要約
- 憲法改正案の第2回意見募集は2026年8月21日23時59分(UTC)まで。第19.6条は案であり、発効済みでも使用済みでもない。
- 通常の取締役会は過半数かつ最低5人が必要だが、24時間を超える延期と欠席取締役への通知を経ると、3人の出席で有効な定足数になる。
- この3人ルールは現行の2020年憲法にもある。改正案は第13.10条への参照を加えたが、選挙だけに限定された同条の緊急制度が従来の例外を狭めるかは明記していない。
- 3人全員が投票する場合、通常決議は2対1で成立し得る。ただし、個別事項に適用される法定・憲法上の加重要件は残る。
- 通知、出席権、議事録、後日の公表は実在する保護である。それでも、決定前の業務範囲、全員の参加機会、迅速な審査は別途必要だ。
手段を変えると参加人数が変わる
改正案第19.11条の書面決議は、取締役会の通知を受ける権利を持つ全取締役の3分の2が署名または同意しなければならない。9席がすべて埋まり、全員に通知権があるなら6人である。
ところが第19.6条の会議ルートでは、最初の会議の最低線は5人でも、定足数不足で延期した後の最低線は3人になる。延期が24時間を超える場合、延期時に欠席していた取締役へ通知する必要がある。そのうえで再開された会議に3人いれば、有効な定足数とされる。
各取締役は1票を持ち、議長に決定票はない。通常決議は、投票資格を持つ取締役が投じた票の過半数で成立する。3人が全員投票すれば2票で足りる。重大取引や憲法改正など、別の条項や会社法がより高い基準を置く場合はその基準が優先する。それでも、同じ案件をどの形式で扱うかによって、制度上必要な参加人数が大きく違う構造は残る。
2026年に新設された権限ではない
3人の延期定足数は現行憲法にも同じ形で存在する。したがって、改正案が新しい権限を作ったと報じるのは正確でない。問われるのは、全面的な見直しで古い例外をなぜ残し、どこまで使えるのかをなぜ書かなかったかである。
改正案が新しく加えたのは「第13.10条に従う」という冒頭の参照だ。第13.10条は、在任取締役数そのものが定足数を下回った場合の事業継続制度である。残った取締役が1人でも例外的に定足数とみなされるが、できることは定足数を回復する選挙と、その付随・結果的事項に厳しく限定される。取締役数が回復すれば例外は終わる。
第19.6条の3人制度には、同じ限定が書かれていない。「第13.10条に従う」という一文だけでは、選挙専用制度が3人制度を排除するのか、狭めるのか、並行して動くのかが分からない。紛争の減少を掲げる改正なら、将来の取締役会の解釈に任せず条文で答えるべきだ。
議事録は証拠になるが、事前の権限表ではない
改正案には評価すべき改善もある。会議通知には日時、場所、議題を記載しなければならない。すべての取締役に出席権がある。第19.10条は正確な議事録を求め、次回会議で承認した後、合理的に可能な限り速やかに公表する。法令、守秘、法律専門家秘匿特権、個人情報、商業上の機微に応じて適切に編集することも認める。
これは意思決定の痕跡を残す重要な仕組みである。しかし、議事録の承認より先に決定が効力を生むことはあり得る。公表期限は日数で固定されておらず、3人で判断する必要性、権限の範囲、反対票、利益相反を直ちに証明する制度もない。記録が存在することと、権限が事前に限定されることは同じではない。
モーリシャス法は外部の回復経路も用意する
会社法第128条は、複数取締役会社の取締役会を、必要な定足数以上の取締役が共同で行動するものと定義する。第129条は会社の業務を取締役会の指揮下に置き、その権限を法律と会社憲法の制限に服させる。第八附則は、定足数を取締役会が定め、未設定なら過半数とし、定足数なしに業務を行えないとする。
第136条には別の回復方法がある。取締役数が定足数を下回り、憲法に従った選任が不可能または実務上困難なら、株主または債権者は裁判所に取締役の選任を申請できる。裁判所は会社の利益になると判断すれば選任できる。この規定だけで第19.6条が有効または無効になるわけではない。縮小した内部集団の外にも、継続性を戻す制度があることを示す。
