要約

  • Ethaneでは、表の項目に一致しない通信に許可を与えてから経路を設定する。利用者、端末、アドレス、接続位置の対応が、その判断の前提になる。
  • NOXの全体的なネットワーク像は、すべての実時間トラフィックを含むものではない。接続が許可されたことと、アプリケーションの動作が安全であることも別である。

端末が別の接続場所へ移ったとき、利用者に対する許可まで書き直すべきなのか。それとも、同じ許可を新しい位置で適用するための対応関係を更新すべきなのか。この説明用の問いは、企業ネットワークを機器の設定の集まりとして扱うことの難しさを表している。Scott Shenkerと共同研究者は、許可の意味と、それを経路に適用する仕組みを分けずに考えた。

2007年のEthane論文の著者はMartin Casado、Michael J. Freedman、Justin Pettit、Jianying Luo、Nick McKeown、Scott Shenkerである。提案は、利用者や端末の名前で方針を表すこと、その方針で経路を決めること、パケットと発信元の対応を保つことを結び付ける。「誰に許すか」を読みやすくしても、その名前がどの通信を指すか分からなければ判断は成立しない。

許可が経路になるまで

Ethaneのスイッチは、フロー表に一致する項目がないパケットを入口の情報とともにコントローラーへ送る。コントローラーは許可を判断し、必要な中継地点を含む経路を計算して、経路上のスイッチに項目を設定する。最初のパケットは転送に戻され、その後の一致するパケットはスイッチ側で処理される。項目は期限切れになるか、取り消されるまで効力を持つ。

論理的に判断を集中させることは、全パケットを一台のサーバーで転送することではない。新しい通信の受け付けと、既に設定された転送には異なる依存関係がある。可用性を調べる際に両者を分ける必要があるのは、この仕組みから導かれる含意である。あらゆる障害でも既存の通信が続くという保証ではない。

論文の例では、端末登録、アドレスの割り当て、接続位置、利用者認証を組み合わせて対応を作る。移動すれば対応の更新が必要になる。その履歴を残すことで、過去のアドレスを当時の利用者と結び付けられる。アドレスそのものを永続的な身元と見なすのではなく、判断時点で成立していた関係が重要なのである。

動いた範囲を正しく読む

論文が報告するのは、Stanfordで四か月間、300台を超える端末を支えた運用経験である。既存機器と共存し、端末ソフトウェアの変更を必須とせず段階的に導入できることも説明される。これは実際の経験だが、コントローラーの容量計算で検討された、より大きなネットワークが実際に導入された証拠ではない。古い接続区間が残れば、発信元を確認する条件も一様にはならない。

著者自身が示す限界も見落とせない。許可された端末がアプリケーションのメッセージを中継すれば、元の送信者に禁止された相手へ内容が届く場合がある。通信ポート番号からアプリケーションの実際の用途を確実に知ることもできない。複数端末が同じ物理ポートを共有すると、MACアドレスの偽装による帰属の誤りが問題になる。ブロードキャストによるサービス探索には別の負担もある。接続の許可は、端末の信頼性やアプリケーション全体の理解の代わりにはならない。

全体像を使ってプログラムを書く

2008年のCCRへの寄稿に関連するNOXの著者稿は、Natasha Gude、Teemu Koponen、Justin Pettit、Ben Pfaff、Martin Casado、Nick McKeown、Scott Shenkerの共同執筆である。保存した稿は、査読を受けていない編集上の寄稿と明記されている。その設計上の議論を独立した安全性認証として扱うことはできない。

NOXはネットワーク全体を観察し制御するためのインターフェースを提供し、具体的な管理判断はアプリケーションが行う。OpenFlowがスイッチを抽象化するのに対し、NOXは全体のプログラムに必要な像を提供する。その像にはトポロジーと名前・アドレスの対応が入り、現在の全トラフィック状態は入らない。パケット処理、フロー開始、比較的遅い共有情報の変化を分け、全パケットに全体調整を求めない設計である。稿が報告する内部運用は約30台、六か月であり、規模拡大の議論とは区別すべきだ。

Berkeleyの公式記録はScott Shenkerの身元と学術上の立場を示し、2017年の大学発表はNiciraの共同創業を確認している。しかし、共同執筆の内部の分担までは示さない。資料で確かめられるのは、意味のある名前で方針を書き、それが実行可能な操作に結び付くまでを明示した共同の成果である。

出典と確かめられる範囲

Ethaneの原論文は仕組み、運用例、限界の根拠である。NOXの著者稿はインターフェースと報告された運用の根拠であり、稿の性格を保って読む。2017年の著者による再掲載は回顧である。2025年のUSENIXによるBen Pfaffへのインタビューは商業上の背景についての当事者の説明を提供する。以下の組織的含意は分析であり、測定された費用削減ではない。