要約

  • AS210860は2026年3月26日以降グローバル経路表に現れず、Hurricane ElectricはIPv4・IPv6合計でゼロ個の告知プレフィックス、歴史的起源プレフィックスは193.21.248.0/21(EDEKA DIGITAL GmbH)、観測BGPピアはAS9211(Nawork Internet Informationssysteme GmbH)、RPKI有効・無効起源はいずれもゼロと報告しているhttps://bgp.he.net/AS210860 。
  • 193.20.0.0/15はAS197909(EDEKA-RS、EDEKA Rechenzentrum Sued Betriebs GmbH)が告知し、RIPEstatは100%ドイツ、inetnumはDE-EDEKA-19960717、IRR経路オブジェクトは193.20.0.0/15 origin 197909を示すhttps://stat.ripe.net/resource/193.20.0.0/15 。
  • ping.peは193.20.0.0/15の単一起源AS197909、集計RPKI状態VALID、ROAはAS197909 193.20.0.0/15 max_length 15と報告するhttps://records.ping.pe/193.20.0.0/15 。WhisperもRPKI有効・MOASフラグなしで同起源を確認するhttps://canon.whisper.security/prefix/193.20.0.0/15 。
  • RIPEstatのルッキンググラスは同経路を338ピアが告知し、23箇所のRISルートコレクター(RRC)地点で観測されるとしているhttps://stat.ripe.net/lg/193.20.0.0/15 。
  • 登録層の事実はサードパーティのミラーに依存する。権威あるRIPEデータベースのエンドポイントはAS210860に対してシェル応答のみを返し、ミラーはas-name edeka_digital、organisation ORG-EDG14-RIPE、status ASSIGNEDと報告するhttps://apps.db.ripe.net/db-web-ui/lookup?key=AS210860&type=aut-num 。IPinfoはAS210860を「Inactive」、ホルダーEDEKA Verwaltungs- und Beteiligungs GmbH、作成2021年8月24日、最終変更2021年10月27日と表示するhttps://ipinfo.io/AS210860 。

この分業の核心は、同じ/15アドレス空間の中で二つの階層が異なる速度で動いていることである。登録層では、AS210860のaut-numは2021年10月27日を最後に変更されておらず、DFINFRAはRIPEのロールオブジェクトDA9499-RIPEとしてしか存在しない。PeeringDB由来の自己申告である十個のIPv4プレフィックスと一個のIPv6プレフィックスの主張は、経路観測と明確に矛盾する。さらにミラーの間ではORG-EDG14-RIPEの名称がEDEKA DIGITAL GmbHとEDEKA Verwaltungs- und Beteiligungs GmbHで食い違い、あるミラーでは2026年5月13日の組織オブジェクト変更が記録されている。他方の運用層では、AS197909がas-name EDEKA-RS、organisation ORG-ERSB1-RIPE、status ASSIGNED、作成2023年7月5日、最終変更2026年6月25日の登録を持ち、9個のプレフィックス(IPv4四個、IPv6五個)をすべてRPKI有効の状態で告知し、観測ピアはAS8767(M-net)とAS8823(Rockenstein AG)の二つである。告知されたIPv4集合には193.20.0.0/15、94.154.2.0/24、185.240.72.0/22、193.35.80.0/22が含まれるhttps://bgp.he.net/AS197909 。

/15資産は商用サービスではなく法人・オンプレミスのEDEKA ITサービス向けであり、/15から切り出された/21がAS210860の歴史的起源であったことはBTWの先行報道が示しているhttps://btw.media/en/governance/rir-watchdog/ripe-ncc/story/dfinfra-as210860-routing-evidence-september-2026 https://btw.media/en/governance/rir-watchdog/ripe-ncc/story/dfinfra-as210860-zero-announced-prefixes 。つまりこの現象は、企業が旧ASを「凍結」し、新しいAS197909へ運用を移す際に、アドレス空間の告知を一貫して維持できている状態を描写している。目録上の対象はhttps://btw.media/ja/directory/dfinfra にある。

だが、この観測が証明しないことも明確である。AS197909による193.20.0.0/15の安定告知は、AS210860の登録資源がどの主体の支配下にあるかを、それ自体では法的に確定しない。RIPEの登録データベースの一次応答が得られなかったため、すべての登録層の事実はミラー経由であり、現在の権威あるレジストリ状態は一次確認されていない。経路数は時間的に変動するサードパーティ観測でもある。安全に言えるのは、2026年9月時点で、登録上の静寂と経路上の安定が同一のアドレス空間に共存しているという事実だけである。