要約
- 英国政府は10月29日、古さやサポート終了だけでなく、公共機関にデジタルサービスを維持・改善する能力や余力がない状態もレガシーに含めた。
- SaaS、既存ライセンス製品、クラウドは対処策になり得る一方、すでにクラウド上にあるサービスも更新が必要だと説明している。
- 2025年の政府レビューでは、完全な資産台帳を整備中の公共機関が多く、調査回答者の約15%はレガシー資産の規模を推計できなかった。
英国の「Cloud Challenge Book」に加わった10月29日の説明は、レガシーの置き場所をサーバー室から組織の運用能力へ広げた。デジタルサービスを維持し、改善する能力や余力が公共機関にない場合も、レガシーに当たり得るという。
これはクラウド移行の評価を変える。元の冊子は、レガシーの一部がすでにクラウド上にあると記し、移行済みのサービスにも改善が必要だとしていた。今回の説明は、既存職員の再訓練は役立つが、それだけで課題の規模には対応できないと明記した。政府が求めるのは、外部委託先も含めた資産の自動的な把握、低リスク案件の迅速な移行・近代化、複雑で高リスクなシステムを改修する方法、クラウド上の既存サービスの底上げ、そして新サービスが次のレガシーを生まない設計だ。
手段も一つではない。政府はSaaS、既存のライセンス製品、クラウドサービスを候補に挙げる。クラウド基盤を使う調達ではIaaS、PaaSと関連サービスに関心を示している。製品や運用支援を買っても、公共機関がサービスの目的を理解し、変更を決め、委託先の作業を確認し、契約終了後の移行を管理する仕事は残る。
台帳不足は新しい問題ではない。2025年1月のState of Digital Government Reviewは、公共部門の多くが包括的なデジタル資産台帳の整備初期にあり、把握済みのレガシー情報も全面調査ではなく推計に頼ることが多いとした。回答者のおよそ15%は規模そのものを推計できなかった。同レビューの約28%という値は中央政府機関の技術資産に関する推計で、幅は10〜60%だった。2026年の冊子は「私たちの資産の28%」と述べるが、対象範囲や算定方法を公開していない。両者を同一指標の新旧値として扱うことはできない。
ここで問われるのは、サービスを誰が保守し、改善の判断を下すかだ。契約はソフトウェア、計算資源、支援を供給できる。政府側は、どの技術判断を自ら保持するのか、事業者がどの証拠を出すのか、別の事業者へ移る際に何を引き継ぐのかを決める必要がある。
政府はNational Cloud Infrastructure Programmeの調達を2027年初めに開始する見込みとするが、設計と承認が条件だ。5〜10年は事業者の意見を聞くための計画上の期間で、契約の期間や構造は未決定。次の調達文書で各サービスの公的責任者、資産、事業者、維持能力、欠落部分と資金付きの次の行動をつなげられるかが試金石になる。移行だけで案件を閉じれば、改善できないサービスは台帳に残る。
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