考になり得るが、9月4日の意見募集は、採用するかどうかはNomComが単独で判断すると明記している。必要な技能や資質について意見を求め、期限を10月15日とした。公開募集や幅広い代表構成があっても、それらの意見が候補者選考の投票になるわけではない。

委員長には手続き上の重要な役割がある。ICANNが5月に公表した職務説明には、会議の運営、候補者の発掘、身元確認の調整、運用手順の遵守、報告書の準備などが記されている。次期委員長には現職に並走して職務を学ぶ役割がある。公開資料には応募人数、面接人数、最終候補者の比較は示されていない。応募の秘密は募集要項で約束されているため、情報がないことだけで不適切な手続きだったとは言えない。一方で、外部から応募者層を独自に評価できる範囲は限られる。

定款は継承についても条件を付けている。第8.3(d)節は、現職の任期終了時に次期委員長が委員長になることを想定しているが、理事会は別の人物を任命できる。現職を続投させる場合には、定められた条件の下で次期委員長を置かないこともできる。したがって、この役職は訓練と継続性の仕組みであって、法的に確定した後継権ではない。10月の発表は今回の次期委員長を明らかにしたが、その先の任命を確定するものではない。

この見方はHeng Luの第73号ノートが示す注意点にも通じる。参加していることや影響を受けることだけで、他者を拘束する権限が生まれるわけではない。同ノートは編集上の視点であり、今回の任命を裏付ける事実資料ではない。ここで正式な権限は定款に示されている。理事会は委員長と次期委員長を任命し、多様な組織から選ばれた投票機関がNomComの選考を行い、委員会はコミュニティ意見を取り入れるか判断する。それぞれの役割は異なる。

そのため、説明責任を評価する際の焦点は手続きだ。応募者の秘密を守りながら、規則、任命理由の公表範囲、最終結果を読者が確認できるか。NomComは運用手順を公表し、サイクル終了後に選考がその手順に沿って行われたか説明するか。将来の理事会決定は、想定される委員長交代を維持するのか。こうした問いは、出席、意見募集、任命のどれか一つを世界全体からの委任と取り違えずに、説明責任を検討する手掛かりになる。

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