第143条の義務も人数によって消えない。取締役は法律と憲法の範囲内で、必要な場合は会員の承認を得て、誠実に、会社の最善の利益と正当な目的のために行動しなければならない。会員または社債権者には、現実または予定された義務違反について宣言や差止めを求める道がある。本稿は具体的な3人会議にこれらを適用する法的判断を示すものではない。
例外には目的と終了条件が要る
モーリシャスの企業統治コードは、ここでは拘束力のない設計上の比較材料にすぎない。小集団による意思決定の支配を避ける構成を求め、モデル取締役会規程では決議に過半数の出席または代理を必要とする。緊急時に通常手続から外れる場合も、全取締役に参加機会を与え、議長と会社秘書役が次回会議用の報告を作ることを求める。
AFRINICの修正も複雑である必要はない。3人定足数を明記した緊急・保全行為に限る。議題と資料を全員へ送り、遠隔参加の実質的機会を設ける。例外を1回の会議または短期間で失効させる。必要性、対象、票数、異論、利益相反を直ちに公表する。重要な決定は独立審査または会員の追認に付す。そして第13.10条との関係を明文化する。
Heng Luの議論に照らせば、台帳が資本に影響する時代には、記録機関の裁量にも損失に見合う制約が必要になる。誰が「コミュニティ」を代表すると語るかではなく、誰が招集し、延期し、再開し、投票し、誰が結果のコストを負うかを見るべきだ。ネットワーク事業者は運用、顧客、IP資産の下振れを実際に負う。
調査資料には、3人の延期会議が実際に開かれ、投票、支出承認、個人への措置を行った証拠はない。不正、詐欺、共謀、違法性、個人の動機も認定しない。将来の憲法採択は、現在の「取締役会」と称する集団、Receiver、支持者、移転ロックイン、過去の支出や請求書、BTWが報じた時給1,000米ドルの法律報酬を遡って正当化できない。NRSの権限・支出批判は帰属を明らかにした主張であり、司法判断ではない。
意見募集は8月21日23時59分(UTC)まで続く。継続性を守るなら、3人が何を守るために、いつまで、どの審査の下で動けるかを先に書くべきだ。
出典
- AFRINIC — 改正憲法案の第2回意見募集
- AFRINIC — 改正憲法案
- AFRINIC — 現行憲法
- モーリシャス財務省 — 会社法
- モーリシャス国家企業統治委員会 — 企業統治コード
- AFRINIC — 取締役会
- AFRINIC — 裁判案件
- AFRINIC — 取締役会文書
- AFRINIC — 会議と決議
- NRS — AFRINIC AGMM 2026会員行動
- NRS — NRS Shield
- Heng Lu — AFRINICと「コミュニティ所有」の神話
- Heng Lu — 現実層と象徴的権力
- Heng Lu — インターネット統治のエージェンシー問題
- Heng Lu — 権力、正統性、AFRINICのロックイン
- Heng Lu — レジストリ権力が責任から離れる時
- Heng Lu — 誰が大陸やコミュニティを代弁するのか
- LARUS — レジストリ層が構造リスクになる理由
- LARUS — 調整が統治権力に変わる仕組み
- BTW — AFRINIC法律報酬調査
関連リサーチ
会員向け解説
プロフィールの詳細
適切な会員レベルでログインすると、解説全文と出典メモをご覧いただけます。
Strategic Circle 限定
Strategic Circle
すべての読者に公開されています。参加してログインすると プロフィール解説 を閲覧できます。
Strategic Circle に参加Leadership Alliance 会員限定
Leadership Alliance
対象となる IP 資産の所有者・管理者向けです。ログインすると Leadership Alliance の解説を閲覧できます。
Leadership Alliance に参加

