要約

  • AS210328の有効なRPKIカバレッジは3つのIPv4プレフィックスのうち2つに限られ、185.136.15.0/24のROAのnot-beforeは2026年8月20日——ASN割当から約4年半後である。
  • 8月20日のROA作成、8月21日のaut-numポリシー変更、8月24日の競合ROA失効という日付シーケンスが、出所保護の再構築ウィンドウを示す。
  • 第三のプレフィックス185.218.138.0/24は今も有効なROAを持たないMOAS状態であり、RPKI検証を行うネットワークから到達不能である。

AO ALMAZ(organization ORG-ZA238-RIPE、登記番号1196501003357)に登録されたAS210328は、RIPEデータベース上2021年12月27日に作成され、ステータスはASSIGNED、スポンサー組織はORG-DNJ1-RIPEである。aut-numオブジェクトの最終更新は2026年8月21日04:38:32Z、organizationオブジェクトは2026年5月13日である (RIPE DB検索)。

このASが生成するIPv4プレフィックスは3つの/24——77.91.65.0/24(IP-FI/Foton Telecom名義)、185.136.15.0/24と185.218.138.0/24(いずれも個人Vlad Cojuhari名義でAO ALMAZではない)——である (Hurricane Electric)。集計サイト間では表示に揺れがあり、ping.pe は3プレフィックスをAS210328元と一覧し、HEは「生成3/アナウンス2」、IPregistry は「IPv4 2範囲+IPv6 1範囲」と報じる(bgp.tools も同様の差異を示す)。観測ウィンドウや重複排除規則の違いが矛盾の説明候補だが、確定はできない。

RPKI面では、AS210328名義のROAは77.91.65.0/24と185.136.15.0/24の2件のみで、いずれもRIPEリポジトリ発行かつ検証OKである。本稿の中心的な新事実は、185.136.15.0/24の現行ROAのnot-beforeが2026年8月20日06:30 UTCという点にある。つまりこのプレフィックスへの正当な出所保証は、ASN運用開始から約4年半を経て、aut-numの8月21日変更の前日、競合ROA失効の4日前に初めて作られた。

一方、185.218.138.0/24を唯一カバーしていたROA(asID 205997)の証明書は2026年8月24日05:53:28 UTCに失効した。以後このプレフィックスはAS209630(LLC VASH KREDIT BANK)、AS205997、AS210328の多重元(MOAS)のまま有効ROAを持たず、RPKI強制ネットワークから到達不能である。さらにAS205997のコンソールページは185.136.15.0/24にもROAを示し、重複・競合する出所主張のパターンが第三プレフィックスだけでなく第二プレフィックスにも及ぶことを示す。ただし2つのコンソールミラーがAS205997のプレフィックス集合について食い違い、重複ROAの現行検証状態はこの証拠からは確定できない。

トポロジーは転送専用で、観測されるのは上流3社——AS202425(IP Volume inc, SC)、AS201814(MEVSPACE, PL)、AS48693(Rices, UA)——のみで、コレクタ可視性は290/267/1と極端に非対称、観測peer・下位ネットワークはゼロである (IPGeolocation.io)。aut-numが形式的に定めるのは3社中最も可視性の低いAS48693のみだ。一方、almazcloud.networkの商用主張——Yandex・Sberbank・Rostelecomとの直接物理ピアリング、10〜20Gbpsのトラフィック、プレフィックスあたり99ドルからのBGPアナウンスサービス——は、いずれのルーティング観測からも独立裏付けが得られていない。

追加の未確定事項として、IPv6 PI /48である2001:67c:29c::/48(RU-DINET-20211227、AO ALMAZへのASSIGNED PI)が資源保有に存在し、tom.beのミラーとIPregistryはAS210328による経路アナウンスを帰属させる一方、HEとIPGeolocation.ioはv6ゼロを報じる。この矛盾は本証拠セットでは解消できず、v6経路のRPKI状態も未検証である。またIPinfoはAS210328を「Inactive・プレフィックス0」と分類し、robtexやiptraceのミラーは2021年12月版の廃止済みAS12695ポリシーを表示し続ける (BTW 9月26日ブリーフィング)。8月のシーケンス自体は先行報道(BTW 8月末分析)が文書化済みで、26日以降の実質的変化は本証拠では検出されない。