要約

  • 2023年9月12日、モーリシャス最高裁判所商事・破産部は、AFRINICの移転、買収、合併、組織再編または経営支配の変更を抑止し、Official Receiverを管財人に選任した。目的は「輪を保ち」、会社資産の現状を保存し、事業価値を維持することだった。
  • 当時、定足数を満たす取締役会も最高経営責任者もなく、法的代理権の連鎖さえ問題になっていた。命令は既存の定款に従う選挙、適正な取締役会の再構成、最高経営責任者の選任を別個に指示し、保存の出口を会社機関の回復に置いた。
  • 生きた事業を保存するには、会社財産の管理、事業継続、収入回収、雇用、専門家の利用など、実質的な判断が要る。管財人は単なる封印係ではなかったが、その裁量は選任目的、指定された法定権限、裁判所の監督、第三者の権利によって囲まれていた。
  • AFRINICは民間の会員制技術レジストリであり、記録管理者、サービス提供者、調整者である。主権的、立法的、規制的、警察的、訴追的、懲罰的、没収的、公法上の裁定権限は持たない。管財人が、AFRINIC自身にもなかった主権を承継することはあり得ない。
  • したがって「輪を保つ」とは、会社の境界内で価値と継続性を守り、正規の取締役会と最高経営責任者へ引き渡せる状態を維持することだった。それは番号資源の所有権を決めたり、インターネット共同体を代弁したり、政策を制定したりする委任ではない。

命令が置いたのは、空白を埋めるための一時的な管理である

この事件を理解する最短の方法は、管財人が何者になったかを抽象的に論じることではなく、裁判所が何を壊さずに残そうとしたかを読むことである。2023年9月12日の口頭判決と命令は、第一に、AFRINICが自らを移転させ、買収、合併、組織再編または何らかの経営支配の変更に服することを抑止した。第二に、Official Receiverを管財人に選任し、「輪を保つ」こと、AFRINICの資産の現状を保存すること、事業の価値を維持することを目的として掲げた。第三に、既存の定款に従って選挙を実施し、適正な取締役会を構成し、最高経営責任者を選任するよう指示した。

これら三つは一つの無限定な権力宣言ではない。構造を動かさないための禁止、日々の価値を失わせないための管理、正規の会社機関を戻すための復旧工程という、役割の異なる措置である。命令の意味を広げすぎないためには、この分節を保つ必要がある。移転や再編を止めたからといって、あらゆる業務上の状態を永久に凍結したわけではない。事業価値を維持するよう命じたからといって、管財人に業界全体の将来を決める権限を与えたわけでもない。選挙を指示したからといって、管財人自身が会員の集合意思やインターネット共同体そのものになったわけではない。

会社に一時的な管理が必要になった背景には、権限の連鎖が途切れていたという具体的な事情があった。2023年3月7日、Cloud Innovation Ltdは会社法178条に基づく申立てを行い、構造変更の抑止とOfficial Receiverの選任を求めた。3月28日には、AFRINIC側の法律顧問が、申立適格を含めて争う立場を示した。しかし9月11日、第一審裁判官は、定足数を満たす取締役会も最高経営責任者も存在しない状況では、有効な取締役会決議により適切に授権されたとはいえないとして、AFRINICの法的代理人を11日と12日の手続から外した。これは会社の主張が真実か虚偽かを決めたというより、誰が会社名義で有効に意思を示せるのかという入口の問題だった。

さらに、残る4人の取締役の任期は9月18日に終わると命令上認識されていた。会社の意思決定回路が自然に回復するのを待つだけでは、空白が深まるおそれがあった。そこで裁判所は、既存の定款というすでにある規則に従う選挙を出口に据えた。管財人の正統性は、自ら新しい統治体系を創設することにあるのではない。会社が再び自らの正規機関を通じて行為できる地点まで、損傷を広げずに橋を架けるところにあった。

「輪を保つ」は境界を示す比喩であって、世界を停止させる命令ではない

「輪を保つ」という表現には、二つの含意がある。第一に、争いの当事者や競合する権限主張のいずれかが、決着前に管理対象を不可逆に変えるのを防ぐこと。第二に、最終的な権限主体が戻ったときに、引き渡すべき会社、記録、契約、職員、収入の流れ、サービス能力が残っているようにすることだ。輪は、保存対象の外周を指す。輪の内側を維持する責任は重いが、その外周がどこまでも拡張するわけではない。

