要約

  • 4種類の公開表にある7月のPOLICY行351件をアドレス数へ換算すると5,935,616となり、会員向け更新の数字と一致する。6月との差も4,159,744で一致した。
  • Ziggo B.V.からVodafone Libertel B.V.への同名組だけで3,130,368個、月間小計の52.74%。上位4組では89.29%になる。
  • 別にMERGER_OR_ACQUISITIONと分類された54行、49,280個がある。これは分類の違いであり、月次小計の誤りを示すものではない。
  • プレフィックスの大きさで重み付けした総量は、件数、契約数、価格、参加者数ではない。月報には分母を並記する余地がある。

「増えた」の中身を四つの表で確かめる

8月のMember Updateは、7月のIPv4移転量を5,935,616、前月比をプラス4,159,744と記す。この二つは、公開データだけで再計算できる。

必要なのは、域内allocation、域内assignment、他RIRからの流入、他RIRへの流出という四つの表である。1行に一つのCIDRだけが入るとは限らない。複数のブロックや、開始・終了アドレスで示した範囲もある。

7月の各ブロックをアドレス数に直し、POLICYの351行を合計すると5,935,616。6月は383行で1,775,872。その差は4,159,744になる。

ここから言えるのは、取得時点の公開4表におけるPOLICY小計と月報が完全に対応する、ということまでだ。RIPE NCC内部の集計コードを見たわけではないし、見出しの「transferred」があらゆる登録変更を含むよう意図されたとも断定できない。

最大の組だけで半分を超える

7月行を公開されたfromとtoの文字列でまとめると、量の偏りが見える。

Ziggo B.V. → Vodafone Libertel B.V.は7月7日付の34行で3,130,368個。政策分類の月間小計に対して52.74%である。

BT Italia S.p.A. → RETELIT-X S.R.L.は25行、944,128個。One Hungary Ltd. → 2Connect Telecommunications Infrastructure & Network Services Ltd.は26行、887,296個。Cityfibre Limited → ENTANET International Limitedは10行、337,920個だった。

4組合計は5,299,712個、89.2866%になる。

ただし「組」は公開名を束ねた集計単位である。34行を34件の売買と呼ぶことも、1件の契約と呼ぶこともできない。登記情報はプレフィックスと記録上の当事者変更を示すが、対価、契約数、顧客移行、経路切替、実質的支配を示さない。

/13と/24を同じ一件としては読めない

アドレス数の総計では、/13は524,288個、/24は256個である。前者1ブロックは後者2,048ブロック分の重みを持つ。

したがって、大きなプレフィックスが少数動けば、行数や当事者数が増えなくても総量は跳ねる。小さなブロックが多数動く月は、その逆になる。

この性質は欠陥ではない。アドレス量を測るなら当然の結果である。問題は、その値を参加の広さや市場の流動性と読み替えるときに生じる。

7月は6月より410万個以上多かった。それと同時に、4組で9割近くを占めた。正確な読み方は「政策分類のアドレス量が大きく、しかも特定の組に集中した」であって、「市場全体が一様に活発化した」ではない。

M&Aの49,280個は別の列にある

移転統計の用語は、政策に基づく移転と、合併・買収など組織構造の変化に伴う移転を区別する。RIPE-807も、公開一覧でどちらかを示すよう求めている。

7月の全分類を合わせると405行、5,984,896個。このうちPOLICY351行が月報と一致する5,935,616個であり、MERGER_OR_ACQUISITION54行は49,280個である。

後者を月報へ足すべきだった、という証拠はない。分類を分けること自体に意味がある。必要なのは足し算の変更ではなく、月報の数字に「どの分類の小計か」という札を付けることだ。

POLICYは価格区分でもない。売買を証明せず、価格や需要を示さない。M&Aのコードも、公開分類を超えて個別の企業事実を補う根拠にはならない。

短い月報に、短い計算票を添える

域内IPv4移転表とinter-RIR表は、元ブロック、移転ブロック、名称、国コード、種類、日付を既に公開している。JSONも提供されている。

月報本文を長くする必要はない。対象4データセット、取得時刻、種類フィルター、アドレス数、行数、正規化した当事者組数、上位1組・4組の比率、域内・流入・流出、allocation・assignment、恒久・一時という項目を機械可読の計算票にすればよい。

価格や契約を開示せず、見出しが何を数えたのかだけを固定できる。ライブ表のハッシュも残せば、後日の修正と当時の計算を区別できる。

7月の数字は再現できた。だからこそ、次に問うべきは数字の正しさではなく、その単位を読者に十分伝えたかである。

出典