要約

  • PTS は、多数のネットワーク所有者が存在する光ファイバー市場に合わせ、原価計算モデルを刷新する案を公表した。
  • 公開された R の例は架空の事業者を対象とし、計算するのは物理的なローカルアクセスだけだ。規制対象の商品や価格規制の方式を決める意見募集ではない。

計算できることと、請求できること

光ファイバーの卸アクセスを買う企業にとって、原価の説明を検証できることには意味がある。しかし、モデルが出した数値がそのまま契約上の料金になるわけではない。PTS が始めた意見募集では、この距離を見落とさないことが重要だ。

PTS は9月9日の発表で、従来のモデルは全国規模の銅線網を前提としており、多くの所有者が光ネットワークを運営する現在の市場には適合しないと説明した。新しいモデルは地理的な市場に応じて規模を変えられる設計を目指す。将来どのような価格規制になるかにかかわらず、監督や必要な介入を支える道具にもなるという。

ここで変わるのは、まず比較の土台である。全国網の費用を表す方法と、異なる地域の光ネットワークを検討する方法は同じではない。売り手は自社網の条件が計算に反映されているかを問い、買い手は費用差の説明が比較可能かを問うことになる。ただし、これは制度から考えられる利害の構造であり、今回の案によって卸料金や家庭向け料金が動いたという事実ではない。

公開例、設計範囲、規制判断を分ける

意見募集の説明によると、公開された R のパッケージは、三つの収容区域を持つ架空の事業者を表す。ネットワークの数量、投資、原価に関するパラメーターは架空であり、実在する事業者や光ネットワークのデータではない。それらを入力して得られる結果は、計算の流れと出力を理解するためのものだ。

この公開パッケージが計算するのは、物理的なローカルアクセスに限られる。他のサービスの計算は含まれていない。一方、モデル参照文書の冒頭部分が示す設計上の範囲はもっと広い。戸建て住宅向けの物理的・仮想的な光ローカルアクセス、コロケーションと関連設備を含み、バックホールが必要となる可能性もある。設計に登場する項目が、すべて公開例で計算できるとはいえない。

さらに、モデルの利用範囲と法的な義務の範囲も異なる。PTS は、価格規制の方式や規制対象の商品を今回の意見募集で扱わないと明記している。個別案件への適用は、別の決定で透明性と予見可能性を持って説明するというのが参照文書の方針だ。公開ソフトウェアの機能を確認しただけでは、適用される料金も義務も確定しない。

意見を出す価値はどこにあるか

提案の手法は、ボトムアップで長期増分原価を計算する BULRIC+ である。PTS は WIK-Consult GmbH の専門的な支援を受けているが、技術支援と規制判断の権限は同一ではない。関係企業にとっての当面の論点は、モデルの前提が異なるネットワークを適切に表せるかどうかだ。

意見の提出期限は2026年10月7日。9月21日には支援のための会合が予定され、参加関心の連絡期限は9月17日とされている。PTS は意見を検討したうえでモデルを完成させる。これは計算方法を吟味する段階であり、価格引き下げの予告ではない。

本稿は発表、意見募集の説明、モデル参照文書の最初の8ページに基づく。コード監査や、公開例を実行して得た結果を報告するものではない。