要約

  • AFRINICが2026年8月4日に公表した第2次憲章改正案への意見募集は、8月21日23時59分(UTC)まで続く。案はまだ採択も施行もされていない。
  • 新設案の第13.10条は、在任取締役が通常の法定人数を下回った場合、残る取締役を、選挙で定足数のある取締役会を回復する目的に限って例外的クオーラムとみなす。
  • 通常の法定人数は過半数かつ最低5人であるため、条文の文法上は1人から4人の残存取締役を含み得る。ただし、ゼロ人の場合に行使主体は示されていない。
  • 選挙回復という唯一の目的と、定足数回復時の自動終了は実質的な歯止めである。しかし「必要、付随または結果として生じる事項」の一覧、固定期限、独立した境界確認者、専用の公開行為台帳、復旧後審査は明記されていない。
  • モーリシャス会社法第136条の裁判所による取締役選任経路は、憲章上の選任が不可能または実行困難な場合に残る。内部の緊急経路が、司法経路を消すわけではない。

終了条件があることは重要である

第13.10条案は目的を取締役選挙による定足数回復へ限定し、必要・付随・結果的な事項を扱えるとする。十分な取締役が就任すれば自動終了するため、通常業務、番号資源政策、一般支出、改憲、過去行為の追認へ広げられない。

ただし、終了までの日程、契約、費用、利益相反、情報公開を誰が決めるかは別問題だ。出口が明確でも途中が見えなければ、会員は例外権限の使途を検証できない。

1人でも選挙クオーラムになり得るが、通常の取締役会ではない

第19.6条案の通常クオーラムは過半数かつ最低5人である。第13.10条は下限を置かず「残る取締役または取締役ら」と書くため、少なくとも1人いれば1~4人が対象になり得る。これは現在の人数を示す報道ではなく、本資料は現在5人未満だと証明しない。

ゼロ人なら行使主体はいない。1人が対象になり得ても全権を得るわけではなく、権限は選挙回復に限られる。

空白は「付随事項」を誰が判定するかにある

選挙には通知、名簿、投票基盤、候補者確認、契約、支払いが要るため一定の裁量は必要だ。しかし条文は許可行為、選挙期限、独立管理者、範囲裁定者、完了認証者を定めない。

第19.10条案は正確な議事録と承認版の速やかな公開を求めるが、例外行為の形式や専用公開期限は不明である。各行為の日時、根拠、選挙との関係、決定者、費用、契約相手、利益相反、結果を同時に残す台帳が必要だ。

復旧した取締役会が例外期間を審査する仕組みもない

定足数回復後、新取締役会が例外行為を期限内に承認、修正、撤回、調査へ分類する規定もない。この審査は選挙を巻き戻すのではなく、必要な選挙行為と便乗判断を分ける。

Heng Lu doctrineの代理人問題は動機の推測ではない。行為者が入口、範囲、記録、支出、自己評価を握り、他者が損失を負う構造を問う。行為者と審査者を分けるべきである。

裁判所経路は競合ではなく、失敗時の外部レールである

会社法第136条は、取締役不足で憲章等による選任が不可能・実行困難なら、株主や債権者に裁判所への選任申立てを認める。第13.10条が先に内部回復を可能にしても、ゼロ人や手続不能時の司法経路は消えない。

第140条は最後の取締役の辞任と後任会議を、第143条は適法、誠実、適正目的、注意義務を定める。例外クオーラムも免責ではない。

技術的連続性は、緊急統治権の白紙委任を必要としない

AFRINICの2025年年次報告書は、CEOも定足数のある取締役会もいない状態が3年以上続く間、職員が事業継続を維持したと述べる。2025年の重要サービスは通常99.7%を超える可用性だったとも記す。

これは制度設計に重要な反証を与える。サービス継続と、広い暫定統治権は同じものではない。選挙回復のための狭い経路は必要になり得るが、DNS、WHOIS、RPKIその他の運用を守るという言葉だけで、例外主体の権限を拡張する理由にはならない。

年次報告書はReceiverの選任、2025年の選挙、係争中の裁判についてAFRINIC側の経緯を記す。現在の取締役会ページもAFRINICが取締役として掲げる人物を示す。これらはAFRINICが何を公表したかの証拠であり、いわゆる取締役会やReceiverの権限を確定する裁判判断ではない。

「連続性」「民主的説明責任」「代表性」「強靱性」という改正案の説明も、提案者の理由として読むべきである。その語自体が、実行経路の完全性を証明するわけではない。

新条項は過去の権限や費用を追認しない

NRSは2026年AGMMに向けた会員行動ページで、現在の権限連鎖、請求書、法務支出記録の開示を要求している。これはNRSの主張と要求であり、裁定済みの事実ではない。しかし、誰がどの権限で何を発注し、いくら支払い、誰が検証できるかという問いは、第13.10条の将来設計にも直接関係する。

BTWの調査は、過去の法務契約に1時間1,000米ドルという条件があったと報じ、ガバナンス上の懸念を示した。本ファクトパケットには、その条件を違法と判断した裁定はない。だからこそ、断定的な犯罪語ではなく、権限、請求、承認、成果物、利益相反を照合できる公開記録が必要になる。

第13.10条を将来採択しても、いわゆる取締役会、Receiver、その支持者、移転ロックイン、過去の支出や契約に、当時なかった権限を遡って与えることはできない。新しい回復条項と、過去行為の法的評価は別問題である。

8月21日までに条文へ追加すべき統制

会員が求めるべき修正は、例外経路を壊すことではなく、閉じた統制回路にすることである。発動条件、許される行為、終了条件、審査を同じ条文群で結ばなければならない。

第一に、選挙通知、名簿確定、候補者手続、投票、認証、必要最小限の契約と支出を列挙し、その他の行為には独立確認を要求する。第二に、発動から選挙完了までの期限と、延長の公開理由を定める。第三に、各行為の専用公開台帳を設ける。第四に、復旧した取締役会と独立した法的確認者が、例外期間を期限付きで審査する。第五に、内部経路が不可能または実行困難な場合の第136条との接続を明記する。

自動終了はよい出発点である。しかし、出口があるだけでは、そこへ至る権力の使い方は検証できない。AFRINICの会員に必要なのは「信頼してください」という継続性の物語ではなく、例外権限が選挙回復だけに使われたと第三者が確認できる記録である。

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