要約

  • 理事は一人一票となり、各業務執行理事は単独でRIPE NCCを代表できる。非業務執行理事も4人が共同すれば代表権を行使できる。
  • 総会は非業務執行理事の人数を決め、一定の重要取引を承認し、3分の2の賛成で定款改正を決議する。改正の効力発生には公正証書が必要となる。

理事会での一票と、協会を代表する署名権は、同じ権力の別の形に見えることがある。しかしRIPE NCCの定款改正案は、両者を別々に配分する。CEOが業務執行理事に任命されれば、理事会の決定に一票を投じる。別の条項では、業務執行理事が一人で協会を代表することを認める。前者は理事会内部の決定権、後者は法人を対外的に代表して行為する権限である。

現行定款では、執行理事会が協会の運営を担う。第10.5条は代表権を執行理事会に置き、理事4人が共同で協会を代表することも認める。RIPE NCCは実務について、CEOが日々の運営を行い、選任された理事会が監督すると説明している。9月の説明では、この改正は実際の運営モデルを正式な規則に反映するものとされる。これは当事者であるRIPE NCCの説明であり、将来の法的な権限配分を確認するうえでは、提案された定款本文の方が直接的な根拠となる。

案の検討には数カ月を要した。3月の第191回執行理事会議事録には、業務執行理事が運営し、非業務執行理事が監督する一層型モデルへの移行決定が記録されている。同議事録は、日常運営の主要な責任とそれに伴う責任リスクが業務執行理事へ移るとも述べる。9月の第195回会合では、理事会が改正案を総会に提出することを全会一致で承認した。したがって10月の投票は、案の調査を続けるかを問う自由な協議というより、理事会が作成した文面に対する会員の正式な決定である。

提案第9条は任命権を分ける。非業務執行理事の人数は総会が4人から7人の範囲で決定し、業務執行理事の人数は非業務執行理事が1人から3人の範囲で決める。非業務執行理事を任命するのは総会だが、業務執行理事は総会が直接任命するのではなく、非業務執行理事が任命する。非業務執行理事には業務執行理事の職務停止や解任の権限もある。一方、選挙で選ばれた非業務執行理事の解任には、総会の3分の2の賛成が必要となる。

RIPE NCCの最高法務責任者は、現在の選挙で選ばれた7人が引き続き非業務執行理事を務めると説明している。しかし、改正案は7人を固定していない。総会は4人から7人の間で人数を定められる。初回の構成についての機関側の説明と、将来の総会を拘束する定款上の人数は区別する必要がある。

理事は一人一票を持つ。定款または理事会規則に別段の定めがなければ、決議は単純過半数で成立し、賛否同数なら否決となる。CEOの票は正式な一票であって、個人の拒否権ではない。人数の範囲上、非業務執行理事は業務執行理事より多くなる。ただし一票の実際の影響は、出席、棄権、利益相反、内部規則にも左右される。

対外代表権は別の条文が扱う。提案第10.4条は代表権を理事会に置いたうえで、各業務執行理事が単独で、または非業務執行理事4人が共同で協会を代表できるとする。理事会が継続的な代表権を付与できる相手は協会の従業員に限られる。CEOが業務執行理事になれば、他の理事4人を集めなくてもRIPE NCCを代表する経路を持つ。ただし、単独署名が無制限の裁量を意味するわけではない。業務執行理事は法律、理事会の監督、内部規則に従う。

会員承認が必要な事項も残る。提案第10.3条では、登記された不動産の購入、売却、負担設定に関する契約と、特定の保証・担保義務について、事前に総会の承認を得る。そうした行為について協会を代表する権限にも承認が適用される。したがって、業務執行理事の個別代表権を、会員の承認事項を取り除くものとして解釈してはならない。

総会での決議には独自の法的手順がある。議案第2号は第21条に基づいて改正案を採択し、オランダの民事法公証人による公正証書の手配を理事会に認めるよう会員に求める。現行第21.3条は、定款改正に投じられた票の少なくとも3分の2を要件とし、第21.4条は公正証書の作成後に初めて改正が効力を持つと定める。2026年10月14日時点で公式ページには「Draft Agenda」と表示され、投票は10月28日から30日の総会期間中に予定されていた。記事作成時点で結果は不明だった。

ここで重要な統治上の検証点は、参加と委任を区別することだ。会議への出席、メーリングリスト上の意見、機関による説明は提案を可視化するが、定款に基づく会員投票の代わりにはならない。逆に、有効な投票が承認するのは文面に記された改正であって、その後の業務執行理事のあらゆる裁量ではない。総会後には、投票、任命、監督、代表行為、会員留保事項がどう結びつくかを追跡できる必要がある。

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