要約

  • 同じccTLD管理組織の別の人物を代表者が推薦する場合も、指針上は自己推薦に含まれる。
  • 自己推薦には同じ地域の適格な代表者が別に少なくとも2人必要で、自組織による賛同では代替できない。
  • 本人の受諾と雇用主の支援書簡にも独立した役割がある。無投票の選出を全会一致と呼ぶことはできない。

推薦状を書いた人と推薦された人が違えば、外部からの支持があるように見える。だがccNSOの理事選考は、個人と個人の間ではなく、所属する管理組織の境界を確認する。

9月7日の募集通知は、現職の任期が2027年3月に終わる5議席を対象としている。推薦の締め切りは2026年9月29日23時59分UTCだ。候補者が何票を得るかの前に、どの推薦が有効に成立するかが問題になる。

2025年6月に採択された第3版の選考指針では、代表者本人を推薦する場合だけでなく、IANAのデータベースでccTLD管理者として登録された同じ組織の別人を推薦する場合も自己推薦となる。この場合、同じ地理的地域の別の代表者による賛同が少なくとも2人分必要になる。自組織内での賛同は無効だ。同僚に書類を提出してもらうだけでは、組織外の支持は増えない。

それぞれが何を承認するのか

まず、推薦や賛同を行う資格を持つ代表者の承認が必要だ。代表者以外が書類を送った場合、選考責任者は代表者に確認を求める。公開メールの存在だけで、この確認が済んだとは判断できない。

賛同者の所属にも条件がある。ICANNの現行定款第10.4(h)項は、同じ地理的地域に属しながら、異なる地域単位であるTerritoryの別のccNSO会員による賛同を求める。これは自己推薦における「別の代表者2人」という条件と分けて確認すべきものだ。メールの件数だけを数えても足りず、逆に「必ず3か国が必要」と本文にない条件を足すべきでもない。

さらに、推薦された本人が受諾しなければならない。指針は有効な推薦と賛同を受けた段階と、本人が受諾して候補者となった段階を区別する。受諾書類には利益に関する申告と、必要な時間の投入を認める雇用主の支援書簡も含まれる。受諾期限までに書類がそろわなければ、推薦は無効になる。

雇用主の書簡は、時間面で職務を支えることを確認するものだ。それだけで将来の投票指示や支配関係を証明するわけではない。確認した資料から、特定候補への圧力や資金提供の取り決めは分かっていない。

無投票でも手続きの記録は必要

適切な賛同と受諾を得た候補者数が議席数以下なら、定款は投票を行わずに選出することを認めている。競争がある場合は指定されたEmissaryが投票し、選挙固有の定足数が適用される。

無投票であること自体は手続きの欠陥ではない。しかし、投票を実施していなければ「全会一致で当選した」とは言えない。本稿では、現在の受諾済み候補者一覧や選挙結果は確認していない。検討しているのは、その段階に進むための条件である。