要約

  • Cabinet Officeは9月10日、専用AIツールが法令集で約7,000件の協議義務を特定したと発表した。確認した公表ページには、項目別の一覧、検索手法、処理決定は掲載されていない。
  • 9月7日の公開閣僚書簡は、今議会中に数千件の協議・報告要件を解きほぐし、廃止を出発点、存続を例外とする方針を示した。ただし書簡自体は法定義務を廃止しない。
  • 書簡は正式協議を残す三つの条件も明記する。法定要件がある場合、協議しないことが明白に不公正な場合、または閣僚が外部意見を求める適切な手段だと判断した場合である。
  • 問われるべき管理面は件数ではなく、発見、法源確認、人による検証、処理案、立法手段、発効、代替参加をつなぐ項目別記録である。

AIが見つけた行に、廃止の効力はない

9月10日のCabinet Office発表は、専用AIツールが法令集にある約7,000件の協議義務を見つけたとする。同時に、中央の専門チームが各省を支援し、新しい協議義務がBillsに入る前に食い止めてきたこと、秋に新たな公共参加の方針と実務指針を示すことも明らかにした。

ここには別々の工程がある。文章を検出するのは探索である。法案作成中の条項を外すのは立法前の介入である。現行の法的義務を消すには、その義務に対応した権限と手続が要る。検索件数を足しても、この境界は越えられない。

あるヒットはActの条文かもしれず、別のものはdelegated legislation、相互参照、反復表現、法定ではない行政慣行かもしれない。誤検出や見落としの可能性もある。これはAIが間違ったという断定ではない。出力を法的真実ではなく、検証を待つ候補として扱う理由である。

9月11日に確認した公式ページには、約7,000件の明細、採否基準、誤差評価、人による検証結果、項目別の処理予定がない。この不在は調査時点と対象ページに限った判断であり、後日の公開で変わり得る。現時点で言えるのは大規模な探索が発表されたことだけで、7,000件が廃止済みとも、すべて不要とも言えない。

公開書簡は「例外」を残している

全閣僚宛ての共同書簡は公開されている。Chancellor of the Exchequer、First Secretary of State、Attorney Generalは、一般的な協議義務は存在しないとし、閣僚が自ら判断して行動するよう求めた。

しかし正式協議を全面否定したわけではない。書簡によれば、法令上の要件があるとき、協議しなければ明白に不公正となるとき、または外部の知見を得る理由があり正式協議が適切だと閣僚が判断したときには、実施する。さらに、より早い段階で幅広い人々を直接巻き込む参加型の政策形成を掲げる。

既存要件については、今議会中に数千件の協議・報告義務を解きほぐし、廃止を基本、存続を例外にすると記す。各省は進行中のBillsや将来会期で求めるBillsに廃止条項を入れられないか検討する。つまり書簡は、法的な運搬手段を探せと命じている。その運搬手段の代わりではない。

9月7日のHM Treasury発表も、法令集の協議・報告要件を減らすため「立法する意向」と表現する。固定Challenge Windowや重要インフラをParliamentが承認する仕組みも計画として並ぶ。いずれも、公表文に書かれた時点で施行された制度ではない。

現行原則も形式だけの協議を求めていない

Cabinet Officeの2018年Consultation Principlesは、「協議のための協議」をしないよう既に求めている。法的義務の有無を省内法律家に確認し、政策や実施案が形成段階にあるうちに意見を求め、その回答を政策に反映するという内容だ。

正式協議は継続的な関与の一部にすぎないとも説明する。期間は相応で、関係する集団に届き、政府の回答は寄せられた意見と政策への影響を示すべきだとする。重複する質問票をなくすことと、参加経路をなくすことは同じではない。

この原則文書には法的拘束力がなく、法定その他の法的要件に従うとも明記される。秋の新指針が行政上の標準を変えることはできても、現に効力を持つ義務を黙って消すことはできない。

法源が違えば変更経路も違う

UK Parliamentの立法解説によれば、Billは新法または法改正の提案であり、Actがprimary legislationを作り、または変える。secondary legislationによる変更には、既存Actからの権限が必要である。

したがって7,000件に共通の廃止ボタンはない。新しいActが必要なもの、委任権限で変更できるもの、そもそも法定義務ではないものが混在し得る。適用地域、担当省、関連条項、開始日もそれぞれ確認しなければならない。

候補ごとに正確な引用、現行版、保護される当事者、管轄、責任機関を検証する。その後に、存続、廃止、修正、統合、代替のいずれかを決める。Billやstatutory instrument、Parliamentでの段階、発効日がそろって初めて、発見した一行が変更済みの一行になる。

処理台帳なら「より良い参加」も検証できる

公開の「協議義務処理台帳」を設けるなら、安定したID、法的根拠、適用地域、担当省、影響を受ける集団、検証状況、重複・陳腐化・必要性の理由を項目ごとに示せる。Daniel Kadeが本稿で提示する観察用モデルであり、英国政府が発表した仕組みではない。

同じレコードに、処理案、決定責任者、使用するBillやその他の手段、進捗、発効、異議・再検討・訂正、代替参加方法を置く。「AIが発見、未検証」という状態を表示すれば、候補を廃止決定と誤認させずに済む。

代替方法は具体的でなければならない。市民パネル、対象者会合、技術セッション、地域フォーラム、オープンデータ、代替なしでは、誰が政策に届くかが変わる。入口、時期、決定点が見えてこそ「現代的で意味のある参加」は検証可能になる。

台帳は速度とも両立する。検証済みの法的分析を各省が再利用し、閣僚が理由を引き受け、Parliamentが発表上の件数と実際の変更を区別できる。後から根拠を探し直す制度より、状態を一度記録する制度の方が軽い。

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