要約

  • TERRATELECOM-AS は RIPE の aut-num オブジェクト AS48019 の as-name であり、組織 ORG-TL307-RIPE(Terra-Telecom LLC、ウクライナ、EDRPOU 37606103)に帰属し、2008年10月1日に割り当てられ、2018年10月11日に最終更新された(IPIP.netのRIPEミラー、IPinfo)。
  • AS48019 は IPv4 のみで2つの /23(91.207.66.0/23「Terra-Telecom route」、194.105.136.0/23「Terra-Telecom leased」)をoriginateし、上流は AS43139 Maximum-Net LLC のみが観測されている(bgp.he.net、CIDR Report、RTSAK、Robtex)。
  • AS26573 は全く別のネットワーク(Luxoft USA Inc、ARIN、8.11.228.0/24)であり、TERRATELECOM-AS の名は付かない。番号レベルの混同は第三者ディレクトリで現実に起こる(bgp.he.netのAS26573、CIDR ReportのAS26573、IPGeolocation.io)。

名前の帰属:登録記録が示すもの

公開レジストリの観点では、TERRATELECOM-AS という文字列は RIPE の aut-num AS48019 の as-name として現れる。組織オブジェクト ORG-TL307-RIPE は org-name「Terra-Telecom LLC」、国 UA、reg-nr 37606103、所在地はウクライナ・ボヤルカを示し、割り当て日は2008年10月1日、最終更新は2018年10月11日とされている(IPIP.netのミラー)。この reg-nr はウクライナ法人登記の EDRPOU 37606103 と一致し、同登記は TERRA-TELEKOM, LLC が2011年4月22日に登録、住所は Kyivska obl. Fastivskyi r-n, Boiarka, vul. Molodizhna 12/2、活動はケーブルテレビ・OTTテレビ・インターネット接続、責任者は Lesiv Dmytro Olehovych、従業員3名と記録している(UA-REGION)。つまり、AS名・組織・法人登記という三層が同一の実体を指しており、名前の帰属自体は登録記録の範囲内で裏付けられる。

運用footprint:小さく、上流一本、IPv4のみ

BGPコレクタと経路オブジェクトのミラーは一貫した絵を描く。AS48019 は 91.207.66.0/23(routeオブジェクト「Terra-Telecom route」、2009年12月30日作成)と 194.105.136.0/23(「Terra-Telecom leased」、2015年5月7日作成)という計1024アドレス相当のIPv4をoriginateし、IPv6は観測されていない(bgp.he.net、CIDR Report、RTSAK)。上流は AS43139 Maximum-Net LLC の一本のみで、下位ネットワークは観測されず、AS-MAXIMUM と AS-EMPLOT のASセットに含まれる(CIDR Report)。91.207.66.0/23 には origin AS48019 の RPKI ROA が存在し状態は valid とされる(Robtex)。アドレス空間とASのアブース連絡先は maximuma.net ドメイン上に登録されており、194.105.136.0/23 内のアドレスは Kyiv Oblast・ボヤルカに地理特定され、RIPE登録住所と整合する(IPGeolocation.io、IPinfoの当該アドレス)。

ブランドと法人の分離、そして単一上流という構造

事業者自身の契約ページは、法人 ТОВ «ТЕРРА-ТЕЛЕКОМ»(Terra-Telecom LLC)を MaximumNet ブランドと maximuma.net に結び付け、サービス商標は ТОВ «МАКСИМУМ-НЕТ»(Maximum-Net LLC)が所有すると述べる。同ページは同法人が NCCIR 決定第463号(2011年9月8日)により電気通信事業者登記第2274号として登録されたと自己申告しており、サービス地域はボヤルカ、ヴィシュネヴェ、ペトロパヴリウシカ・ボルシャヒウカ、ホティウ、スヴャトペトリウシケに及ぶ(maximuma.net)。この自己申告は、AS43139(Maximum-Net)が AS48019 の唯一の上流であるという観測と構造的に整合する。経済的な含意は明快である:顧客はローカル地域のケーブル・OTT・ブロードバンド契約者であり、ASという資産は単一上流への依存の下で小さなアドレス空間を運ぶ。194.105.136.0/23 のrouteオブジェクト名が「leased」と付くことは、アドレス取得経路の一部が自前割り当てでない可能性を示すが、契約の実態は公開記録からは検証できない。

混同の実例:AS26573 はどこに属するか

TERRATELECOM-AS と並んで現れる AS26573 は、別の実体である。as-name は NY-DC、組織は Luxoft USA Inc(ARIN、2018年1月26日割り当て)、originateは 8.11.228.0/24 のみで、上流に AS3356 Level 3 Parent, LLC を含む(bgp.he.netのAS26573、CIDR ReportのAS26573、IPGeolocation.ioのAS26573)。AS名・組織・国・レジストリのすべてが異なる。この対比が示すのは、AS名文字列を手がかりにした第三者ディレクトリや自動集約では、番号・組織・名前の三層を照合しない限り別事業者への誤帰属が起こりうるということである。BTW自身の TERRATELECOM-AS カードはこの種の名前漂着に対して無防備であり、本稿はそれを明示的に解消する。

証拠の境界

本稿が主張できるのは登録・経路・登記の観測事実までである。2018年10月11日以降の登録現況は検証されておらず、顧客数・収入・市場シェア・2つの /23 を超えるアドレス保有の証拠はない。Terra-Telecom LLC 以外に TERRATELECOM-AS 名を主張する当事者が存在するかは未解決であり、AS26573 の例は競合主張ではなく一般的な混同リスクの実例としてのみ扱われる。PeeringDB のレコードは検証できず、IXやピアリングの存在は確認も否定もできない(PeeringDB)。

BTW の TERRATELECOM-AS 名録条目はこちら。