Summary

  • ARINの現行番号資源ポリシーは、IPv6導入のために連続したIPv4の/10を確保する。すぐに必要な用途を説明できる申請者には通常/24を割り当てる。デュアルスタックDNSや変換装置が例だ。
  • 規則8.3と8.4は、4.10を含む留保プールのアドレスを、域内およびRIR間の「指定受け手への移転」から除外する。IPv6の足場として配られたブロックは、その市場経路では売れない。
  • 追加申請では以前の配布の用途が続き、利用率が少なくとも80%に達している必要がある。通常の六か月間隔には独立したネットワークの例外があり、IPv4待機リストへの参加は別扱いとなる。

IPv4が枯渇したという話は、ARINが一つも新しいIPv4アドレスを配らなくなったという意味ではない。現行の番号資源ポリシー手引きの4.10には、IANAから受け取った最後のIPv4 /8のうち、連続した/10をIPv6導入の支援に使う仕組みがある。新しい通信方式を動かすには、入口で旧方式のアドレスが必要な場合がある。ARINが挙げるのはデュアルスタックの重要なDNSサーバーやNAT-PT、NAT464の変換装置だ。需要は即時でなければならず、スタッフが理由を審査する。通常の交付量は/24。古い資源を少し使って新しい資源を働かせる、目的のはっきりした例外である。

その目的は出口の規則にも残る。手引きの8.3はARIN域内の指定受け手への移転、8.4はRIR間の指定受け手への移転を扱う。どちらも留保プールからのアドレスは対象外とし、4.4と4.10を明記する。ARINのIPv4申請案内も同じ扱いを説明している。IPv6を立ち上げるために受け取った/24は、その用途で運用できる。あとから買い手を見つけて8.3または8.4の手続きに載せることはできない。対象となるのは、この二つの定義された移転経路だ。資源の出自が審査の入口に立つ。

この境界には市場上の理由がある。ARINの通常のIPv4自由プールは2015年9月に尽きた。現在のIPv4取得方法は、待機リスト、既存保有者からの移転、特別用途の留保資源を分けている。IPv6のための留保枠が後で指定買い手に売れるなら、導入支援の申請書が取引用在庫を得る手段になりうる。規則8.3と8.4の除外条項はその出口を閉じる。同じサイズの/24でも、発行された経路が違えば次の売買での扱いは違う。買い手が値段を見る前に確認すべきは、ブロックがどの規則で生まれたかだ。

入口の審査も標語で通過できない。4.10は「ただちに必要なIPv6導入」を求める。申請者は、手元の他の割り当てではその需要を満たせないことも示す。ARINスタッフには理由を判断する裁量がある。必要な書類には、実際に始めるIPv6サービス、その中でIPv4が担う役割、既に保有するアドレスとその使途、代用できない技術的理由が並ぶはずだ。「IPv6を推進する」という一文より、ネットワーク図と利用計画のほうが意味を持つ。

二度目の交付は自動更新ではない。以前の4.10資源が引き続き当初の目的に合い、少なくとも80%利用されていなければ追加を求められない。通常は前回の4.10交付から六か月を空ける。別個のネットワークで、そのネットワークが過去六か月に同種の資源を受けていない場合には例外がある。複数の別個のネットワークを持つ申請者でも、任意の六か月で交付される合計は/21相当を超えられない。「半年ごとに/24をもらう」という言い方は、利用率とネットワークの分離という肝心の条件を消してしまう。

IPv4待機リストは別の勘定だ。申請案内によると、留保プールの資源を受け取っても既存の待機リスト申請は取り消されず、新たに並ぶ資格も失わない。ある事業者がIPv6の立ち上げに/24を要しながら、一般のIPv4不足について待機を続けることはありうる。二つの不足は同じ箱ではない。特別な橋渡し用ブロックを一般の市場在庫として数えたり、交付を理由に待機申請を消したりすれば、政策が分けた目的を経営表で再び混ぜることになる。

売買の前にも同じ確認が要る。売り手はブロックを商品として紹介する前に、最初の発行根拠を調べる。買い手は交渉費用や移行準備に金を使う前に、その記録を求める。

4.10または4.4の留保資源なら、8.3と8.4の指定受け手移転という扉は閉まっている。価格を決めてからその事実を知れば、無駄になったのは書類の数枚ではなく、調査と設計に費やした時間だ。私的契約の条項は登録機関の受付条件を塗り替えられない。

ARINの公開ページには、特定の4.10保有者が売却を試みた事例は示されていない。

日付付きの移転申請とARINの判断があれば、その個別事実を確かめられる。指定受け手移転の一般ルールは既に文書化されている。