要約

  • 2026年9月12日に固定した応答では、AFRINICの統計トップは年初来の新規会員122件、現在の総会員数2,609件、「増加」4%を表示していた。基準値、比較期間、式、丸め方、データ時点は見当たらなかった。
  • 残る四枚も同じ形式で、Route(6)は6,330、127,513、4%、IPv4の/24換算は614、438,182、0%、IPv6の/32換算は73、11,372、0%、ASNは121、2,787、4%だった。
  • 年初来値を現在総数で割り、小数部分を落とすと五つの整数と一致する。ただし、これは表示値と整合する仮説であり、ポータルの実装や公式の分母を証明しない。
  • 完全に取得できたIPv6とASNのダウンロードからは、それぞれの年初来値と総数を再現できた。次に必要なのは新しいデータベースではなく、各指標の定義を結ぶ版管理付きの照合票である。

一語だけが計算の外に残る

「今年122件」と「現在2,609件」は数えた対象を明記すれば理解できる。「4%増」は、何を何で割ったかがなければ完結しない。ところが画面上では三つが近接し、読者は自動的に関係を補ってしまう。百分率の記号が、まだ書かれていない方法論を既知のものに見せている。

固定した画面には五つの異なる世界がある。会員はレジストリと組織の制度上の関係である。ASNは番号資源で、IPv4の/24とIPv6の/32はアドレス量の正規化単位だ。Route(6)は経路に関係する別系列である。同じレイアウトに置くことは入口として便利だが、足し合わせたり、同じ4%を同じ強さの変化とみなしたりはできない。

「増加」を監査可能な指標にするには、分子と分母、期間の両端がいる。今年分は新規記録の総数なのか、退出を差し引いた純増なのか。返却、閉鎖、移管、重複削除、遡及訂正はどう扱うのか。年の境界はUTCか別の時間帯か。現在総数と年初来の切り出しは同じ抽出時点か。整数は四捨五入か切り捨てか。

取得したトップページ全体には、読者に見えるデータ基準時、分母、算式、丸め注記、スナップショットID、手法版、訂正履歴がなかった。HTTPのDateヘッダーは存在したが、それは応答が運ばれた時刻である。基礎データの更新時刻とは限らない。配送時刻を観測時刻として扱えば、公開情報にない出所を補ってしまう。

五つすべてに合う単純な読み方

まず「今年」を「現在総数」で割って100倍する。会員は約4.68%、Route(6)は4.96%、IPv4は0.14%、IPv6は0.64%、ASNは4.34%になる。小数部分を捨てれば、順に4%、4%、0%、0%、4%で、画面と一致する。

この一致は有用だ。候補となる説明を狭める。しかし「AFRINICのコードはこの式で切り捨てる」とは言えない。比率は上流で計算済みかもしれず、同値の式かもしれず、表示前に系列固有の規則が入るかもしれない。分子と分母の更新時刻が違う可能性も、画面だけでは排除できない。整合は実装の証明ではない。

別のありふれた基準を試すと、曖昧さが見える。今年分が期末総数に含まれる純増だと仮定し、現在総数から今年分を引いた値を暗黙の期首在庫とする。Route(6)では121,183になる。6,330を現在総数127,513で割ると4.96%、期首推定値で割ると5.22%だ。表示が整数4%だけでは、どちらを意図したか判別できない。

会員では現在総数に対して約4.68%、暗黙の期首2,487に対して4.91%。ASNでは4.34%と、期首2,666に対する4.54%。IPv6は約0.64%と0.65%、IPv4はいずれも約0.14%となる。後者を正解として提案しているのではない。今年分が総追加件数で、現在総数が閉鎖や返却も反映するなら、単純な引き算で期首は復元できない。その業務上の違いこそ、公開定義が必要な理由である。

増加率は二時点の純変化、期末在庫に占める新規分、過去十二か月の変化などでも作れる。どれも問いが明確なら正当だ。透明性とは万能の式を選ぶことではなく、採用した問いを明示することだ。

0%の中に正の件数がある

IPv4とIPv6のカードは整数化の影響を端的に示す。表示はともに0%だが、今年の欄には614 /24相当、73 /32相当がある。引用の過程で0%が「変化なし」に置き換われば、元の分子と矛盾する。

整合する計算で小数一桁を残せば、IPv4は約0.1%、IPv6は0.6%となる。表示としては改善だが、方法の代わりにはならない。桁数は精度を示し、分母と時点は来歴を示す。両者は別の情報である。

