Summary

  • Antonio Pradoの計算では、IPv6の/29には/48が52万4288個含まれる。2026年7月の原稿で示した当時の世界のIPv6 BGP経路表は約21万9000件だった。
  • ROAが示すのは許可された起点ASだ。隣接先から受け取る経路数は、各ネットワークが設定するフィルターと最大プレフィックス数で決まる。

経路表の容量は、登録簿の一行では増えない。ところが一つのアドレス割り当てから大量の経路を作ることはできる。Antonio PradoはRIPE Labsに寄せた研究紹介でIPv6の/29を/48まで細分した。個数は52万4288。執筆時点の世界のIPv6 BGP経路表、約21万9000件の2倍を超える。これは取り得る分割数と当時の表の比較であり、実際に全経路が流れたという記録ではない。

PradoらはBGPへの攻撃や異常を四つの大分類、八つの小分類に整理した。起点乗っ取りには検証の仕組みがある。一方、経路状態の激しい変動、プレフィックスの過度な細分化、ポリシー操作、属性によるセッション切断の四類型に、同じような暗号学的検証はない。残る対策は受信側のフィルター、経路数の上限、制御プレーンの保護とエラー処理だ。

RIPE NCCの起点検証の説明によれば、ROAはどのASがそのプレフィックスを起点として広報できるかを示す。隣接先が送り込む経路の本数まで保証する仕組みではない。起点の資格を確認する作業と、受信ルーターが抱え込む経路数を制限する作業には、別々の担当者と設定が要る。

RFC 7454は、相手ごとに受信・送信経路を絞り、最大プレフィックス数を設定するよう勧める。顧客から受け取る経路と、フルルートを渡す上流から受け取る経路には別の枠が必要だ。枠には通常の増加に備えた余裕もいる。広すぎれば大量の細分経路が入り、狭すぎれば正当な増加でセッションが切れる。安全装置の数字そのものが運用判断になる。

Pradoは経路安全性を研究し、RIPEのProgramme Committeeにも参加してきた。彼の分類が刺すのは「検証済み」という表示の横に残された空欄だ。実害を伴う事例を確定するには、時刻付きの経路広告、受信側の設定値とセッションの変化が必要になる。それまでにも、各事業者は自分の隣接先に設けた上限を調べられる。