この比喩を「一切の変更禁止」と読めば、保存はかえって失敗する。給与の支払い、必要な契約の履行、期限管理、収入の回収、専門家への依頼、日常サービスの安全な運用は、時間とともに選択を迫る。何もしないという選択も、資産価値を減らし、職員を失い、記録の整合性を損ね、引き渡し可能性を下げる経営判断になり得る。保存されるのは一枚の静止画ではなく、正規の会社機関へ戻せる生きた組織である。

しかし、ここから反対方向への飛躍も許されない。事業継続に判断が必要であることは、判断できる対象が無限定であることを意味しない。会社の銀行口座を管理することと、地域の番号資源の法的・経済的性格を定義することは別である。職員を雇用することと、会員や運用者に新たな資格条件を課すことも別である。既存契約を履行することと、番号資源の移転、リース、分類、取消し、制裁について新しい規範を作ることも別である。前者は保存目的に結び付く場合がある。後者は、明示的な法的根拠と独立した手続なしに、保存の語から導くことはできない。

輪の内側には、少なくとも会社自身の財産、法人記録、現金、契約上の地位、職員との関係、業務遂行能力がある。技術サービスの依存関係も、会社の事業継続に必要な限度で管理対象になる。他方、会員や第三者の権利、運用中のネットワーク、番号資源をめぐる法的地位は、会社財産と同一視できない。レジストリが記録を持ち、調整サービスを提供しているからといって、記録対象そのものを主権的に所有するわけではない。台帳を守る責任から、台帳に記載される者の権利を自由に作り替える権限は生まれない。

五つの層を混ぜない

保存目的の輪郭は、対象を五つの層に分けると明確になる。第一の層は会社法人であり、資産、帳簿、契約、収入、職員、訴訟上の地位を含む。第二の層は、RDAP、WHOIS、逆引きDNS、RPKIなど、レジストリ事業と運用者が依存する技術サービスである。第三の層は、会員、資源保有者、運用者その他の第三者が持つ権利や利益である。第四の層は、番号資源に関する資格、移転、利用、分類、取消し、制裁などを定める政策形成である。第五の層は、裁判所が国家の司法権として発した命令と、その監督である。

管財命令が直接に置いたのは、第五の層から第一の層に向かう一時的な管理権限である。第二の層は、会社の事業価値を壊さず、運用上の依存を隔離するために重要だが、安定運用そのものが新しい政策権限の根拠になるわけではない。第三の層は、むしろ権限行使を制約する境界として現れる。第四の層は、保存という目的だけから管財人へ移転しない。管財人は第五の層にいる裁判所ではなく、その命令に従う受任者である。また第一の層にあるAFRINICも、第四の層を主権的に支配する国家機関ではない。

この層別は、技術的継続性を軽視するためのものではない。逆である。技術サービスが会社の統治紛争に巻き込まれれば、紛争当事者でない運用者に影響が波及し得る。だからこそ、台帳、公開サービス、稼働中のネットワークに関わる依存関係を、争われる会社権限からできる限り隔離し、監査可能な状態にする必要がある。継続性を真剣に守ることと、現職機関のあらゆる権限主張を保存することは同じではない。守るべきはサービスと証拠の連続性であって、民間組織を主権者に見立てる物語ではない。

保存には出口が組み込まれていた

9月12日の命令は、取締役会の再構成を6か月以内に完了するよう求め、完了しない場合には延長を求めて裁判所へ戻るよう管財人に命じた。費用についての命令はなかった。この期限と再申立ての仕組みは、管財人が自分で任期と権限を延ばす構造ではなかったことを示す。時間が足りないなら、保存目的を自ら拡大するのではなく、選任した裁判所に理由を示して追加の時間または権限を求める。ここに、暫定管理と恒久統治を分ける制度的な蝶番がある。

2024年10月15日、民事控訴裁判所は、提起された上訴を退ける形で9月12日の命令を回復し、取締役会再構成の完了期間を2か月に置き換えた。この後日の判断は、当初命令の権威と期限の扱いを理解するうえで重要だが、本稿の中心を別の時期の管財実績へ移すものではない。ここで問うのは、9月12日に設定された保存目的が何を許し、何を許さなかったかである。後に行われた個々の行為の適法性や妥当性は、それぞれの記録なしに推測できない。