さらに、登録データの量から配備成果を推定してはならない。IPv6の/32換算は、経路広告、トラフィック、利用者到達性、実運用を単独では証明しない。ASNの登録はBGPでの可視性を保証しない。会員増はサービス品質の評価ではない。五つのカードは管理上の状態を示す入口で、その先の成果には別の証拠が要る。

この限定は数字の価値を下げない。異なる統計面を一つのトップに集める設計には実用性がある。問題は、共通の「増加」という関係語に、系列ごとの定義が添えられていないことだ。

原データまでの道はすでに開いている

AFRINICは会員、IRR、IPv4、IPv6、ASNについて専用ページを用意し、フィルター、履歴グラフや表、ダウンロードを提供している。閉じた箱ではない。むしろ証拠基盤の多くが公開済みだからこそ、要約カードとの方法上の接続が惜しい。

会員ページでは国や年で登録を調べられ、CSVには組織名や登録日などの項目がある。ただし今回保存した応答は、サーバーが示した全長に達する前に取得上限で切れた。したがって、形式と配布経路の証拠にはなるが、2,609件と2026年の122件を独自に全件集計したとは言えない。

IPv4ファイルも同様に途中までだった。詳細ページとデータ構造は確認できるが、438,182 /24相当と年内614を完全ファイルから復元したという主張には使わない。不完全な証拠を不完全と記すことは弱さではなく、監査の境界である。

IPv6ファイルは完全だった。正規化されたslash_32列を合計すると11,372、2026年に割り当てられた記録を選ぶと73になった。ASNの完全ファイルには2,787データ行があり、登録年が2026の行は121、固定ファイルで最新の登録日は2026年9月11日だった。二枚のカードにある四つの数は、基礎記録と正確につながる。

それでも百分率の定義は残る。73と11,372を再現しても、公式に両者を直接割るのか、同一抽出時点なのか、年境界の時間帯は何か、訂正時に過去値をどう扱うかは分からない。件数の追跡可能性と指標の意味は、近いが別の層だ。

IRRページにも専用表示と原データのアーカイブがある。本稿はそのアーカイブからRoute(6)を再構成しておらず、名称が経路関連だから同一母集団だとも仮定しない。どの資料を観察し、どの資料で何を計算したかを分けること自体が、出所管理である。

コードではなく照合票を公開すればよい

必要なのは内部実装の全面公開ではない。カードごとに短い版管理付き照合票を置けばよい。指標名と単位、包含・除外条件、データ源または抽出ID、基準時と時間帯、年境界、分子、分母、比較期間、式、表示上の丸め規則を並べる。

返却、閉鎖、移管、訂正、重複、遅延登録の扱いも必要だ。詳細ページとファイルへのリンク、ページ版と手法版、過去値を直した場合の簡潔な訂正履歴があれば、カードから記録まで一つの鎖になる。

会員なら「2026年追加122、現在の有効総数2,609、抽出時刻、追加/有効総数×100、整数へ切り捨て、手法版」といった一行で済む。実際のルールが期首在庫や純変化なら、それを書く。提案は特定の式を押しつけることではなく、選択を読めるようにすることだ。

安定したスナップショット番号も重要になる。ライブ画面は更新されるが、報告書や記事は過去の数を保持する。番号がなければ二枚のスクリーンショットが矛盾に見え、番号と訂正注記があれば同じ系列の異なる状態として説明できる。

時刻も分離する必要がある。登録や割り当ての効力日、CSV抽出時刻、画面生成時刻、HTTP応答時刻は同義ではない。二行の注記でこの混同は防げる。

この検証が言える範囲

対象は一つの固定応答と、そこからリンクされた公式ページおよびダウンロードである。過去の全画面、非公開コード、運用データベースは調べていない。内部式、計算ミス、説明欠如の意図は証明していない。

会員とIPv4の取得物は部分的で、形式と経路だけを裏づける。IPv6とASNは完全で、該当する四つの件数を再現できる。この差を守ることが結論の信頼性を守る。

残る事実は明快だ。AFRINICは年初来値と現在総数の横に五つの整数増加率を置くが、その比率を定義済み指標として再現するための基準、式、丸め、時点を公開画面に示していない。一つの単純な式はすべてに合うが、合うことは実装の証明ではない。既存のデータ公開に小さな照合票を加えれば、その距離は埋まる。

公式資料