要約

  • APNICが10月16日に公開した東ティモールのプロファイルは、2025年初めからのIPv6利用能力の伸びをStarlink参入によるものとしながら、大半の事業者はまだIPv6を採用していないと記した。
  • APNIC Labsの試験は、テスト対象のブラウザーがIPv6だけで提供されるデータを取得できるかを調べる。これは利用者側の到達性であり、事業者別の導入一覧ではない。

分析

注目点は、同じプロファイルに記された二つの速度差だ。IPv6を利用できる端末の測定値は伸びた一方、事業者の導入は遅れている。APNICは増加をStarlinkの市場参入に結び付けるが、どの試験結果がどのネットワークに由来するかを示す事業者別の表は掲載していない。この因果説明は記事執筆者によるもので、APNICはブログの見解が組織を代表するとは限らないと明記している。

ブラウザー試験が答えるのは、インフラ全体の棚卸しより限定された問いだ。APNIC Labsは、クライアントがIPv6専用のウェブデータを取得できるかを測る。各国の推計にはオンライン広告を用いたテストと、広告表示の偏りを調整する重み付けが使われる。試験に成功すれば、その端末と経路でIPv6に到達できたことは分かる。しかし、導入済みの事業者数、各試験で使われたアクセスサービス、IPv6が占めるトラフィック量までは分からない。

プロファイルによると、一部の地元ISPは自前のアクセス網を整備する代わりに衛星通信サービスを再販している。接続経路が多様化していることは分かるが、個々のIPv6試験と再販サービスの関係は示されていない。すべての事業者や利用者が同じ能力を得たという説明もない。

APNICはIPv6とRPKIの普及を妨げる要因として、技術知識と技術者の不足、運用上の利点に対する認知の低さ、政府・規制当局・民間組織での優先順位付けの弱さを挙げる。接続を広げることと、各事業者のネットワークをIPv6対応にすることは別の課題だ。

出典

APNICの東ティモール・プロファイル;APNIC LabsのIPv6測定方法。