要約

  • CoreWeaveの受注残は2026年6月30日時点で約1,040億ドル。第3四半期に入ってからの250億ドル超の新規純契約は含まれない。
  • 四半期売上高は25億7,500万ドル(前年同期12億1,200万ドル)に増えたが、期末受注残に対する四半期売上高の比率は約4.0%から約2.5%へ低下した。
  • 受注残は納品とサービス可用性の充足を条件とする一方、2026年の設備投資計画(350億~390億ドル)と支払利息(四半期6億4,000万ドル)は同じ条件を伴わない。契約を収益に変える連鎖では、稼働と資金が律速している。

報告された数字

2026年第2四半期(6月30日終了)の売上高は25億7,500万ドルで、前年同期の12億1,200万ドルから112%増えた。営業損益は4,900万ドルの損失(前年同期は1,900万ドルの営業利益)、純損失は6億2,600万ドル(同2億9,050万ドル)、希薄化後1株当たり純損失は1.14ドル(同0.60ドル)だった。非GAAPベースでは、調整後EBITDAが15億1,000万ドル(マージン59%、前年同期は7億5,300万ドル・62%)、調整後営業利益が1億2,800万ドル(マージン5%)、調整後純損失が5億6,700万ドルである(2026年第2四半期プレスリリース、SEC提出の同リリース)。

受注残は2026年6月30日時点で約1,040億ドル。第3四半期に入ってから加わった250億ドル超の新規純契約は含まれない。決算説明資料によれば、受注残1,042億ドル(前年同期比246%増)の内訳は残存履行義務(RPO)1,037億ドルと、その他の見込み額5億ドルである(2Q26決算説明資料)。ロイターは、受注残が第1四半期の994億ドルから増えたこと、2026年の設備投資計画を従来の310億350億ドルから350億390億ドルへ引き上げたことを報じた(ロイター)。

受注残は条件付きの数字である

同社の定義は明快である。受注残は「残存履行義務に加え、締結済みの顧客契約の下で将来収益として認識されると見込まれるその他の金額」であり、「いずれも納品とサービス可用性の充足を条件とする」。2025年第2四半期の説明資料でも同じ定義が使われ、当時の受注残301億ドルはRPOと一致していた(2025年第2四半期プレスリリース、Q2 2025決算説明資料)。

つまり約1,040億ドルという数字は、電力が入り、機器が設置され、顧客が実際にサービスを利用できる状態になって初めて請求可能になる金額の上限に近い。販売の代理指標としては有効でも、稼働の代理指標ではない。今回確認した開示資料の範囲では、受注残の期間構成も顧客構成も分解されていない。

変換の速度は落ちている

期末受注残に対する四半期売上高の比率は、2025年6月末で約4.0%(12億1,280万ドル÷301億ドル)、2026年6月末で約2.5%(25億7,500万ドル÷約1,040億ドル)である。

受注残の四半期ごとの推移は、301億ドル(2025年6月末)、556億ドル(9月末)、668億ドル(12月末)、994億ドル(2026年3月末)、約1,042億ドル(6月末)と増え続けた(2025年第2四半期、2025年第3四半期、2025年第4四半期・通期、ロイター)。同じ期間の四半期売上高は12億1,280万ドル、13億6,470万ドル、15億7,200万ドル、25億7,500万ドルだった。受注残は前年同期比246%増、売上高は112%増であり、契約の積み上がりが収益の伸びを上回った。

律速しているのは稼働と資金である

第1に稼働電力。CNBCの報道によれば、同社は1.5ギガワットの稼働電力を示し、年末までに1.85ギガワット超を目指すとしている(CNBC)。

第2に設備投資。2026年第2四半期の設備投資は93億5,200万ドル、上期では161億3,900万ドルに達した(2Q26決算説明資料)。四半期売上高の約3.6倍に当たり、2025年第2四半期の約2.4倍(29億ドル÷12億1,280万ドル)から比率が上がっている(Q2 2025決算説明資料)。

第3に資金コスト。支払利息(純額)は2億6,670万ドル(2025年第2四半期)から6億4,000万ドル(2026年第2四半期)へ約140%増え、売上高比でも約22%から約25%へ上昇した(2025年第2四半期プレスリリース、2026年第2四半期プレスリリース)。

損益もこの構図を映す。上期の売上高は46億5,300万ドル、純損失は13億6,600万ドル(前年同期は6億500万ドル)で、調整後指標が黒字でもGAAPベースの損失は残る(SEC提出リリース)。

見通しと証拠の境界

会社側は第3四半期の売上高を34億36億ドル、2026年通期を124億132億ドル、調整後営業利益を9億6,000万~11億5,000万ドルと見込む(CNBC)。これらは予測であり、改訂されうる。

本記事の事実は、同社の決算プレスリリース、SECに提出された同リリース、決算説明資料、ロイターとCNBCの報道に依拠する。独立した電力系統・送電接続・許認可の記録は取得しておらず、稼働電力の数字は会社開示に基づく。受注残の期間構成・顧客構成、契約の変更・解約・減損の有無についても、今回確認した資料の範囲では開示がない。BTWのディレクトリにはCoreWeave, Incの項目がある。