要約
- 第2次定款協議は2026年8月21日23時59分(UTC)に終了する。第19.9条はまだ草案で、採択済みでも、実際に使われたと確認された規定でもない。
- 出席理事は、明示的に異議を述べるか反対票を投じない限り、決議に同意して賛成したと推定される。
- この文言は新設ではない。現行の2020年定款とモーリシャス会社法の標準手続にも同じ規定がある。
- 草案は棄権、回避、異議の形式・期限、即時の記名投票記録を明記していない。
- 正確な議事録、次回会合での承認、その後の公開は改善だが、重大な決議が効力を持つ前の検証可能な記録にはならない。
「空欄」は空欄のまま残らない
第19.8条は、投票資格を持つ理事の投じた票の過半数で決議が成立すると定める。続く第19.9条は、出席理事の立場が記録上不明なときの初期値を置く。明示的な異議または反対票がなければ、同意と賛成が推定される。
欠席者を賛成扱いにする条文ではない。はっきりした反対を無効にする規定でもない。問題は、出席者の未表明の立場が中立ではなく賛成側に置かれることだ。理事自身が明確な行為をしなければ、その位置から外れられない。
何をもって「明示的」とするのかは書かれていない。発言、挙手、書面、議事録への記載のどれが決定的なのか。異議の記載漏れをいつまで訂正できるのか。棄権は独立した選択肢として示されず、出席したまま議論や投票から回避した理事をどう扱うかも第19.9条にはない。
本稿の資料には、実際の理事が沈黙、棄権、回避をした後に賛成と数えられた事例はない。この推定で結果が変わった特定の決議も確認されていない。検証対象は起きたと主張する事件ではなく、規則が準備する権限と証拠の経路である。
会社法の初期値を定款で上書きできる
同じ推定は現行定款第19.9条にもある。モーリシャス会社法第8附則5(4)も同様だ。一方、第158条は附則の理事会手続を会社定款に従わせている。AFRINICには、標準規定をそのまま残す以外の選択肢がある。
その選択は小さくない。理事会は予算、支出上限、料金、執行部、委員会、レジストリ運用に関わる権限を持つ。IPv4が希少な運用資本となった以上、管理記録を扱う組織の投票証拠は、低価値の事務台帳だった時代より明確であるべきだ。
法律上の反証も正確に扱う必要がある。第143条は法令・定款遵守、善意、正当な目的、注意と技能を求める。第148条は所定の利害開示を課す。しかし、私会社について第152条は、定款に別段の定めがなければ、開示後の利害関係理事の投票を認める。一般的な回避義務を作り出し、第19.9条が自動的に違法だと結論づけることはできない。
公開議事録は決議より一歩遅い
草案第19.10条は実質的な前進である。すべての会合に正確な議事録を要求し、次回会合で、出席して投票する理事の単純過半数による承認を求める。承認後は一応の証拠となり、合理的に可能な限り速やかに公開される。法令、秘密、弁護士依頼者間の特権、個人情報、商業上の機微を理由に編集する場合も、その理由を示す。
ただし、公開に至る時計は決議後に動く。各理事を賛成、反対、異議、棄権、回避、欠席に分ける即時の点呼記録は求められない。承認・公開までの日数も固定されず、公開前は決議が効力を持たないとも書かれていない。記録される理事会が、次回会合で自らの記録を承認する構造である。
モーリシャスの企業統治コードは、拘束力のない比較材料にすぎない。その理事会規程例は、異議を議事録に残すよう促し、各理事が自分の票または正式な声明の記載を要求できるとしている。AFRINICへの法的拘束や違反を証明するものではないが、個人別の帰属が可能な設計であることは示す。
修正案は具体的にできる。棄権と回避を定義し、異議の有効な形式と期限を列挙する。結果発表前に書記が全員の状態を確認し、短い訂正期間を設ける。重要決議は、発効前または発効時に記名投票証明書を公開する。後日の議事録は、そこで初めて権限を語る文書ではなく、すでに固定された権限を説明する文書になる。
誰の票かは、誰が損失を負うかに直結する
AFRINICは公式ページで、理事会を会員選出で広い権限を持つものと説明する。それは自己説明であり、現在の「理事会」を称する組織の権限争いを決着させる判決ではない。
Heng Luの「中立な帳簿係が脆弱な権力になった」という分析は、希少性によって台帳が資本インフラへ変わったと指摘する。ネットワーク事業者は設備、契約、人員を負担し、登録・移転・継続性の不確実性による損失も負う。記名投票は儀礼的な透明性ではなく、資本に作用する権力を個人の責任へ結びつける仕組みだ。
NRSは、理事会決議、委任、Receiverへの指示、請求書、取引別記録の開示を会員に求めている。2022~2025年の法務費を328万9,000米ドル、うちC&A Lawへの支払を214万8,000米ドルとし、付加価値税と実費を除く時給1,000米ドルの条件も報告する。これは出典を明示した主張と要求であり、本稿の司法認定ではない。請求書や時間記録も本資料にはない。
将来の定款や議事録は、現在の「理事会」、Receiver、その支持者、移転の固定化、過去の支出、請求書、報じられた料金条件を遡って正当化できない。本稿は違法、汚職、詐欺、動機、個人の不正も認定しない。
協議期限は8月21日23時59分(UTC)。出席は出席として、賛成は確認された賛成票として記録する。それが最も短く、最も検証可能な修正である。
情報源
- AFRINIC — 改正定款案に関する第2次協議
- AFRINIC — 改正定款草案
- AFRINIC — 現行定款
- モーリシャス財務省 — 2001年会社法
- 国家企業統治委員会 — モーリシャス企業統治コード
- AFRINIC — 理事会
- AFRINIC — 裁判案件
- AFRINIC — 理事会文書
- AFRINIC — 会合と決議
- NRS — AFRINIC AGMM 2026会員行動
- NRS — NRS Shield
- Heng Lu — AFRINICと「コミュニティ所有」という神話
- Heng Lu — 現実の層と象徴的権力
- Heng Lu — インターネット・ガバナンスのエージェンシー問題
- Heng Lu — 権力、正統性、AFRINICのロックイン
- Heng Lu — レジストリ権力が責任から離れるとき
- Heng Lu — 誰が大陸やコミュニティを代表するのか
- LARUS — レジストリ層が構造的リスクとなる理由
- LARUS — マンデート・ロンダリングが調整を統治権力に変える仕組み
- BTW — AFRINICの法務費調査
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