要約

  • APNICは2026年の会費収入を3,026万豪ドル、約7.5%増と予測する一方、会員アカウントの純増は1.2%と見込む。
  • 差の説明にはアカウント数、IPv4/IPv6資源、料金条件、割引、更新時期の照合が要る。

二つの伸び率、二つの分母

APNICの2026年予算は、会費収入を30,264,271豪ドルと見積もる。2025年予測の28,157,444豪ドルに対し、正確な金額からは約7.48%増となり、予算文書では7.5%に丸められている。詳細表は表示を7%に丸めるが、別の予測ではなく表示精度の違いだ。会費は総収入予測34,009,682豪ドルの89%を占める。予算提出資料では、2026年計画の主要収入源となっている。

同じ資料は、会員の年率換算した純増を1.2%と見込む。2025年予測の1.4%から鈍化する。アカウント表では2026年に新規600、閉鎖480、純増120、合計10,431。2025年予測の合計は10,311だった。前回予測は新規611、閉鎖475、再有効化または調整5で純増141。APNICは、新規登録の減少とM&Aに伴う閉鎖増を理由に挙げる。

これはアカウントの数であり、保有するIPアドレス資源の量ではない。予算は各アカウントのIPv4/IPv6保有量も、「典型的な会員」の請求額も示していない。7.5%から1.2%を差し引いても個別の6.3%値上げにはならない。一方は総会費収入、他方はアカウント数の変化だ。両者の関係には資源の構成、適用する計算式、割引、更新日が影響する。

公開料金表は必要な照合項目を示す。年会費はIPv4とIPv6の保有量別に基本額とビット係数で計算し、二つの算出額の大きい方を適用する。2026年は1,295豪ドルと1.320、2027年は1,356豪ドルと1.325だ。国別インターネットレジストリ会員には2.9倍係数、条件を満たす後発開発途上国の会員には50%割引がある。アドレス構成と適格性も請求額を左右する。現行の会費表に詳細がある。

新料金は全会員に1月1日から一斉適用されるのではなく、会計年度中の各更新に合わせて入る。IPv4 /16と/18を持つ会員の例では、年会費は2026年の13,050豪ドルから2027年の14,106豪ドルとなる。計算方法の例であり、平均的な請求額ではない。閉鎖アカウントの資源が移転・統合されたのか、APNICの登録簿に残ったのかも表からは分からない。

予算の感度分析は確率ではなくシナリオだ。会員増加の見込みが20%ずれると収入は±117,749豪ドル、閉鎖数が20%ずれると±88,972豪ドル変化する。アカウント移動が予測に影響することを示すが、資源保有や実際の請求額との照合にはならない。

2026年10月8日の理事会報告によれば、上半期の活動は計画どおりで、通年営業赤字の予測は209,000豪ドル。当初予算の308,320豪ドルから99,000豪ドル、約32%改善したが、黒字でも監査済み実績でもない。APNICは2027年の均衡を目標とし、その後の成長鈍化には優先順位の見直し、活動縮小、効率化が必要になり得るとした。理事会の更新は2027年の最終予算ではない。

問うべきなのは、どの資源、料金、割引、更新時期の組み合わせが収入予測を生むかだ。照合がなければ、会員は前提を読めてもアカウント表から計上収入までをたどれない。

出典