要約
- APNICは10月13日8時から9時(UTC+10)にRPKIのセキュリティパッチを予定している。告知ではrpki.sub.apnic.netのrsyncが最長2分利用できなくなる可能性があり、他のRPKIサービスには中断を見込まない。
- APNICの公開CPSによれば、この接続先は自営RPKIクライアント向けの公開サービスに属する。告知だけでは各クライアントの再試行、キャッシュの変化、経路への影響は判断できない。
分析
APNICは10月9日のサービス告知で、10月13日(火)8時から9時まで(UTC+10)、RPKIシステムにセキュリティパッチを適用するとした。その枠内で、停止の可能性がある対象をより狭く示している。rpki.sub.apnic.netのrsyncサービスが、最長2分利用できなくなる見込みだ。APNICは他のRPKIサービスに中断は見込まないとしている。
ここには別々の三つの情報がある。作業時間は1時間、特定のrsyncサービスで最大2分の中断があり得ること、その他のRPKIサービスへの中断は想定していないことだ。「RPKIが1時間停止する」と表現すれば公表された範囲を広げてしまう。一方、「影響なし」と言い切れば、この接続先を使うクライアントへの注意を消してしまう。
このホスト名には、APNICが公開する認証業務規程(CPS)上の役割がある。同文書は、APNIC認証局のリポジトリと、自営RPKIクライアント向けの公開サービスを区別している。後者についてrsyncのrpki.sub.apnic.netとRRDPのrrdp.sub.apnic.netを挙げる。ただしCPSは2021年5月4日発効と記しており、公開されている構成の説明であって、2026年のクライアント設定を新たに調査した結果ではない。
この区別が告知の読み方を決める。対象はAPNICの全RPKI機能でも、RPKIデータを利用するすべてのネットワークでもない。名前が示された公開先での一つの取得方式だ。他のRPKIサービスに中断は見込まないというAPNICの記述は予測であり、個々のクライアントやアクセス方式の挙動を説明するものではない。
プロトコルの仕様を見ると、なぜ限定が重要かが分かる。RFC 8897は、リライングパーティーのソフトウェアが対象リポジトリの対応する方式(rsyncやRRDPなど)で署名済みオブジェクトを取得し、ローカルキャッシュを更新すると説明する。RFC 8182は、HTTPSを使うリポジトリアクセス方式としてRRDPを定義している。ただし、特定の運用者がどちらを設定しているか、ソフトウェアが自動的に方式を切り替えるか、次のキャッシュ更新がいつかまでは分からない。
このため、該当するrsync接続先に依存するクライアントでは、短時間の停止が取得の遅れにつながる可能性はある。しかし、それだけで現在のキャッシュが古くなる、経路起点の認可が変化する、ルーターの経路処理が変わるとは言えない。告知には対象クライアント数、バリデーターの観測、経路変更、利用者への影響はない。作業はまだ予定段階で、実施後の結果は出ていない。
妥当な読み取りは公表された範囲にとどまる。作業枠は1時間、特定のrsync接続先は最大2分利用できなくなる可能性があり、他のRPKIサービスに中断は見込まれていない。10月13日以降、APNICのサービス記録と運用者自身のリライングパーティーのログがあれば、予測を観測結果に置き換えられる。
出典
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