要約
- Remco van Mook案は、現行文書を指す索引から始まり、政策文書の書き換えから始まるわけではない。
- RIPE 93の記録は次の工程が難しい理由を示す。整理、移動、修正は別の作業であり、現行文面には適用の積み重ねがある。
アドレス政策のマニュアル作りは、書類を片付ける仕事に見える。ルールを一か所に集め、テーマ別の章を作れば、運用者は番号付き文書の束を探し回らずに済む。だがRIPE 93の議論は、段落を動かす前に境界線を引く必要を示した。
van Mookが提案した最初の段階は、既存の文書を案内する索引だ。IPv4、IPv6、ASN、移転、契約関係、登録簿に隣接する政策などをテーマ別に並べる。公式のセッション概要は、その後に資源別の章を一つずつ、原文のまま移す工程を示し、すでに統合済みの移転政策を出発点としている。章ごとに一つの提案、という構想だ。
会場の発言は「マニュアル」という言葉より慎重だった。van Mookによれば最初の枠組みは参照先だけを並べ、政策本文は移さない。初期段階で解釈を付け足すことにも反対した。リンク脇の説明が食い違いを一方的に整理したり、誤記修正に見える一文が、運用者の義務の理解を変えたりするからだ。
参加者が挙げたのは、見栄えの問題ではない。政策間には定義の不整合があり、既存の文言は適用を通じて先例を持つ。Maynard Kochは、PDPの外で原文を再掲するだけでも、その先例の理解が変わるおそれを指摘した。データベース作業部会の共同議長は、文書の集約と修正を分け、矛盾を消さずに記録すべきだと明言した。
RIPE Document 781は手続き上の基準を示す。政策策定は公開され、透明性を保ち、合意に基づく。政策はRIPE Documentsとして記録される。van Mookも、政策に手を入れるならPDPを通すべきだと述べた。索引で全体を見つけやすくすることはできても、争いのある定義を編集者が決着させることはできない。
最初の段階を小さく保てば、新しい参加者が適用される文書とその経緯を自力で探せる。長年の参加者を知っていることを、検索の前提にしなくて済む。RIPE NCCにとっても、交差参照の束を経験で読み解く代わりに、見通しのよい案内図を示せる。しかし矛盾を隠す索引は、古い曖昧さに整った表紙を付けるだけだ。
RIPE 93の記録には賛同、協力の申し出、異論が残るが、議長による採択決定や後続の作業項目は記載されていない。作業部会の公開アクション項目か議長まとめが出れば、提案の状態は変わる。それまでは、問いは明快だ。意味の変更をすべて合意プロセスに残したまま、案内図だけを公開できるのか。
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